kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「遭難」を書いた松本清張に登山の手ほどきをしたのは加藤薫ではなかった可能性がきわめて濃厚(Wikipediaの記載は誤り)

 読書ブログに下記記事を公開した。

 

kj-books-and-music.hatenablog.com

新型コロナウイルスが「弱毒化している」とのSNSの俗説は全くの無根拠

 一昨日(8/7)、下記記事を公開した。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記記事は大部分がタイトルにしたNHKの報道の引用だが、それに対して私は下記のようにコメントした。

 

ことここに至っては、政権擁護派はもちろん、政権批判派も「人と人との接触を抑える効果」の議論から逃げてはならない。後者にはひたすらPCR検査を増やすことしか言わずに人と人との接触を抑えることへの言及を避ける人間が多いが、それは大いなる欺瞞だ。

 

 この記事に、下記のコメントをいただいた。

 

id:Jiyuuniiwasate

 

これはブログ主の間違い。
ウイルスは明らかに弱体化している。
理由は簡単で、宿主である人間を殺してしまっては、ウイルスも共倒れだから、
人間に大したダメージを与えない程度にウイルスが自身で進化している。
にもかかわらず、いまだに感染自体を恐れて接触を抑えろというのはナンセンスの極みだ。

 

 「ウイルスが弱毒化している」との説は、主にSNSで広く流布しているようだが、それは本当か。それが本エントリのテーマだ。

 

 「ウイルスの弱毒化」自体は、井上栄著『感染症 増補版 - 広がり方と防ぎ方』(中公新書2020, 旧版2006)にも紹介されている学説だ。

 

 
 以下同書より引用する。なお、下記の引用箇所は今年の新型コロナウイルス感染症流行を受けて追加された「補章」に載っているので、2006年刊行の旧版には出ていないはずだ。
 
  最後に、進化生物学の観点から考えてみる。仮に社会でのウイルスの蔓延が止まらなくても、うつしにくくすることはウイルスの側からすれば「存亡の機」となるので、ウイルスはみずから弱毒化する、という理論がある*1。つまり、強毒なウイルス株に感染した人は寝込んで動けなくなるので、うつしにくい条件があればその株は消滅してしまう。しかし、もしウイルスが弱毒になれば、感染した人は入院もせずに動き回ることができて、そのウイルスを他の人に広げてくれるのでウイルスは生き残れる(159ページ*2)。場合によっては症状も出ない不顕性感染となる。つまり、凶暴(ワイルド)なウイルスが恭順(マイルド)なウイルスに変わるのである。
 実際に弱毒ウイルスが生じるかは、遺伝子の塩基配列を高速で決定できる「次世代シーケンサー」を使って、ウイルスの全塩基配列を調べることでわかるはずだ。将来は、社会のなかで広がったウイルス株の塩基配列を調べて、その株が強毒/弱毒かを決定して的確な対策を実施できるようになるだろう。
 
(井上栄著『感染症 増補版 - 広がり方と防ぎ方』(中公新書,2020)229-230頁)

 

 SNSで広まっている「ウイルス弱毒化」の言説の根拠も、おそらく上記の啓蒙書などによるところが大きいと思われる。

 しかし、この学説が現在見られる感染拡大に当てはまるかどうかは精査が必要だ。特に、前記エントリで引用したNHKの報道によく注目する必要がある。このことは昨日公開した他の記事にも書いたが、以下に繰り返して指摘する。

 

www3.nhk.or.jp

 

ところが、6月中旬以降になると、各地で感染者の集団=クラスターが発生し、ウイルスを解析すると、いったんは見られなくなった「ヨーロッパ系統」のウイルスの遺伝子の一部が変異したものだったと分かったということです。病原性が強くなったり、弱くなったりする変異は確認されていないとしています。

 

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200807/k10012555471000.html

 

 上記が国立感染症研究書の見解なのだ。

 

