kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「民のかまど」論者・野田佳彦の限界

 バーバラ氏のX。

 

 

 揚げ足取りと思われるかもしれないが、この「民の竈」という言葉に私などは反応してしまう。

 少し前に軍畑先輩がこんなXをポストしていた。

 

 

 上記の最初の項に当てはめるなら、野田佳彦はしょっちゅう「民のかまど」論を持ち出している。昔からそうだし、今も全然変わらない。

 昔、FC2ブログ『きまぐれな日々』に「民のかまど」批判の記事を何件か公開したことがある。下記はそのうちの1件。タイトルから明らかな通り、河村たかし小沢一郎野田佳彦の3人を批判の槍玉に挙げている。2010年10月16日に公開した。

 

caprice.blog63.fc2.com

 

 上記リンクの記事中から張られたリンクが間違っていることに今頃気づいた。

 小沢一郎が『小沢主義』で展開した「民のかまど」論が取り上げられたブログ記事へのリンクは、正しくは下記だった。

 

ameblo.jp

 

 また河村たかしの「民のかまど」論が書かれているのは下記(これは元記事の通り)。

 

mmatusaka.exblog.jp

 

 そして野田佳彦は、公式サイトにある「かわら版」のどこかの記事で「民のかまど」論を持ち出していたらしいが、ウェブ内検索ができないのでわからなかった。以下に鳩山政権の財務副大臣時代に野田が書いた文章を貼っておく(PDFファイルからのスクリーンショット)。

 

 

 そして5月2日の産経の記事より。

 

www.sankei.com

 

 問題の部分を以下に引用する。

 

仁徳天皇の故事にならい消費減税を訴え

 

野田氏は2日の記者会見で、「民のかまどから煙が立たなくなることを放置できないという中での政治判断だ」と述べた。仁徳天皇が家々から炊事の煙が上がっていないのを見て民の窮状を知り、税を免除した故事になぞらえ、消費減税の必要性を強調したものだ。

 

首相時代、社会保障と税の一体改革で消費税率10%への引き上げに道筋をつけた野田氏にとって、減税は苦渋の決断だった。4月25日の記者会見では「悩んだり、困ったり、悶絶(もんぜつ)したり、七転八倒したりした」と赤裸々に明かした。

 

参院選まで2カ月余りだが、立民の政党支持率は低迷している。消費減税は党勢回復に向けた野田氏の乾坤一擲(けんこんいってき)の策といえるが、他党の反応は冷ややかだ。

 

石破茂首相(自民党総裁)は4月30日、訪問先のフィリピンで記者団に、「高所得者を含めて負担が軽減されるので、低所得者が物価高に一番苦しんでいることを考えるとどうなのか。検討が必要だ」と疑問を投げかけた。

 

URL: https://www.sankei.com/article/20250502-2SS5S256TBJAZCTJLKD43URGVU/

 

 野田は松下政経塾の出身だが、松下幸之助は「無税国家」を理想としていた。

 

konosuke-matsushita.com

 

 野田は松下の影響を今なお強く受けている。そんな野田にとって「消費税減税」は自然な政策だったとみるほかない。むろん枝野幸男なら野田のような決断はしなかっただろうが、その代わりに党の分裂騒動になった可能性が高い。昨今の「減税主義」の暴風の破壊力はそこまできている。

 松下政経塾時代から叩き込まれた野田の政治思想の限界が、4月25日の誤った決断につながった。野田の限界が完全に露呈したといえる。それこそイエローシグナルが点灯している。

 こんな野田が「社会民主主義者」でなどあろうはずがない。少し前に私が弊ブログから締め出した「トラスと日本」その他の非固定ハンドルネームかつ固定リモホIDの人間は、野田と枝野幸男を「真の社民主義者」とか言って持ち上げながら、議論を妙なネトウヨ的方向に誘導しようとしていたが、その手は食わない。弊ブログはこのIDのダブハンを指摘してコメント禁止処分にした。

 邪悪なコメンテーターの話はこのくらいにするが、野田はもちろん、野田よりははるかにマシな枝野幸男にしたところで「保守本流」を自認する人だ。しかも「保守本流」とはそもそもが「小さな政府」を志向する政治家が多い派閥だった。その代表格が玉木雄一郎と同郷の大平正芳である。こうしてみると、玉木はあからさまに、枝野は一応は「転向」しているので程度はやや軽いが、野田を含めて全員が「新自由主義の尻尾」を残しているといえる。それどころか玉木に至っては悪魔の尻尾みたいに凶暴化している。

 それらが露呈したのが昨今の政局だった。

 立民の政党支持率はまた下がり、三春充希氏の「リアルタイム議席予想」でも衆院選比例ブロックの予想議席数がまた1つ減った。

 

 

 立民の危機は深刻である。