こういう言説が一番いけない。
実は伸びている、立憲。 https://t.co/NkxRBRtyRi
— りっけんカジュアル党員【立憲民主党】🌈🗼 (@Rikken_CDP2023) 2025年7月21日
ざっくりと
— おじいちゃんお化け (@micha_soso) 2025年7月21日
2022年参院選⇒2025参院選の比較
比例区
2022⇒2025 得票数
自民 1,825万⇒1,280万
国民民主 315万⇒762万
参政党 176万⇒742万
立憲 677万⇒739万
公明 618万⇒521万
維新 784万⇒437万
れいわ 231万⇒388万
日本保守 ー⇒298万
共産 361万⇒286万
チームみらい ー⇒151万
社民…
その2022年参院選というのは、泉健太が「提案型野党」路線に走って立民が一人負けした時の数字だ。
「提案型野党」というのは自公政権にすり寄るという意味だから論外。こんな選挙でも絶対得票数を比較の対象としてはならない。
立民は相対得票率では、その2022年参院選よりも得票率が悪かった。これはこの3年間に政治に関心を持つようになった人のうち、立民に投票したいと思った人の比率が非常に低かったことを意味する。
衆院選の比例ブロックと参院選の比例区の違いは、政党名を書くことに限定されている衆院選と、候補者名を書くこともできる参院選という違いがあり、社民党が参院選の方がいつも得票率が高いのは、西暦奇数年では福島瑞穂、偶数年では今回はタレント候補の力を借りたが前回は前党首の吉田忠智という大物を投入した効果だ。社民党の場合はこれまでは党首や党首クラスの大物の力によってきたが、今回は党内に非改選の福島瑞穂以外に集票力のある候補がいないと、おそらく福島瑞穂自身が判断してラサール石井を投入した。ラサールでなければ社民党は政党要件を維持できなかったであろうところまで追い込まれたことを意味するが、そもそも自身が社民主義者であるとも思えない福島瑞穂の独裁がいつまで続くのか、そして福島が政界を退いたあとに社民党は政党要件を維持できるのかと考えれば、今回の選挙後に社民党の政権要件支持を寿ぐのではなく、福島を批判する記事を書いて公開しようとは、選挙戦中から私がずっと考えていたことだった。ラサールの力で政党要件を維持できることに関しては、情勢調査の結果からほぼ間違いないと確信していた。でも私は権威主義が大嫌いだから、「ラサールを候補に立てた福島瑞穂の英断」とやらを称える気など全く起きない。だから多くの、あるいは数少ない社民党員あるいは支持者の神経を逆撫でする記事を書いて公開した。
社民党の話にそれたが、昨日の記事にも書いた通り、私は衆院選の比例ブロックでの得票率と参院選の比例区の得票を連続したものとして捉えるべきだとの立場をとる。
従って、今回の選挙で立民の比例票が2024年の衆院選と比べてどうであったかが問題だと考える。
2024年衆院選では立民の比例ブロック得票数は1156万4221票、得票率は21.2%だった。
2025年参院選では立民の比例区得票数は739万4559票、得票率は12.5%だった。
この9か月間で立民は416万9662票の比例票を失った。率にして36.1%の大量流失である。また相対得票率では昨日の記事にも書いた通り41.0%の減少だった。
前回の参院選では、負けたとはっきりわかる政党が立民だけだった(三春充希氏が立民の「一人負け」と評した)こともあって、立民党内で結構厳しい総括が行われて「提案型野党」路線が敗因だったとの結論を出し、当時の代表だった泉健太もそれを受け入れたが(但し泉はなぜか引責辞任せずに路線の転換のみを行なった)、今回は支持者の方が敗北の総括を行わせまいとする動きに出ているかのように見える。私はこれを非常に悪い傾向だと考えている。
おじいちゃんお化け氏の前記Xもその一例であるようにしか私には見えない。非常に残念なポストだった。
今回の衆院選では立民は選挙戦中に失速した。特に目立ったのが東京選挙区の情勢調査結果が序盤と終盤で異なり、選挙戦中に民民の2候補が伸びて立民の2候補が失速した。
