自民党の党内政局についてずっと怪訝だったのは、旧安倍派を中心とした反石破派がずっと「フルスペック総裁選」を要求していたことだった。自民党総裁選は、任期満了を理由として行われる場合に限って党員も参加する「フルスペック型」*1で行われ、任期途中で総裁が辞意を表明した時には党員投票を省いた「簡易型」でおこなれてきた。これには例外はなかった。
今回が初めての例外になる。
このように、前例のないことを行おうとしているにもかかわらず、その「前例がない」ことをメディアが、私が普段もっぱら視聴しているTBSを含めてほとんど指摘せず、ネットの政治談義でもそれは同様だった。
フルスペック総裁選を求め続けてきたのは旧安倍派及びそれを支持する極右たちだが、メディアもネットの政治談義も彼らの術中にはまり続けてきたと私は思っている。
要求の方が「前例のない」ことを求めていたのだから、それに対して政権側が「臨時総裁選を求める議員の実名を公表する」などの強行手段を口にしたのも当然だった。TBSはこの脅しが効いて反石破側勢力が鎮圧されるとみていたようだが、その見立ては外れた。一説には小泉進次郎の説得を受けたという石破茂が辞意を表明したのである。
私はそれが本当なら総裁選は「簡易型」になるはずだと思ったし、そのことを弊ブログの記事にも書いた。しかし予期に反して総裁選はフルスペック型で行われると発表された。
木下ちがや(こたつぬこ)氏は、総裁選で高市早苗が勝つことはない、そのために小泉進次郎が総裁選に出馬せず、反高市側は林芳正を立てる、そうすればフルスペック型総裁選でも高市に総裁の座を明け渡すことはないという主旨のXをいくつかポストしたが、私は「ほんまかいな」と思った。木下氏の政局の読みは外れることが非常に多い。
私が危惧した通り、高市早苗も小泉進次郎も総裁選に出馬しそうな流れになった。昨年の総裁選は石破茂がいたため、高市対石破の決選投票に持ち込んで高市総裁の実現を阻止することができたが、その石破はもう出てこない。「夢よもう一度」なら、林芳正が第1回の投票で2位(あるいは1位)になれば、高市総裁を阻止できる可能性があるが、そんなこと、あるいは違うプロセスによる高市総裁阻止ができるとは私には思えない。
このままでは高市対小泉という、「最悪」対「次悪」の戦いになる。どちらが勝っても石破よりもっと悪くなる。
いろんなリスクを考えると、やはり高市政権成立だけは絶対に避けたいと考えるようになった。その理由は別の記事に書きたい。しかし仮に高市ではなく小泉になったとしても、石破よりもさらに悪い政権になることは避けられない。これについては、仮に小泉が勝つようなことになったらその時に書きたいと思う。