kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ベテラン放送人・今野勉が宮沢賢治の軌跡をたどった執念の書『宮沢賢治の真実 - 修羅を生きた詩人』(新潮文庫)

 読書ブログに下記記事を公開した。

 

kj-books-and-music.hatenablog.com

日本国内での新型コロナウイルス感染症の死亡者が894人、致死率は5.30%(2020/5/30)

 日本国内での新型コロナウイルスによる死亡者数は、ようやく1桁の日が続くようになってきた。昨日(5/30)は5人で、致死率は5.30%になった。5月30日に5.30%という覚えやすい数字だ。もっともこれはNHKの報道によるもので、厚労省発表の数字とは合わない(厚労省の認定がいつも遅れるため)。致死率は先月末に3%を突破したが、5月の1か月間だけで2.3ポイントも上昇した。死亡者数は確認される陽性者のピークよりもかなり遅れる上、ブロードなピークになることはよく頭に入れておく必要があるだろう。感染拡大の初期段階における致死率の低さには何の意味もない。ましてやそれを感染拡大のピークを過ぎた国と比較して「日本の医療の優秀さの表れだ」などと誇らしげに言っていた論者たち(主にネトウヨ)は赤恥をかいた。実際には日本の致死率は中国(約5.5%)やフィリピン(同じく約5.5%)を除く他の東アジア諸国よりも高くなった。致死率はPCR検査体制整備の度合いと医療体制の水準で決まると考えられるが、日本の場合は検査体制があまりにも貧弱なのだった。

 下記はNHKニュースへのリンク。

 

www3.nhk.or.jp

 

「次亜塩素酸水 噴霧使用は控えて」(NHK)

 私はスーパーなどの入口近くに置いてある消毒液がアルコール水であれば使うが、次亜塩素酸水である場合には決して使わないことにしている。

 次亜塩素酸といえば真っ先に思い浮かぶのがプールなどの「カルキ臭」だ*1。そんなものを指につける気にはならない。

 だから、下記のニュースが流れてきた時にも、そりゃそうだろとしか思わなかった。

 

www3.nhk.or.jp

 

 以下引用する。

 

次亜塩素酸水 噴霧使用は控えて

 

NITE=製品評価技術基盤機構は、新型コロナウイルスの消毒目的で利用が広がっている「次亜塩素酸水」について、現時点では有効性は確認されていないとする中間結果を公表しました。
NITEでは、噴霧での使用は安全性について科学的な根拠が示されていないなどとして、控えるよう呼びかけています。

NITEなどは、アルコール消毒液に代わる新型コロナウイルスの消毒方法の検証を進めていて、29日「次亜塩素酸水」についての中間結果を公表しました。
検証では、2つの研究機関で酸性度や塩素の濃度が異なる次亜塩素酸水が、新型コロナウイルスの消毒に有効かどうかを試験しました。
その結果、一部にウイルスの感染力が弱まったとみられるデータもありましたが、十分な効果がみられないデータもあるなどばらつきが大きく、有効性は確認できなかったということです。
今後、塩素濃度を高くした場合などについて検証を続けるということです。
また、NITEでは、次亜塩素酸水は噴霧することで空間除菌ができるとして販売されるケースが少なくないことについて、人体への安全性を評価する科学的な方法が確立していないことや、国際的にも消毒液の噴霧は推奨されていないことなどを紹介する文書を合わせて公表しました。
NITEは「加湿器などで噴霧することや、スプレーボトルなどで手や指、皮膚に使用することは、安全性についての科学的な根拠が示されておらず控えてほしい」と呼びかけています。

 

NHKニュース 2020年5月29日 18時21分)

 

出典:https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200529/1000049524.html

 

 しかし私には少し前からの疑問があった。あの「カルキ臭」は何に由来しているのかということだ。ずっと、次亜塩素酸が分解してできる塩素の臭いだろうと思っていたが、次亜塩素酸の臭いだと書かれたものもある。調べてみると、どうやら塩素でも次亜塩素酸でもなく、塩素とアンモニアが反応してできるトリクロラミン(三塩化窒素)という物質の臭いらしい。これには毒性がある。

 やはりカルキ臭い水は飲まない方が良く、次亜塩素酸水を指にこすりつけて消毒したつもりなんかにならない方が良さそうだ。なお一時期次亜塩素酸水が置いてあった近所のスーパーは、再びアルコール水に戻したようだ。