全般的にいえば、立民のあの「産まれたての野田佳彦」に象徴される弛んだ戦い方が有権者を失望させたのではないか。なお同様の例は共産党にもあって、あのメロンパンのパフォーマンスは私には最初意味がわからなかった。あれもやはり弛んだ戦い方の一例ではなかったか。
しかし立民の東京選挙区に関してはもう一つ非常に痛い出来事があった。それが例の「戦略的投票」をめぐる立民議員らのXのポストだが、もんくま氏によればあれは立民議員個人の判断ではなく立民東京都連の通達を議員たちが実行しただけであり(それを暗示させるのが、Xをポストした議員たちが比較的手塚仁雄に近い人たちだったことだ)、しかも塩村文夏候補の猛抗議を受けて議員たちのXを削除させたのも東京都連(要するに手塚仁雄)ではないかという。つまり都連幹事長の手塚仁雄が「ブレた」可能性が高い。
これは総括の対象にしなければならないと私は考えるのだが、他にこのような主張をしている人間をほとんど見かけない。これも残念なことである。
なお昨日の弊ブログの記事を宮武嶺さんに取り上げていただいた。
古寺さんは
『立民も共産に負けず劣らず構造的な問題を抱えている。
今回の参院選でそれが一気に噴出したとみるべきだ。
比較の対象は2022年参院選ではなく2024年衆院選でなければならない。
昨年秋の衆院選から今回の参院選までの間に、立民は41%もの比例票を流出させた。
これは2021年衆院選から2022年参院選までの間に36%の比例票を流出させて、三春充希氏に「一人負け」と酷評された時を上回る惨敗である。』
と書いて、立憲民主党の野田佳彦代表の責任を追及すべしとされているのですが、議席数自体は維持した立民よりも、改選議席の半分以下しか獲得できなかった田村智子委員長の責任の方が目立つことは目立ちます。
URL: https://raymiyatake09.hatenablog.com/entry/2025/07/22/001325
毎回得票率を減らしている共産党の方が目立つのはその通りなんですが、共産党の場合は原因がはっきりしていると思うから今回はあまり書かない、というか書く気にならないのですよ。
共産党については、具体的には神谷貴行さんがブログに書かれている通りだと思います。
以下引用します。
日本の政治にとっていい貢献をしたからそんな必要はない、などと呑気なことを言っている場合ではないと思います。
もはや戦術的――つまりあれこれの手立てが「足りなかった」とか、個別の措置が間違っていた、というレベルの見直しをしている状況ではないと思います。
戦略的――つまり大きな路線の反省や修正をしない限りは、たとえ多少の浮き沈みがあっても、このまま消えていってしまうと考えるべきです。
ところが、常任幹部会声明は共産党の議席・得票の重大な後退について
国民の切実な願いにこたえた運動をいっそう強めるとともに、綱領、規約、科学的社会主義、党史の学習を抜本的に強化し、どんな政治的風波のもとでも前進をかちとることができる、質量ともに強く大きな党をつくる――このことを参院選の痛苦の後退から導く最大の教訓
としており、これまでの戦略を抜本的に見直そうという観点・姿勢は見られません。率直に言ってこの声明を軸にして中央委員会総会を開いて議論をするのは間違いだと思います。
この段階で「最大の教訓」なるものを導き、それを前提にすべきではないのです。無前提で、自由に、徹底した議論をすべきです。
歴史的惨敗となっているのに、そのことに目を背け、“路線は正しいんだから、がんばれる党員と党組織を増やせばいい”→“組織建設の目標に到達できないのでまた負けた。でも路線は正しいんだから、がんばれる党員と党組織を増やせばいい”→“組織建設の目標に到達できないのでまた負けた。でも路線は正しいんだから、がんばれる党員と党組織を増やせばいい”→♾️…を繰り返していっても未来はあるのでしょうか。