 また、7/31のNHKニュースも下記に示す。

 

www3.nhk.or.jp

 

 以下、ニュースの後半部を引用する。

 

(前略)SNSなどではウイルスの毒性が弱くなったのではないかという声も上がっています。

これについて新型コロナウイルスの治療の中心的な役割を担う国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は「海外の状況を見ても、ウイルスが弱毒化したという科学的な根拠は今のところない。また、実際に患者を診ていてもそうした実感はない」と指摘しました。

そして、忽那医師は「第1波の時は、重症者を見つけるために症状のある人を優先的に検査していたが、現在は検査数が増え、感染の実態が以前より詳細に分かるようになった。軽症や無症状の人が多く見つかるようになったため、重症になる人の割合が少なくなったように見えていると考えられる」と話しました。

そのうえで、現時点でウイルスの毒性が弱くなったと考えて対策の手を緩めてしまうのはリスクが高いとして、忽那医師は「重症者は感染者の増加に1~2週間遅れて増える特徴があるため、今後、重症者が増えるのではないかと強く懸念している。人工呼吸器の装着などの治療には多数のスタッフが必要で医療現場に大きな負荷がかかるため、可能なかぎり重症者は増えないほうがよい。この週末も外出を控えるなど一人一人が自覚を持って感染対策に取り組んでほしい」と話していました。

 

NHKニュース 2020年7月31日 21時43分)

 

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200731/k10012544561000.html

 

 また、同じ忽那賢志医師による下記記事も必読だ。いや、「下記記事も」どころか、下記記事こそ読まれなければならない。7月26日の記事だ。

 

news.yahoo.co.jp

 

 記事は長いが、なぜ弱毒化の噂がSNSで流れているのかという冒頭の部分と、記事の最後の部分をそれぞれ以下に引用する。

 

東京都を中心に新型コロナ患者数の増加が止まらない状況が続いています。

国内の感染者数は3万人を超え、新規感染者数も減る気配がありません。

一方で、感染者数は増え続ける中で重症者数や死亡者数が増えないことについて「ウイルスが弱毒化しているため」あるいは「夏は免疫力がアップするから」だという言説が散見されますが、今のところは特に根拠はありません。

根拠のない楽観論に惑わされず、必要な対策を続けていきましょう。

(中略)

確かに現在の入院患者数は1105人、そして重症者数16人となっており入院者数と比べても重症者数の数は多くありません。

例えば緊急事態宣言時のピーク時には入院者患者数1413人に対し、重症者数は105人となっていました。

比率からすれば重症者数が今は少ない状況と言えます。

しかし、これをもって「ウイルスが弱毒化した」と言えるのでしょうか?

結論から言うと、言えません。

 

出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200726-00189953/

 

 SNSの「弱毒化している」という俗論は、単に陽性者に対して重症者が少ないことだけを論拠にしているが、それは「根拠のない楽観論」だと忽那医師は喝破しているのだ。

 このあと、途中は飛ばして(グラフや「氷山の一角」を示す模式図などが満載されていて、私のような素人の読者にとってもとてもわかりやすかったので、読者の皆様にも是非ご覧いただきたいと願う次第)、結論の部分を引用する。

 

新型コロナウイルスが弱毒化している根拠はない

というわけで、現時点で重症者数が少ないのは、

 

  • 第1波のときよりも軽症例を含めて診断されている
  • ハイリスク患者が重症化するのはこれから
  • 治療法が確立してきている

ためであり、現時点では新型コロナウイルスが弱毒化している科学的根拠はありません(ウイルスは常に変異しますので今後その可能性はありますし、もちろん私は今後ウイルスが弱毒化しているという科学的根拠が出てくることを願っています)。

