kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

少なくとも来る衆議院総選挙での日本保守党の議席獲得は難しいであろう。参議院全国比例ならば1議席の可能性は残されているが、一筋縄にはいかないだろう。(by 古谷経衡氏)

 日本保守党についてJX通信社の米重克洋氏と評論家の古谷経衡氏の記事が出ている。

 

news.yahoo.co.jp

 

news.yahoo.co.jp

 

 前者は世論調査結果に基づくオーソドックスな分析で、信頼度が高いのはむろんこちらの方だろうが、私は昨年7月初めから先月上旬くらいまでXにほとんどアクセスできなかったこともあってネットで活発な発信が続いている極右界隈についてはほとんど何も知らず、今回の日本保守党の「躍進」に多大な衝撃を受けたような人間なので、古谷氏の分析が興味深かった。

 特に下記のくだり。

 

私が何が言いたいのかといえば、おおよそ2022年末まで岩盤保守の中心的存在であった旧虎ノ門ニュースの人々は、翌年までに「あさ8」と「帰ってきた」に分裂したということである。事実、「帰ってきた」の方には原則的に元看板コメンテーターであった百田氏や有本氏の出演はない。

 

 この分裂のまま、「あさ8」側の中心人物である百田氏、有本氏らが岸田政権におけるLGBT理解増進法を契機として2023年9月に「日本保守党」を結成する流れになる。LGBT法は表面上結党の理由ではあったが、それ以前から岩盤保守界隈では、岸田政権下による高市氏の冷遇(と彼らには見える)という状況が、「反岸田」「反岸田自民」となってふつふつと蠢(うごめ)いていたのである。

 

 実は現在、岩盤保守界隈には百田氏らが代表を務める日本保守党と、それに反目するグループが存在する。便宜上、前者を百田派、後者を反百田派とする。現在、反百田派の中心的存在とみなされているのは、経済評論家の上念司氏、政治アナリストの渡瀬裕哉氏、元早稲田大学教授の有馬哲夫氏、経済評論家の渡邉哲也氏、ほかに一部の政治系ユーチューバーなどであり、これに最近ではその発言がヘイトスピーチとされ、訴訟になっている大阪府泉南市議会議員の添田詩織氏などが加わっているとされる。さらに中堅から比較的新人の保守系言論人や文化人などの一部も反百田派に親和的な姿勢を見せており、反百田派は決して小さいグループではない。

 

 また2020年に設立された政治団体『新党くにもり』は、反グローバリズム反自民党を鮮明にし、日本保守党関係者と緊張状態にある。従来「くにもり」は岩盤保守の中でも少数勢力とされていたが、近年では政治的進歩派(れいわ新選組など一部の野党)の支持層の一部に食い込んでいることから、こちらも無視できる数ではなく、巨視的に言えば反百田派に分類されてよい。

 

 ちなみに今次の補選では参政党から吉川候補が出馬し約8,600票を獲得したが、私の過去分析にあるように、参政党は岩盤保守と一部分で重なるものの、その多くは「オーガニック推進」「反ワクチン」「スピリチュアル(精神世界)」の傾倒者で占められているので、本稿では分析の対象からは除外している。

 

 反百田派とされる彼らは日本保守党への応援を一切行っていないばかりか、それぞれのSNSや動画チャンネルなどで日本保守党への批判を繰り返しており、またそれに応酬する形で、百田派と反百田派に属するとされるネットユーザー双方による喧騒が続いているというのが現在の状態である。

 

 本稿冒頭に、「(日本保守党は)有権者の約2%と推計される、いわゆる「岩盤保守」の一部から絶大な支持を得る」と書いたが、あえて”一部”と留保したのは、日本保守党を巡ってすでに岩盤保守内部で分裂が起こっているからだ(参考として概略図を上記のとおり制作した)。

 

 つまり日本保守党は岩盤保守の全部を代表するものではない。当然岩盤保守の圧倒的大多数が日本保守党を支持しているわけでもない。

 

URL: https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2968cce475c2c18b5435e61e3ec8053da9ef3b49

 

 こんなことは全然知らなかった。

 ただ、いわゆる「岩盤保守」(実際には単なる極右)が全有権者の2%程度、という数字だけは頭にあった。だから私は日本保守党をみくびっていたのだし、そんな彼らが14%もの得票を得たことに大きな衝撃を受けたのだった。

 下記は記事の結論の部分。

 

・日本保守党は次期衆院選挙で議席を獲得できるか?