*1:プールだけではなく、昔は水道水も「良い地下水がとれる」はずの阪神間でも結構「カルキ臭い」ことが多かった。今住んでいる東京も明らかに水質が悪いので、水道水は飲まずにミネラルウォーターを飲む。

東京・大阪・名古屋3大都市住民のネオリベ志向に迎合する中日スポーツとデイリースポーツ/リベラル・左派の「鬼門」の東京都知事選をどうするか

 少し前に中日スポーツ中日新聞社発行)が高須克弥による大村秀章知事に対するデマに基づく批判をそのままネットで記事にして、記事の削除と大村知事への謝罪に追い込まれた一件があった。下記は5月20日J-CASTニュースの記事へのリンク。

 

www.j-cast.com

 

 大村秀章といえば、13年前に第1次安倍内閣時代に、今はなきテレビ朝日の「サンデープロジェクト」に「自民等の年金問題の切り札」として登場したものの、民主党長妻昭との論戦に完敗して涙目になった印象が今も強い。その後極右の河村たかしとつるんで維新の橋下徹に接近した時期もあったが、今では河村とも橋下とも袂を分かって、少なくとも大阪府や東京都の論外の知事たちよりははるかにマシな知事になっている。

 大村秀章に頭を下げた中日新聞社に怒ったのは河村たかしだ。

 

 

 河村は論外だが、オザシンやヤマシン(山本太郎は昨年の愛知トリエンナーレの件で河村たかしを批判するのがずいぶん遅れた)はどう思っているのだろうか。

 それよりもさらに問題なのは、極右の高須克弥が発したデマに乗っかった中日新聞社であることはいうまでもない。東京新聞は、この中日新聞社が首都圏で発行している新聞だ。

 スポーツ紙の偏向といえば、最近一番ひどいのは首都圏と関西で発行しているデイリースポーツで、阪神タイガース応援で知られる*1神戸新聞系の新聞社だが、露骨に維新を応援している。

 大村知事は最近、東京都と大阪府医療崩壊を起こしたと批判した。下記は朝日新聞デジタルの記事へのリンク。

 

www.asahi.com

 

 東京都と大阪府医療崩壊は、大村秀章が指摘する通り事実といえるだろう。しかしTwitterの応援団は、特に大阪では吉村洋文支持と大村秀章批判の一色で、一方名古屋ではどうかといえば、大村秀章への批判が多く、大村知事を批判する名古屋市長・河村たかしへの支持が多数を占める惨状を呈している。

 この東京・大阪・愛知(名古屋)の3大都市に見られる強いネオリベ志向は相変わらずであって、維新が強い間に解散総選挙を行いたいと安倍晋三が考えているであろうことは疑う余地はない。

 さすがに今通常国会中の衆議院解散は無理だろうし、秋の臨時国会は3年前と同じようになかなか召集しない可能性がかなり高いが、召集する時は衆議院を解散する時だと思っておいた方が良いだろう。

 さしあたって懸念されるのは東京都知事選だ。都知事選はリベラル・左派にとっての「鬼門」と言っても過言ではなく、いつも決まって内閣支持率を上げる方向に作用する。第1次安倍内閣の2007年でさえそうだった。それまで発足以降下落の一途をたどっていた安倍内閣は支持率は、石原慎太郎が圧勝した4月の都知事選のあと1か月半ほどは反転上昇したのだった。結局それは長続きせず、5月末の「消えた年金問題」発覚をきっかけに自民党参院選惨敗、安倍晋三の政権投げ出しへと続いていったのだったが。その時にテレビ番組に出てきて恥をかいたのが大村秀章だったことは記事の最初に書いた通り。

 どうやったって小池百合子に勝つことはきわめて難しい状況にある中、特に旧民主・民進系(なんとか新選組を含む)の対応が問題になる。思い出されるのは2014年と2016年の都知事選だが、2014年は生活の党を含む旧民主・民進系(民主・生活・結いの党)が小泉純一郎と野合して細川護煕を担ぎ、共産と社民は宇都宮健児を担いだ。細川護煕宇都宮健児にも及ばない惨敗を喫した。オザシンのブログや、のちに小池百合子民進党の連携に「ワクワク」することになる「都会保守」のブログが細川応援に熱を上げていたことをよく覚えている。あの都知事選では宇都宮健児陣営内でもめごとがあり、澤藤統一郎弁護士が宇都宮氏批判を行ったいきさつもあった。私も澤藤氏の批判には理があると認めながらも、かといって細川護煕舛添要一に投票する気など全く起きなかったので白紙を投票したのだった。2016年は「野党統一候補」がまたも私の好まない鳥越俊太郎だったが、最有力候補が私にとっては絶対に許容できない小池百合子だったので、鼻をつまんで鳥越に投票したが予想通り惨敗した。この選挙で怪しからんと思ったのは、「宇都宮健児さんが出ないのであれば、小池対鳥越なら小池の方がマシだ」などと言い出した宇都宮氏支持者たちが少なからず小池に投票したことだった。あの当時、某所で小池百合子評価を公言していた共産党支持者さえいた。その翌年に小池が前原誠司小沢一郎とつるんで「希望の党」騒動を引き起こしたら、その「共産党支持者」は何やら変な理由をつけて意見を発信するのを止めてしまったが、このような筋の通らない人間が「反政権」側にはいくらでもいるという悪い見本だった。