弱毒化してるから感染しても大丈夫と思っていると、自身が重症化したり大事な家族に感染を広げることになりかねません。

また、感染し回復した後も後遺症で悩まされている方も多くいらっしゃいます。

決して「感染しても大丈夫」な感染症ではありません。

もう半年以上コロナと戦い続けて、皆さん疲れが出ていると思いますが、引き続き適切な感染対策を続けていきましょう。

最後にメディアの方へのお願いです。

現代社会では病院経営やビジネスの専門家が小学生の自由研究のような「ぼくのかんがえた、さいきょうのコロナりろん」を思いつきで述べることは誰にも止められません。

しかし、こういう根拠薄弱な理論を視聴率目当てにメディアが取り上げてもてはやすのは害でしかありません。

メディアにはしっかりと科学的吟味を行った上で、公益に資する放送を行っていただきたいと思います。

 

出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200726-00189953/

 

 「ぼくのかんがえた、さいきょうのコロナりろん」といえば、病院経営やビジネスの専門家ではないけれども、某原子核物理学者が編み出した「K値」理論*3が直ちに思い浮かぶ。結局7月9日どころか修正された予想で示された7月末になっても大阪府の新規陽性者数はピークアウトしなかった。最近ようやく頭打ちの気配が見られるようになったが、もう8月に入って立秋も過ぎている。暦の上ではもう秋だ*4

 私は「リテラ」がK値批判に踏み切ったから、「リベラル・左派」界隈でもK値批判者が増えるかと期待したのだが、そんな現象は見られなかった。それどころか同界隈ではイデオロギー的な反自粛の言説が勢いを増しているかのようにすら見える。どうやら同界隈ではリテラよりも日刊ゲンダイの方が影響力が強いようだ(呆)。彼らは、何度も指摘する通り、安倍「経産省」政権と事実上の「共闘」をしているのである。文系の方々の科学アレルギーはこれほどまでにも強いのかと匙を投げたくなる。

 それに何より、SNSばかり見ていると馬鹿になるぞ。以前にも同じことを書いた記憶があるが、改めて強く警告しておく。

 愚痴はこれくらいにしておこう。上記忽那医師の記事についた「はてなブックマーク」から人気コメントを下記に示す。

 

b.hatena.ne.jp

 

新型コロナが弱毒化しているという根拠はない(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース

1.軽症者の洗い出し/2.タイムラグ(軽症→重症)/3.タイムラグ(若年→高齢者)/4.有効な治療法の共有|「ぼくのかんがえた、さいきょうのコロナりろん」=ふつふつと湧き上がる静かな怒りが感じられる。

2020/07/26 13:20

b.hatena.ne.jp

 

新型コロナが弱毒化しているという根拠はない(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース

要約「いい加減経済クラスタは新型コロナに関するポジショントークをやめろ」/ いやほんと害悪でしかないからねあれ…

2020/07/26 14:13

b.hatena.ne.jp

 

新型コロナが弱毒化しているという根拠はない(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース

コロナはただの風邪派は重症者・死者数が遅行指標だということを見ないフリするんだよな。まあ都合が悪いからなんだろうけど。数字に現れてきたらその時点で致命的なのに

2020/07/26 13:43

b.hatena.ne.jp

 

 なお、予告していたコメント欄に投稿していただいたコメントの紹介は、記事が長くなりすぎたので止めます。予告後には当該記事への新たなコメントがなかったことにもよりますが、記事を適度な長さに収めることができなかったブログ主の不手際が最大の理由です。どうも申し訳ありません。

*1:P・ヴィンテン=ヨハンセンほか(井上栄訳)『コレラクロロホルム、医の科学――近代疫学の創始者ジョン・スノウ』メディカル・サイエンス・インターナショナル、2019年。=原註より転記

*2:当該の箇所は2006年の旧版にも記載されていると思われる=引用者註。

*3:とはいえ、この「K値」理論を拡散したのも、阪大の大学院経済学研究科准教授と、彼が出演しているテレビ東京の番組だったことに留意されたい。

*4:そうこうしているうちに、某腐知事はうがい薬の一件で騒動を引き起こした。むかつくまでの腐知事びいきだったTBS(毎日放送系)も知事への批判が続出していることを報道で認めていた。