 インターネット上やSNSで日本保守党が連日取り上げられ、トレンドに飯山氏の名前が挙がり、街頭演説ではかなりの人だかりができたことは事実だ。しかし、現実的にはその中の何人が江東区有権者であったのか疑わしい。ネットのインフルエンサー、特に特定の政治的クラスタで人気のある人物は、リアルの場になると局所的に多くの人々が集まり、まるで多数から支持を受けているように思えるが、それは錯覚に近い。

 

 当たり前だが地域の人々と密に会話し、路地裏で政策を訴え、周知を図るという地道などぶ板しか勝つ道はないのである。ネットでの盛り上がりや人気だけでは、少なくとも小選挙区において優勢を確保することは難しい、という現実が改めて浮き彫りにされた選挙であった。

 

 このような現状を考えると、今後も日本保守党が国政選挙の小選挙区において議席を確保することは極めて難しいと見るべきであろう。飯山氏は全体得票においての割合では14.2%であった。他の候補(今回で言えば乙武氏など)が立候補を取りやめ、日本保守党に一本化し、かつ自民党の公認・推薦候補が存在しなければ可能性はないわけではない。

 

 しかしこれは理論上のお話であり、自民党が存在しない小選挙区という「きわめて特殊な」選挙局面は今後、そうないと思われることから、少なくとも来る衆議院総選挙での日本保守党の議席獲得は難しいであろう。参議院全国比例ならば、かつての参政党がそうであったように1議席の可能性は残されているが、前述したような「岩盤保守分裂」の背景にあってはその道のりは一筋縄にはいかないだろう。

 

 むろん、現在百田派と反百田派に代表される岩盤保守分裂の状態が解消され、岩盤保守の基礎票をほぼすべて固めることができる統一候補が生まれるとすれば、議席獲得の可能性はないわけではない。が、私が観測するに両派の溝は相当深く、骨肉の争いは将来も継続されるとみている。

・それでも日本保守党は乙武洋匡氏には勝つ

 選挙後、日本保守党の支持者らは「無所属の乙武洋匡氏を下して4位になった」ことで飯山氏の健闘をたたえている。確かに乙武氏の得票は約19,700票であり、飯山氏を5,000票近く下回って5位に終わった。

 

 乙武氏は選挙戦終盤、元2ちゃんねる管理人の西村博之氏の応援演説を受けるなどで戦局挽回を図ったが、かなわなかった。西村氏もネットのインフルエンサーとして知られ、ネットには多くのファンがいると「されて」いる。

 

 見方を変えれば日本で一番知られているかも知れないネットインフルエンサーが応援に駆けつけてもなお、飯山氏に対し無残にも敗北した乙武氏の選挙結果は、結局、

「ネットで影響力があることと、実際に日々を生活する人々の心を動かすのは別モノ」

 という当たり前のことを我々に突き付けたのかもしれない。(了)

 

URL: https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2968cce475c2c18b5435e61e3ec8053da9ef3b49

 

 私は門前仲町で行われた日本保守党の最終街宣の熱気にびびりまくり、選挙結果で飯山陽が14%もの得票率を叩き出したのを見て、日本保守党の国政選挙での獲得議席についての宮武嶺さんとの賭けに「負けた」と思って白旗を掲げた。でも街宣には区外の人たちも少なくなかったらしいし、何より引用の際に赤字ボールドにした古谷氏の見立てによると「衆院選では議席を獲得できない。参院選比例区で1議席を獲得する可能性があるが微妙」とのことだから、諦めるにはまだ早かったかもしれないと思い直した次第。