“党建設をするのは簡単ではないから、まず方針通りがんばってみようではないか”と歯を食いしばってやってきた党員たちは少なくないと思います。
しかし、それではうまくいかないことがこの十年以上の実践で明らかになったのではないでしょうか。民主集中制の原則に沿って、間違いとわかった方針は正されるべきです。
URL: https://kamiyatakayuki.hatenadiary.jp/entry/2025/07/21/182203
世には、神谷氏を「反党分子」の一語で切り捨てるようなブログもありますが、私は神谷氏が松竹伸幸氏への処分に反対を表明しながら、それが党に受け入れられなかったために「意見を保留した」経緯が書かれたブログ記事を読んで強い感銘を受けたので、当該ブログのような無責任かつ気楽なことを書く気には全くなれません。神谷氏がとられたのは非常な精神力を要する態度であって、うへえ、そんなことが必要だというのなら私は共産党員にはなれっこないなあと思ったのでした。
しかしその後神谷氏はあっさり除籍されて現在に至ります。
私自身は2021年の衆院選で共産党の小堤東氏に投票しようと思っていましたが、「野党共闘」による国替え騒動があったので「立民と共産には投票しない」と一度はブログで宣言しましたがid:suterakusoさんの助言を受け入れて大田区からやってきた井戸まさえ候補に投票しました。その衆院選に負けた共産党の志位和夫が敗戦の総括を拒否しましたが、私はこれを志位氏の「無答責宣言」、つまり党のやっていることは正しいのだから責任をとる必要はないと宣言したに等しいとみなし、以後の国政選挙では共産党に投票しないことに決めて今に至ります。
2019年の参院選の前に2017年衆院選、2016年参院選、2014年衆院選、2013年参院選がありましたが、共産党の得票率の推移は下記の通りです。
- 2013参 9.7%
- 2014衆 11.4%
- 2016参 10.7%
- 2017衆 7.9%
- 2019参 9.0%
共産党の得票率は2014年衆院選で一度ピークを迎えたあとに減少し、特に2017年衆院選で急落していますが、これはこの衆院選の前に結党された旧立憲民主党に票を奪われたものであることは間違いありません。しかし立民のブームが下火になった2019年に少し盛り返しました。
それが2021年衆院選でまた減少に転じましたが、この選挙の敗北についての総括について聞かれた志位氏が「無答責宣言」をしたのでした。
それ以降は、いかに立民の指導部が、ともに枝野幸男以上に保守的な政治家といえる泉健太や野田佳彦に代わろうが、共産党の得票率は落ち続けています。
これは志位氏の「無答責宣言」がまかり通ってしまったための必然だと私は考えています。志位氏は今なお共産党の全権を掌握していると見られるので、昨年の衆院選と今年の参院選の責任は、いずれも田村智子委員長ではなく志位氏に帰せられるべきだと思います。
この共産党の例とある意味で似ていると私が思うのは2018年以降現在に至る自民党です。
安倍晋三総理総裁時代の自民党は、2018年に公文書の捏造や廃棄等の問題を起こしました。この時それを一度は批判した夕刊フジがおそらく読者からの反発を受けて安倍政権支持に戻ったことがありました。あれで自分は何をやっても許されると思った安倍は増長し、その結果統一教会に関する余計なことまでしゃべってしまい、それがネットの動画に載りました。その動画を見て安倍を殺そうと決意したのが山上哲也被告であり、その結果2022年に安倍は山上に殺害されましたが、それとは別に2018年の安倍の増長が自民党自体をも破壊させ始めました。現在はその自民党の破壊あるいは自滅の過程が急速に進みつつある段階だと私は捉えています。
政局をそのようにとらえると、自民党に代わり得る新たな政治勢力として参政党と国民民主党玉木分派がめ大きく「躍進」したことは大変な脅威だということになります。
それこそ、2022年の参院選よりも今回の参院選の方が立憲民主党の得票数は多かったぞ、などと傷を舐め合っている場合ではないのです。