「ポピドン」ではなく「ポビドン」。ましてや「ポピン」じゃない。でも商品名は「ポピヨード」

 ポリビニルピロリドンという物質名は水溶性高分子の一つとして知っていたが、「ポビドン」という略称は知らなかった。

 

 

 

 残念ながら、それぞれ「ポビ村」「ポッビー」と呼ばなければならない。

 まあ水溶性高分子だから、これとヨウ素が複合した「ポビドンヨード」が医療用に使われるのは、そりゃそうだろうなと思うのだが、問題は「ポピンヨード」とかなんとか書いた、例の極右整形外科医だ。

 武士の情けでリンクは張らないが、あいつ、本当に医者なんだろうか。

 そう思ったが、ネット検索をかけたら商品名「ポピヨード」というのがあるらしい。中身はポビドンヨード。それが某藪医者の頭にあったのかもしれない。

 

 なお、物質名の略称としては、「ビニル」の一部をとらなければいけないから、発音はしにくいけれども「ポビドン」になったんだろうな。「ポビピロリ」だとピロリ菌みたいだし。でも「ポビドン」でもテポドンみたいだぞ。

 なんとも紛らわしい話。

「新タイプのウイルス、6月に突然出現…東京から感染拡大」という読売記事の見出しは読者を誤解させるもの。実際には「欧州型の遺伝子が一部変異したウイルス」

 下記は今朝(8/8)の読売新聞の報道。

 

www.yomiuri.co.jp

 

 この記事は読売には珍しく、引用できるようだ。以下引用する。

 

新タイプのウイルス、6月に突然出現…東京から感染拡大

2020/08/08 07:46


 新しいタイプの遺伝子配列を持つ新型コロナウイルスが、6月以降全国に広がっているという分析結果を国立感染症研究所の研究チームが公表した。東京から地方への移動によって感染が拡大したことが、ウイルスの遺伝子分析からも推定される結果となった。研究チームは、日本人が感染した新型コロナウイルスの遺伝子に着目。配列の変化と流行の関係を調べた。

 

 その結果、3月からの感染拡大では、欧州系統の遺伝子配列を持つウイルスによるクラスター(感染集団)が全国各地で複数発生した。5月下旬にいったん収束したものの、6月中旬、東京を中心に新たなタイプの遺伝子配列のウイルスが突然出現。現在、急速に増加している全国の陽性患者の多くが、新タイプに属することが分かった。

 

(読売新聞オンラインより)

 

出典:https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200808-OYT1T50126/

 

 この記事は、昨日(8/7)朝に流されたNHKニュース(弊ブログでも下記記事で取り上げた)と同じ国立感染症研究所発のニュースであるにもかかわらず、それと真っ向対立するものかと一瞬思った。しかしよくよく読むと、そうではなく同じ情報をNHKと読売とで異なる印象を受け手に与える伝え方をしたものだとわかった。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記記事にも引用したNHKニュースを再び引用する。

 

www3.nhk.or.jp

 

新型コロナ 感染が水面下で継続 6月中旬以降に再び顕在化か

 

新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、国内では、5月にいったん収束したと思われたウイルスによる感染が水面下で継続していて、6月中旬以降、再び顕在化したとみられることが、国立感染症研究所が行ったウイルスの遺伝子の詳細な解析の結果、分かりました。

研究所は、移動の自粛が緩和されたあと、見えないまま続いていた感染が、全国に広がった可能性があるとしています。

国立感染症研究所は、国内で感染した人から検出されたウイルスの遺伝子を詳しく解析して、どう広がったのか分析した結果を発表しました。

それによりますと、ことし3月中旬以降、国内に広がったウイルスは、中国 武漢からヨーロッパを経て入ってきた「ヨーロッパ系統」と呼ばれるタイプのもので、5月には、このウイルスによる感染はいったん収束に向かいました。

