参院選だが、参政党と自公が競合している選挙区では「戦略的投票」で自公に入れることを推奨するという「リベラル」がいるらしいですが、私は賛成しません。
昨日の記事にも書いた通り、東京都江東区で自民党は既には参政党と共同会派を組み、その参政党の区議が江東区議会の質疑で区政とは何の関係もない陰謀論を垂れ流しています。それを区政与党の自民党は止められません(江東区・高野勇斗都議のnoteによる)。
そんな実態があり、しかも今回仮に自公が非改選議席を合わせて過半数を保ったとしても2028年までしか寿命はありません。この2028年にはもしかしたら衆参同日選挙があるかもしれません。普通なら2027年頃の解散総選挙ですが、その時に自民党が勝てる計算が立たないなら解散できず、ズルズルと衆参同日選挙になるパターンです。
でも上記はあくまでも今回の参院選で自公が過半数を守った場合の話です。守れなければ事態はさらに流動的になり、いつ何が起きてもわからないカオス状態になります。私が自由討論の共用ブログに「混沌」の2文字熟語を入れたのもそれを想定してのことでした。混沌の時代に、もはや権威主義は通用しないでしょう。自ずとそんな事態になると私は考えています。
そしてその場合、自公は参政党を連立与党に組み込む可能性があります。地方議会では既にやっているのですから。要するに、参政党に投票するのも自公に投票するのも同じだということです。
ところで今回興味深いのは、これまで10年以上も「既成政党」を攻撃してきた維新の存在感が全然なくなったことです。それどころか、新元号とともに始まった山本太郎の個人政党、あれも何年「できたばかり」のつもりなんだよ、と弊ブログに何度か書きましたが、あそこも似たような性格の参政党が台頭したら、あっという間に「既成政党」とみられるようになりました。それでなくても投票先を新選組か参政党かで迷う有権者が一定数いるとはこれまでも指摘されてきたことですが、今回は彼らが参政党に雪崩を打ちそうで、「陰謀論層」を剥がされつつある新選組は、今後は伊勢崎賢治の安全保障政策と長谷川羽衣子の経済政策を軸としたイデオロギー政党としてしか生き残れないのではないかと私はみています。
それにしても朝日の情勢調査では参政党が比例区での野党第一党になりそうだという結果が出ていることには慄然とさせられます。下記はその一覧表を貼り付けた有田芳生衆院議員(立民)のX。
自民党党の調査で西田昌司候補が倉林明子候補に負けているという数字が出たから「助けてください」と本人が訴えている。ところが「朝日新聞」の調査では西田候補と山本和嘉子候補たちが競っているが倉林候補は失速との数字が出た。調査とはそんなもの。「予想」を後ろから読めば「ウソよ」。最後まで諦… pic.twitter.com/tcbTr2c2y7
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2025年7月15日
今回の新選組に「伸び悩み」という言葉を使ったのが、リンクは張りませんが読売新聞の情勢記事でした。上記朝日の予想でも、新選組は選挙区0で比例区は3が中心ですが2もあり得ると。仮に2になっても3になってもそのうちの1人は伊勢崎賢治です。組内で伊勢崎賢治の存在感が増すことになるでしょう。なお新選組の改選議席数は2なので、それでも改選議席数は守れることになります。維新も予測の中心値が改選議席数より1だけ多い6なので、新選組ともどもやっと6年前の水準に戻るだけとはいえます。しかし上り坂にあった6年前と下り坂にいる現在とでは構成員の士気は大違いでしょう。
有田議員は京都選挙区の朝日の情勢調査結果に言及していますが、朝日はトータルの議席数の予測精度はかなり高いものの個別の選挙区の情勢記事は結構いい加減です。昨年の衆院東京15区補選など、記事に明記されていたサンプル数がそもそも少なく、それに記者が予断に満ちたいい加減なことを書いたら大外れしました。しかし立民支持層の間では朝日の選挙情勢記事を過大評価する傾向が強いです。
それで思い出しましたが、朝日が6年前の東京選挙区の情勢記事で、それまでさほど強いと思われていなかった朝日新聞OBの山岸一生候補(現衆院議員)を、他社の予測には例を見ないほど強いとする情勢記事を出したところ、「戦略的投票」によって塩村文夏候補に投票した立民支持層が続出して塩村氏が当選し、山岸氏が落選しました。山岸氏がXだったかで古巣朝日の情勢記事に恨み節を書きました。
その東京選挙区で、今回は露骨に立民衆院議員が「戦略的投票」を呼びかけ、塩村候補がテレビだったかで「それだと私が落選してしまう」と反論する党内バトルが起きています。因果は巡るってとこですかね。塩村候補だったら仮に負けても山岸衆院議員と同じように衆議院のどっかの選挙区から出たら当選できると私は思いますけど。つまり私は「それでも戦略的投票に徹する」投票行動を取ろうと思っています。最終的には投票日当日に決めますけど。恨むなら、目指す社会像をはっきりさせないために立民の党勢を伸ばせない野田佳彦を恨んでくれ、と言いたいです。何しろ朝日の予想で比例区は参政8、立民7、民民7です。立民は前回「提案型野党」路線をとって惨敗した泉健太執行部時代並みにしか支持されていないということです。恥さらしもいいところだと思いますけどね。
あと比例区の社民党では、ラサール石井候補ではなく大椿裕子副党首を当選させようという投票行動を決めた人が結構いるとの話。私がどういうつもりかについては既に書きました。なんだかんだ言って今回も投票先を明記したも同然の記事を書き続けています。
今日は、序盤にもやった兵庫、大阪、京都の3選挙区と東京選挙区の情勢調査結果を載せた三春充希氏のXをリンクして締めます。
第27回参院選 情勢報道集約(7月16日4回目更新)
— 三春充希(はる)⭐第27回参院選情報部 (@miraisyakai) 2025年7月16日
兵庫県(3人区) pic.twitter.com/bA5JapMiiw
兵庫では泉房穂が相変わらず強そうですが、この泉は伊勢崎賢治ともども「スプートニク」に登場したことがあるそうです。こんな人がトップ予想で、さすがに当選圏にはいないようですが立花孝志がそれなりの得票をする見通しらしいことには頭痛がします。
第27回参院選 情勢報道集約(7月16日4回目更新)
— 三春充希(はる)⭐第27回参院選情報部 (@miraisyakai) 2025年7月16日
大阪府(4人区) pic.twitter.com/3nWpgHY9NZ
第27回参院選 情勢報道集約(7月16日4回目更新)
— 三春充希(はる)⭐第27回参院選情報部 (@miraisyakai) 2025年7月16日
京都府(2人区) pic.twitter.com/yZUmUgQXt0
問題の京都選挙区ですが、朝日の2回目の調査はグラフが出ていただけで記事の文章になっていなかったためと思われますが、載っていません。でも他社の情勢調査結果を見ると、朝日の2回目がいかに突出して特異な結果だったかがわかると思います。
なお、選挙のかなり前から陣営が「減税!減税!減税!減税!」と叫んで京都市内を練り歩いていた某候補は見る影もありません。
最後は東京。
第27回参院選 情勢報道集約(7月16日4回目更新)
— 三春充希(はる)⭐第27回参院選情報部 (@miraisyakai) 2025年7月16日
東京都(6+1人区) pic.twitter.com/bHMab7tqET
うーん。これで「7番手とか8番手の予測」とか言いますかね。まあ必死なのはわかりますし、結果は蓋を開けてみなければわかりませんが。