例の百田尚樹と有本香の「日本保守党」が発足したが、その共同代表に名古屋市長にしてトンデモ極右新自由主義者の河村たかしが就任した。以下朝日新聞デジタルより。
河村たかし市長、「日本保守党」の共同代表に 百田尚樹氏の政治団体
2023年10月17日 19時18分
名古屋市の河村たかし市長は17日、作家の百田尚樹氏らと政治団体「日本保守党」の結党記者会見に出席し、共同代表に就任したことを発表した。河村市長が代表を務める地域政党「減税日本」とは「特別友党関係」を結んだことも明らかにした。
この日、河村市長は東京都内であった会見で、「身に余る光栄で共同代表になった。応援にとどまらんと百田さんと一緒に生きていかないかん」と語った。国政進出については「衆院選に出るか市長を続けるかはちょっと待っていただきたい」「（百田氏と）ちゃんといい人を立てるから期待しとってちょうでゃあ」と述べた。
代表は百田氏で、事務総長にジャーナリストの有本香氏が就く。有本氏によると、河村市長は10年来の知人だといい、「政治の世界で戦っていくために欠けているのは政治の体験や実績」と2人で話を持ちかけたという。
減税日本副代表で名古屋市前副市長の広沢一郎氏が日本保守党の事務局次長に就任するという。
「総理を狙う男」を公言してきた河村市長。百田氏から「総理になるなら応援したい」と話を向けられると、「もっと生活感のある人間が国を引っ張っていかないかん。ぼんぼんか役人かなんてとんでもない。子どもたちに夢を、古紙屋の息子（河村氏）が総理になるなら『おれもやろうかな』ということになりますよ」とも語った。
（朝日新聞デジタルより）
URL: https://www.asahi.com/articles/ASRBK678QRBKOIPE00M.html
河村かぁ。これはまた微妙な。
河村といえば最近は、といってももう4年前の2019年に「あいちトリエンナーレ」の件で愛知県の大村秀章知事と激突したあと、翌2020年に極右整形医師の高須克弥と組んで大村知事のリコール署名偽造事件を引き起こした恥ずかしい人物だ。しかし名古屋市内に限っては異常に強く、2021年は対立陣営の失態もあったとはいえ立民などの支持を受けた自民党の極右候補と極右同士の対決をやって勝った。あれは負けた方、特に自民党の責任が重いと思うが、今年の名古屋市議選でも2019年と同数の14議席を獲得した。
Wikipediaを見ると、減税日本は維新とくっつこうとしたり決裂したりを繰り返していることがわかる。同じ極右新自由主義の地域政党だが、自民党から分かれた維新には持続力が認められるのに対し、民主党から出た河村にはかつての師の小沢一郎にも似て堪え性がなく、結局長期的には尻すぼみの流れでここまできている。
当然ながら減税日本には国会議員がいない。ただ河村たかしが立候補でもすれば、かつて河村の一の子分の佐藤夕子が2009年政権交代選挙で民主党公認候補として議席を獲得した愛知1区でなら当選する可能性があるのかもしれないが、河村が名古屋市長の座を手放す可能性はほとんどないと思われる。どう損得勘定をしても損にしかならないからだ。
河村の手下といえば東京15区民には苦い思い出がある。2012年衆院選に、佐藤夕子同様河村の秘書だった田中美絵子が石川1区から国替えして東京15区の民主党公認候補になったのだ。注目は、日本未来の党公認でオスプレイを絶賛したことでも悪名高い東祥三との超低レベルの争いだった。下記に選挙結果をWikipediaから貼り付ける。
第46回衆議院議員総選挙（2012年（平成24年）12月16日） 東京都第15区時の内閣：野田第3次改造内閣 解散日：2012年11月16日 公示日：2012年12月4日
当日有権者数：38万6411人 最終投票率：64.05%（前回比：3.20%） （全国投票率：59.32%（
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧 得票数 得票率 惜敗率 推薦・支持 重複 当 柿沢未途 41 みんなの党 前 88,222票 ―― 日本維新の会推薦 ○ 比当 秋元司 41 自由民主党 新 74,159票 84.06% 公明党推薦 ○ 田中美絵子 37 民主党 前 29,355票 33.27% ○ 東祥三 61 日本未来の党 前 28,518票 32.33% 新党大地推薦 ○ 吉田年男 64 日本共産党 新 18,667票 21.16%
ついでながら、同じ選挙で柿沢未途が維新の推薦を受けていたことにも注意を喚起したい。どういうわけか、この選挙区にはろくでもない候補者がやたらと来たがる。秋元司など自民党衆院議員時代に逮捕された。
この選挙で東は、先日日本維新の会の除名を免れて離党した鈴木宗男の新党大地から推薦を受けていた。小沢一郎一派がいかに腐敗し切った集団であるかが窺われる。
小沢一派といえばそもそも河村たかしもその一員だった。その河村が百田尚樹と有本香の極右トンデモ政党の共同代表になったことを、今や絶滅危惧種となった小沢信者（オザシン）たちはどう言い訳するのだろうか。
最近でもあいちトリエンナーレの件で批判を受けた河村の愚痴を沖縄県知事の玉城デニーが聞いて慰めてやったなどとする件が沖縄の地元紙に報じられたりもした。
極右政党の共同代表におさまった河村たかしには、このような小沢一郎系のトンデモ人脈があることを改めて蒸し返しておく。
でも「減税日本」と野合するからには、百田・有本のトンデモ極右政党はきっと河村たかしばりの「減税真理教」をがなり立てるんだろうな。やたらと減税を叫ぶ政党は新自由主義勢力以外の何物でもないから、日本保守党は正しく「トンデモ極右新自由主義ポピュリズム政党」と位置づけられるべきだ。