ところが、6月中旬以降になると、各地で感染者の集団=クラスターが発生し、ウイルスを解析すると、いったんは見られなくなった「ヨーロッパ系統」のウイルスの遺伝子の一部が変異したものだったと分かったということです。病原性が強くなったり、弱くなったりする変異は確認されていないとしています。

研究所では、無症状か軽症の感染者による感染が水面下で続いていて、6月中旬以降は、同じ系統のウイルスによる感染が再び顕在化し、移動の自粛が緩和されたあと、東京だけでは収まらず、全国に広がった可能性があるとしています。

 

NHKニュースより)

 

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200807/k10012555471000.html

 

 なんのことはない。読売が「新たなタイプの遺伝子配列のウイルスが突然出現」と書いたウイルスとは、「ヨーロッパ系統」のウイルスの遺伝子が変異したものだったのだ。

 こう断定するヒントとなったのは、読売の記事についた下記の「はてなブックマーク」コメントだ。

 

b.hatena.ne.jp

 

新タイプのウイルス、6月に突然出現…東京から感染拡大 : 医療・健康 : 読売新聞オンライン

んーこれは感染研のリリースちゃんと見た方がいいですね<a href="https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9787-genome-2020-2.html" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9787-genome-2020-2.html 「新タイプのウイルス」と言われると誤解する人多いと思う。3月からの変異は6塩基

2020/08/08 11:38

b.hatena.ne.jp

 

 感染研のリリースは下記。

 

www.niid.go.jp

 

 以下、NHKと読売の報道に関連すると思われる箇所を引用する。

 

欧州系統の同時多発は全国レベルであったが、その後発生した地域固有クラスター(欧州系統から1,2塩基変異を伴う)は現場努力によって少しずつ収束へ向かった(5月下旬)
しかしながら、6月上旬からすこしずつ感染者数が増加傾向へ転じ、その後、東京都を中心にクラスターの多発が確認された。
それに並行して7月上旬から地方でも陽性者が増加し、主要都市圏から注意喚起が発せられた。
6月下旬以降をネットワーク図で分類すると、さらに変異が進んだ特定のゲノムクラスターを確認し、ネットワーク図(図1)・右下の離れたクラスター●(赤背景)を基点に全国各地へ拡散していることが分かった。
これらゲノム情報は、欧州系統(3月中旬)から さらに6塩基変異を有しており、1ヶ月間で2塩基変異する変異速度を適用すれば、ちょうど3ヶ月間の期間差となり時系列として符合する。
この3ヶ月間で明確なつなぎ役となる患者やクラスターはいまだ発見されておらず、空白リンクになっている。この長期間、特定の患者として顕在化せず保健所が探知しづらい対象(軽症者もしくは無症状陽性者)が感染リンクを静かにつないでいた可能性が残る。
6月下旬から、充分な感染症対策を前提に部分的な経済再開が始まったが、収束に至らなかった感染者群を起点にクラスターが発生し、地方出張等が一つの要因になって東京一極では収まらず全国拡散へ発展してしまった可能性が推察された。

 

出典:https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9787-genome-2020-2.html

 

 NHKと読売の報道を比較すると、NHKの方がより正確であり、それと比較すると、読売の報道をそのまま読むと、あたかも「中国(武漢)型でも欧州型でもない、『東京型』なる全くの新型ウイルスが突然降って湧いたように現れた」かのような印象を与える。

 それと同時に、NHKの報道に接した受け手の多くが受けたと思われる「ああ、やっぱり5月の緊急事態宣言解除は時期尚早だったんだなあ」という印象を打ち消す効果を、読売の報道は持っている。

 つまり、緊急事態宣言の解除には何も問題はなかったのだが、新たに「東京型」ウイルスが発生してしまったのだから仕方がない、という方向に受け手をミスリードする効果があるのだ。

