下記記事のコメント欄より。
本当に「そうだよなあ」と思う。
「崩壊の時代」にふさわしく、「中道」およびそれらより「左」または「一般的に左と見られている」政党のうち、共産党は党勢低下の深刻さを増した程度にとどまっているが、中改連、社民、新選組の3党は事実上崩壊した、というのが言い過ぎなら3党とも崩壊寸前にまで追い込まれた。このうち中改連については毎日のように書いているので今回は省略する。
組織票がまだまだ堅いために崩壊の程度が一番軽い共産党については、広原盛明さんの記事の論評が当を得ている。
もっとも上記リンクの記事には中改連の崩壊への言及もある。その部分に着目した。以下に引用する。
もともとリベラル層とは縁の薄い野田佳彦氏が立憲代表に選ばれ、「中道リベラル」ならぬ「保守中道」を目指していたことは周知の事実だった。野田氏が公明の連立離脱を好機と捉え、新党結成に動いたのは当然の成り行きだった。だが、公明の連立離脱が「反自民」の空気を伝えるものとして予想外の反響を呼んだことから新党結成への期待が高まり、マスメディアや専門家の間でも「ひょっとすると」の観測が流れた。だが、今となって見れば、この期待は全くの「的外れ」に終わった。政党政治への不信と苛立ち、民意の流動化の影響の方がはるかに大きかったのである。
URL: https://hiroharablog.hatenablog.com/entry/20260224/1771878520
そう、根っこにあるのは「政党政治への不信」なんだよね。今が1937年に似ていると思う所以だ。
広原さんの共産党への言及は下記。
世論では、衆院選前には自民が単独過半数を占めることについて「望ましいとは思わない」が多数を占め、選挙後は自民が単独で3分の2議席超を占めたことについても「よかったとは思わない」が多数を占めているにもかかわらず、自民が圧勝したのはなぜか。私はその原因の一つに、共産党が新党結成に失望したリベラル層の「受け皿」になれなかったことがあると考えている。事実、毎日世論調査では、前回衆院選小選挙区で「立憲に投票した」人の12%が今回は自民に投票し、共産はその対象にならなかったのである。
紆余曲折はあったが、市民と野党の共闘が2016年に成立して以降、現在まで4回の衆院選が行われてきた。この間、立憲民主党の比例得票数・得票率は、2017年1108万4千票(19.8%)、2021年1149万2千票(20.0%)、2024年1156万5千票(21.2%)と得票数は1100万票台、得票率は20%前後の高台を維持してきた。これに対して共産党は、2017年440万4千票(7.9%)、2021年416万6千票(7.2%)、2024年336万8千票(6.1%)と減少の一途をたどってきた。選挙結果から言えば、共産は野党共闘に貢献したにもかかわらず票を減らし、立憲はその成果を「独り占め」してきたと言える。立憲支持層は(京都選挙区でも見られたように)もともと「非自民・非共産」の体質が強く、候補者を立てない選挙区でも共産に票を回すようなことはなかった。今回の衆院選では立憲が解党したにもかかわらず、共産はそれに失望した立憲支持層3分の1の「受け皿」になれなかったのである。
URL: https://hiroharablog.hatenablog.com/entry/20260224/1771878520
近年で共産党の党勢がもっとも高かったのは2014年だ。その直前の2012年以降の同党の比例ブロック得票率は下記の通り。
- 2012年 6.13%(前回比 -0.90ポイント、-14.7%)
- 2014年 11.37%(前回比 +5.24ポイント、+85.4%)
- 2017年 7.90%(前回比 -3.47ポイント、-30.5%)
- 2021年 7.25%(前回比 -0.65ポイント、-8.2%)
- 2024年 6.16%(前回比 -1.09ポイント、-15.0%)
- 2026年 4.40%(前回比 -1.65ポイント、-26.8%)
ご覧の通り、2017年以降共産党は衆院選に4連敗しているが、2017年は共産党が「野党共闘」路線に転じた2015年以降で最初の衆院選だったが予想外に負けた。志位和夫がその総括をしなかったことから私の心が国政政党としての共産党から離れたことは何度もこのブログに書いた(地域の共産党に対してはそれなりの評価をしていることも何度も書いてきた)。
上記の数字を見ると、2024年は2021年よりも負け幅が大きく、2026年はその2024年よりも負け幅がさらに大きく、ついに近年では一番大きな底だった2012年をも下回った。いわゆる「底が抜けた」というやつだ。
広原さんのブログに、上記引用文に続いて書かれた部分は特に示唆的だ。以下に引用する。
市民活動家が意見交換するネットの「市民フォーラム」では、立憲が壊滅し、共産が衰微する一方の政治情勢の下で、革新勢力の再興を図るための意見や提案が飛び交っている。その中には共産党に対する「民主集中制」党規約の改革や党首公選制の提案も含まれている。さまざまな意見や提案が交錯する中で、最近注目すべき見解が投稿された。以下、少し長くなるが、哲学者・碓井敏正氏のコメントを紹介しよう(市民社会フォーラム、2月20日)。
――皆様、初投稿をする碓井敏正と申します。皆様のご意見に賛成ですが、共産党の抱える問題は想像以上に深刻です。この問題は、すでに100年以上前にドイツ社会民主党の幹部で社会学者のミヘルスが『現代民主主義における政党の社会学』(1911年)で、また最近ではパーネビアンコが『政党』で明らかにしたように、一般の組織以上に、政党組織は固有の問題を抱えているからです。それは、①組織は一旦成立すると、本来の目的よりも組織の維持を自己目的化する、そのため社会変革より勢力の拡大(党員や機関紙像)を重視するようになる。②幹部が組織と自己を一体化することにより、寡頭的支配が強まり、異論を受け付けつけず排除する。民主集中制がその根拠となる。松竹、鈴木氏の除名問題はその現れでしょう。
これらの傾向は専従幹部の自己利益と結びついているため、改革は容易ではありません。特に反体制の社会主義政党は、専従幹部は組織外で生活できないため、この傾向が強くなります。これらの問題について、私の専門は哲学ですが、経営組織論を参考にして、これまで『日本共産党への提言』(2023年)、『日本共産党、再生への条件』(2025年、いずれも花伝社)において論じてきました。また今年中に(来年1月の党大会までに)花伝社から3冊目の著書を出す予定です。なおこの点について、2年前に松竹氏とユーチュブで対談をしています。視聴者は1万人を超えていますが、参考にしていただければ幸いです。
ただ今回の総選挙の結果は、共産党だけの問題ではなく、深刻です。特に若者層を中心とした社会意識の変化、すなわち戦後の平和主義や憲法理念を当然視しない国民が増えているという事実が、背景にあるのではと思っています。それだけに今後の日本の革新運動は、これまで以上に困難になる気がします。その点でまず求められるのが、国際情勢の変化(特にアメリカの一極支配の終焉、中国の台頭など)をはじめ、現状の分析だと思います。
URL: https://hiroharablog.hatenablog.com/entry/20260224/1771878520
ここまでで既にかなり長くなったので、予定していた記事を2つに分け、社民党と元号新選組については後編に回す。
>あの選挙(2012年12月の衆院選)から今回の選挙までの間は坂野のいう「危機の時代」(1925〜1937年)までに当たるに過ぎなかったのではないか。
>想像もつかなかった。
同じことを感じています。
初めて目にした崩壊後の世界は、元の世界の住民の想像力を超える異世界、境界を超えた、と強く感じています。
この世界で良心に従って生きるとはどうすることか、これから一つひとつ問われるのでしょう。