kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「殺人事件の暴露を防ぐためにホームレスを殺す話」を書いた東野圭吾がなぜ今も「ミステリ界の大御所」扱いされるのか

 東野圭吾の極悪小説『容疑者Xの献身』の映画版が極悪テレビ局のフジテレビで放送された件に対する怒りがまだ収まらない。

 検索語「東野圭吾 批判」でググると、筆頭に表示されたのは私が運営する副ブログである読書ブログで『容疑者Xの献身』を批判した記事だった。しかしさすがにその他にも当作または東野を批判する発信はそれなりにあった。一番直截(ちょくせつ)に批判していたのは下記。

 

eiga.com

 

東野圭吾の一番悪いところが如実に出ている物語。
殺人事件の暴露を防ぐため、ホームレスを殺す話。
作家も登場人物もホームレスは殺されても仕方ないし、生きている価値は無いと、はっきりと示している。

 

URL: https://eiga.com/movie/53307/review/02200199/

 

 また下記の映画評は相当に腰が引けているが、それでも一言は言っている。

 

virtualgorillaplus.com

 

筆者が『容疑者Xの献身』を読んだのは高校生の頃だった。あまりに悲しい物語に読みながら号泣したのを覚えているが、30歳を過ぎてこの物語に触れると、石神のエゴが目につくようにもなった。

 

石神が最後に可哀想に見えるのは、視聴者/読者からも工藤を憎むストーカーだと誤認され、一度評価がサゲられているからということもあるのだろう。だが、湯川も指摘した通り、石神は自らの計画を実行するために、何の関係もない人の命を奪っている。それもホームレス状態にある社会的に弱い立場の人間を利用したのだ。

 

URL: https://virtualgorillaplus.com/movie/suspect-x-explained/

 

 引用部分だけで石神の行為が言語道断であるとしか私には思えない。

 映画版では探偵役の湯川が石上の殺人行為を批判したというが、原作にはそんな言葉さえ出てこなかったような記憶がある。もっとも私が忘れているだけかもしれないので、私の事実誤認であればご指摘いただきたい。

 下記は2011年1月の記事。前年の2010年末にもこの作品はテレビで放送されたらしい。

 

sumita-m.hatenadiary.com

 

さらに、花岡靖子の前夫殺しであるが、離婚した夫がストーカー的に押しかけてきて、しかも娘に暴力を揮い、それを阻止するために、故意ではなく事故として結局は殺してしまったという事件である。そもそもこれは、彼女が警察に自首して裁判になっても、腕のいい弁護士がついていれば、正当防衛として無罪を勝ち取れる案件なのではないか。

 

URL: https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110116/1295150625

 

 これは本当にその通りで、もともとの花岡靖子の前夫殺しよりもそれを隠蔽するための「献身」として石神が行ったホームレス殺しの方がずっと悪質な罪であることは、原作の発表当時の議論でも論点の一つになっていたはずだ。

 しかしそんな意見が少数意見にとどまり、東野がいまだにミステリ界の大御所扱いされている現状には背筋が凍る。