 私など、読売はその効果を狙って、わざわざNHKの報道の翌日にこんな記事を出してきたのではないかと勘繰ってしまう。

 やはり読売はプロ野球球団も新聞も両方とも極悪だ。そう改めて認識した次第。

 

 なお、NHKニュースの最後に「病原性が強くなったり、弱くなったりする変異は確認されていない」と書かれていることにも注目したい。

 つまり感染研の専門家たちは、今回感染が拡大しているウイルスが「弱毒化している」などとは全く認識していないということだ。

 

[追記]

 時事通信もこの件を報じている(下記にリンクを示す)。引用はしないが、概ね妥当な記事だ。やはり読売だけが突出しておかしな記事になっている。

 

www.jiji.com

新型コロナウイルス感染症の週間新規陽性者数9,511人、死亡者数29人(2020/8/1-7)

 新型コロナウイルス感染症について、先週、7/31までの陽性者及び死亡者の数値を記録した記事を公開したので、これを機に、今後しばらく1週間おき及び毎月の数値を記録し、前月及び前週との差分をとることにした。起算日を土曜日にして翌週金曜日までの期間とするのは、たまたま今月がそうであることと、土曜日は時間がとれることが多いという2つの理由による。

 

 下記NHKニュースより、8/7までのクルーズ船を除いた陽性者累計と死亡者数を抜き書きする。

 

www3.nhk.or.jp

 

 上記NHKニュースによると、クルーズ船を除いた8/7までの陽性者累計は45900人、死亡者は1042人。

 7/31までの数字は下記記事に記録したが、陽性者累計が36389人、死亡者は1013人だった。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 差分をとると、8/1から8/7までに新たに確認された陽性者は9511人、死亡者は29人だ。致死率は0.3%。

 この「低い致死率」だが、3月だったかにドイツが大規模にPCR検査を行うようになった頃の致死率が確か0.2%だかで、当時「さすがはドイツ」と言われたし、私もそのような記事を書いてしまったことがあるが(これはもちろん誤りだった)、単に感染初期段階の人が大部分を占める状態であることを示す数字に過ぎない。

 先週の記事で、6月と7月の2か月に感染した人のうち、8月と9月の2か月で300人くらいが死ぬだろうと予測した。これはもちろん、今月以降に感染した人からも同じ期間に死者が出るだろうから検証することはできないのだが、この1週間で29人、つまり1日平均4.1人の死亡者が出たことから、今後少なくともそのくらいの数字になるだろうとは予測できる。この数字が2か月続いても死亡者は240人程度にしかならないが、先週の記事にも書いた通り、6月と7月の2か月間の死亡者は105人に過ぎず、1日平均にすると1.7人しか死んでいなかったことを思えば、既に死者数のかなり急激な増加が始まっていると見るしかないのである。

 このまま手をこまぬいていれば、今後間違いなく大変なことになる。根拠のない楽観論は禁物だと強く訴える次第。

 なお、昨日書いた下記記事のコメントでご指摘いただいた、楽観論の代表格である「ウイルスの弱毒化」については、4月に読んだ中公新書の井上栄著『感染症 増補版』に載っていたので、これがかなり以前から知られている学説であることも含めて知っているが、この件に関してはこのあとの外出から帰ってきてから改めてエントリを上げたい。それまでにコメントをいただければ記事本文で紹介する「可能性もある」(但し紹介しないコメントが大部分になると思う)ので、この議論にご関心のおありの方は下記記事にコメントいただければ幸いだ。但し私自身もど素人であることをおことわりしておく。

 

kojitaken.hatenablog.com

「新型コロナ 感染が水面下で継続 6月中旬以降に再び顕在化か」(NHK)

 やはり、緊急事態宣言の解除の時期が早すぎたようだ。

 下記はNHKニュースへのリンク。

 

www3.nhk.or.jp

 

