kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

テレビ朝日の「自民党宣伝番組」を見ての感想

今日のフジテレビ、NHKテレビ朝日で放送された自民党宣伝番組は、さすがに全部見る気にはならなかったので、もっとも悪質な世論操作を行うことで有名な田原総一朗の「サンデープロジェクト」だけ見た。

昨日朝に放送された辛坊治郎の番組(よみうりテレビ日本テレビ系)で東大の神野直彦教授が出演していたが、自民党総裁選について司会者に訊かれた神野教授は、増税論者(与謝野馨)といえどスタグフレーション(不況下の物価高)の現状で今すぐの消費税増税なんて言い出せないし、積極財政論者(麻生太郎)といえど、昔ながらの道路やハコモノのバラマキなんて言い出せないから、そんなに政策の違いなど打ち出せるはずもない、違いを出せるとしたらそれは今後の日本をどうするかというビジョンの差だと指摘していた。

しかし、自民党の5人の政治家は、ビジョンなど持ち合わせていないから、討論ともいえないつまらない顔見世番組に成り下がっていた。番組の男性司会者(名前は失念した)は、あと1週間以上もあるのにこんなことで総裁選が盛り上がるのか、などと要らぬ心配をしていたし、アシスタントを務める若い女性アナの小川彩佳は、棚橋泰文がいなくなって(推薦人を集められなかっただけの話だが)、インパクトがなくなったと残念がっていた。つまり、棚橋の売名はみごと成功し、所期の目的を達したわけだ。おめでとう。

ちょっとだけ注目されたのは、石破茂小池百合子を除く候補の3人、特に麻生太郎与謝野馨小選挙区制に否定的だったことだ。石原伸晃も、選挙改革の議論当時、小選挙区比例代表併用制を推していたとのことで、現在の制度が小選挙区制の比重を強める方向性を持っていることに否定的だった。

そういえば、1992〜93年の「政治改革」の議論においては、どういうわけか改革論者はみな小選挙区制に熱心だった。選挙制度改革に反対の自民党は「守旧派」とされて「改革派」や田原総一朗らに批判されていたのだった。今回、麻生らの小選挙区制批判にあまり同調しなかった小池百合子日本新党から新進党石破茂自民党から新生党新進党とそれぞれ渡り歩いた人間だ。

昨年にも、小沢一郎比例区を大幅に削減して小選挙区の比率を増すと発言したことがあった。この点に関しては、当ブログは比例代表の比重を増して、多様な意見を国政に反映させるべきだと考えているので、自民党民主党を問わず、かつての「政治改革」の流れを汲んで小選挙区制推進を主張する人たちの意見には全く賛成できない。小選挙区制だと政権交代が実現しやすいというかつての「改革派」の主張は間違っているし、そもそも、二大政党制があるべき姿だとする考え方自体がおかしい。選挙制度改革の議論は、日本国憲法を改定するための陰謀だったのではないかと私は疑っている。

あと、現在の対米従属に異論を差し挟むなという点では5候補とも一致しているのは予想通りだったが、反面、靖国神社に関しては、全員A級戦犯らの分祀を行うべしという意見らしく、これについては安倍晋三平沼赳夫、それに産経文化人の櫻井よしこ東條由布子上坂冬子(笑)ら極右の面々の怒りを買いそうだ。またぞろ極右が民主党に接近するなどの妄動をしなければ良いのだが...