 以下引用する。

 

新型コロナ 感染が水面下で継続 6月中旬以降に再び顕在化か

 

新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、国内では、5月にいったん収束したと思われたウイルスによる感染が水面下で継続していて、6月中旬以降、再び顕在化したとみられることが、国立感染症研究所が行ったウイルスの遺伝子の詳細な解析の結果、分かりました。

研究所は、移動の自粛が緩和されたあと、見えないまま続いていた感染が、全国に広がった可能性があるとしています。

国立感染症研究所は、国内で感染した人から検出されたウイルスの遺伝子を詳しく解析して、どう広がったのか分析した結果を発表しました。

それによりますと、ことし3月中旬以降、国内に広がったウイルスは、中国 武漢からヨーロッパを経て入ってきた「ヨーロッパ系統」と呼ばれるタイプのもので、5月には、このウイルスによる感染はいったん収束に向かいました。

ところが、6月中旬以降になると、各地で感染者の集団=クラスターが発生し、ウイルスを解析すると、いったんは見られなくなった「ヨーロッパ系統」のウイルスの遺伝子の一部が変異したものだったと分かったということです。病原性が強くなったり、弱くなったりする変異は確認されていないとしています。

研究所では、無症状か軽症の感染者による感染が水面下で続いていて、6月中旬以降は、同じ系統のウイルスによる感染が再び顕在化し、移動の自粛が緩和されたあと、東京だけでは収まらず、全国に広がった可能性があるとしています。

 

NHKニュースより)

 

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200807/k10012555471000.html

 

 ことここに至っては、政権擁護派はもちろん、政権批判派も「人と人との接触を抑える効果」の議論から逃げてはならない。後者にはひたすらPCR検査を増やすことしか言わずに人と人との接触を抑えることへの言及を避ける人間が多いが、それは大いなる欺瞞だ。

新型コロナウイルス感染症、「GoToキャンペーン」の影響が出てくるのはこれから/維新の衆院選東京1区候補予定者・赤坂大輔を公然わいせつ容疑で現行犯逮捕

 昨日(8/6)は、「イソジン吉村」の大阪府での陽性者がこれまでの最多となる225人を記録した。神奈川も過去最多の119人を記録した。

 昨日は7月の4連休初日のちょうど2週間後だった。もっとも、昨日のPCR陽性者は、多くの自治体では一昨日の検査結果を反映しているから*1、4連休初日の13日後の結果が判明したといえる。

 何が言いたいかといえば、例の「GoToトラベルキャンペーン」の影響がPCR検査結果に反映されるのはこれからだということだ。このキャンペーンの対象から除外された東京都では、このところ少し陽性者数が頭打ちになっているようにも見えるが、これは今後の推移をもう少し見る必要があるかもしれない。

 いずれにせよ、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるためには、人と人との接触を減らすことがもっとも有効であることはもはや明らかだ。もちろん検査数を増やすことも有効だが、検査数は一次関数的にしか増やせない一方、人と人との接触を抑えれば感染者が指数関数的に増えることを防止できるからだ。この違いを未だに理解できず、「右」においては「経済を回す」動機から、「左」においては移動の自由を制限することに対するイデオロギー的な反発からそれぞれ、人と人との接触を減らすことの効果を認めようとしない人間があまりにも多すぎる。これらはいずれも反知性的な姿勢であるとして、ここに厳しく論難する次第。ウイルスは忖度などしてくれない。

 なお、緊急事態宣言の効果に関しては、下記岩田健太郎医師のツイートが参考になるだろう。

 

 

 振り返ると、例の「K値」の未査読論文を原子核物理が専門の中野貴志・大阪大教授が発表したのは4月25日。5月上旬には緊急事態宣言の延長が決定されたが、同月14日には吉村洋文・大阪府知事が「『K値』は僕も注目してる」とのメッセージを出し、ほぼ同じ頃に西村康稔もK値に言及した。その頃から「人と人との接触を抑える」方針がなし崩しになっていったのだった。立憲民主党などが頼りにしているらしい例の上昌広が「緊急事態宣言には効果がなかった可能性がある」と言ったのは確か5月下旬だったが、同宣言の前倒し解除の頃には安倍政権はすっかり「反自粛」へと舵を切っていた。少し前にも指摘したが、安倍政権と同じ立場に立つのが、「立憲野党」を自称する野党4党及びそれを支持する勢力「を除く」政権批判派であり、彼らの意見を代弁するのが、宮沢孝幸にコラムを執筆させている「日刊ゲンダイ」だ。しかも野党4党の中にも、上医師を信頼して彼のツイートを拡散したりした蓮舫のような議員もいるから心許ない限り。

 

 ところで反知性的といえば、コロナ対策に「ポビドンヨード」(ポリビニルピロリドンとヨウ素の複合体)を含むうがい薬を宣伝した吉村はその代表格だが、その吉村が記者会見で発した意味不明の言葉がTwitterで話題になっているようだ。

 

 

 確かに「不適切な画像が含まれ」ている(笑)。

 吉村が発した「ある意味」について、下記ツイートの解釈に爆笑してしまった。

 

 

 まあ、同じ方は下記のようにも書いているので話半分だろうけど。

 

 

 ただ、いかにも「吉村ならやりかねない」と思わせるので爆笑してしまうのだ。

 とはいえ、このイソジン騒動には経産省が関与しているとの疑惑がささやかれている。さらにはインサイダー取引の疑惑まであるらしい。

 

 

 とんでもない腐臭が漂っているのである。

 

 ところで、吉村は大阪維新の会に属しているが、同系列の日本維新の会衆院東京1区の候補者だった東京都議・赤坂大輔が公然わいせつの疑いで現行犯逮捕された。以下朝日新聞デジタルより。

 

www.asahi.com

 

 以下引用する。

 

港区議を公然わいせつ容疑で逮捕 高校生に下半身露出か

 

2020年8月6日 21時18分

 

 神奈川県警は6日、東京都港区議の赤坂大輔容疑者(48)=日本維新の会所属=を公然わいせつの疑いで現行犯逮捕し、発表した。容疑を否認しているという。

 宮前署によると、赤坂容疑者は6日午後1時半ごろ、川崎市宮前区のカラオケ店の駐車場内で、女子高校生3人に「見てくれないか」などと言い、下半身を露出した疑いがある。調べに対し、「右手で性器を隠して、左手でズボンを下ろしていたので見せていません」などと説明しているという。
 直前に赤坂容疑者が「いいバイトしない?」などと声をかけてきたため、不審に思った他の女子高校生1人が近くの交番に行き、駆けつけた警察官が逮捕したという。
 現在、赤坂容疑者は区議4期目。

 

朝日新聞デジタルより)

 

出典:https://www.asahi.com/articles/ASN866WK2N86UULB002.html

 

 上記記事には書かれていないが、赤坂大輔は維新の衆院選東京1区候補予定者だった。維新の首都圏進出の勢いは今後しぼんでいくかもしれない。

 そうなると、立憲民主党との合流ではなく、維新や某新選組との野合を強く志向しているらしい玉木雄一郎などは焦りが強まる一方だろう。玉木は昨日も広島の平和記念式典の場で枝野幸男に党首会談を迫ってはねつけられたが、慰霊の日にいったい何を考えているんだと顰蹙を買っていた。

 与党ばかりではなく、野党や政権批判派に関しても、維新に退潮の気配が表れ始めたことなどのほんの一部を除いて、ろくでもない話しか出てこなくなった。今日(8/7)は立秋だそうだが、これからも暑くて辛い不快な残暑が延々と続きそうだ。心の底からうんざりする。

*1:東京都では3日前から前日までの検査結果が混在しているらしいが。