 このように、東京都知事選ではいつも、反自公・反安倍などの勢力にとって悪いことが起きる。今年はなんで安倍政権が大きく傾いたこんな時期に東京都知事選なんかがあるんだよ、と呪いたくもなるが、前回からもう4年も経つのだから仕方がない。

 今回例によって早くも手を挙げた宇都宮健児で一本化できれば、相手が舛添要一ではなく小池百合子なので私も白票ではなく「消去法で」宇都宮氏に投票するが、「野党共闘」側も、宇都宮氏とは別の候補を出してまたぞろ対立陣営側の分裂を招くとか、ましてや玉木雄一郎が示唆しているとかいう、自主投票にしながら暗に小池百合子を応援するなどといった馬鹿なことは止めて、できれば宇都宮候補への一本化が望ましいだろう。もしそれでも宇都宮健児小池百合子に惨敗するようなら、次回の都知事選では別の候補を立てれば良い。まあ次回には宇都宮氏も77歳だから*2今回が最後だろう。立民・民民・新選組*3の良識ある判断を望む。

 以上述べた3大都市住民のネオリベ志向と東京都知事選は、現在危機に瀕している安倍晋三を大きく助けかねないファクターだけに、野党や政権批判側にとっては大きなハードルになりかねないと懸念する次第。

*1:関西ではスポーツ報知以外はすべて阪神を応援しているが、首都圏では阪神応援を社として打ち出しているのはデイリースポーツだけだ。

*2:もちろん、たとえば小池百合子が再選されたあと知事を投げ出せば(これはあり得ない話ではない)話は別だが。

*3:オザシン・ヤマシン系に関しては、今はもう小沢一郎ではなく山本太郎だから、すんなり宇都宮氏を支持するのではないかと予想するが(さすがに山本太郎自身の立候補はないだろう)、問題は3年前の衆院選で互いにベクトルの方向が逆向きの因縁を持っている立民と民民だろう。

検察は官邸に弱味を握られない限り官邸と「手打ち」などしない。黒川弘務を文春に売ったのはもちろん検察

 検察と官邸の攻防というか権力闘争は、これからが本番だ。下記は一昨日(5/28)の共同通信の報道。

 

this.kiji.is

 

 下記はこの件に関する渡辺輝人弁護士の感想。

 

 

 そりゃそうだよ。官邸は検察の人事を恣にしようとしたけど、人事こそ権力の源泉なんだから、それに手を突っ込もうとした官邸に検察が切れるのは当然。

 上記渡辺弁護士のツイートについたリプライを見ていると、反政権の立場の人たちには、権力という一枚岩があるかのように錯覚している人が多いようだけど、トップに立つのはたった一人なんだから、権力機構の内部では絶え間ない権力闘争が行われているんだよ。だから今回のように官邸が露骨に検察の意向とは異なる人事を押しつけようとした場合には正面衝突にならない方がおかしい。検察は何か見返りが得られない限り「手打ち」なんかあり得ないよ。人間はみんな自分が一番かわいいんだから。今後仮に手打ちが行われるとしたら、それは官邸が検察の弱味を握った場合だろう。現在は、河井夫妻の捜査、及び河井案里への1億5千万円が官房機密費から出ているのではないかとの誰もが想像する疑惑という弱味が官邸の方にあるから、検察が強気に出ているんだよ。

 黒川弘務を文春に売ったのはもちろん検察。そんなことは最初からわかり切っている。

 実は私自身もずっと前に務めていた会社内で権力抗争に巻き込まれて、人事というか、私自身の異動が二転三転するという「あり得ないような目」に遭ったことがあって、同僚から同情もされたが、結局これがその3年後に私が転職する原因になった。14年前に私がブログを始めるよりもずっと前の話だ。それ以来、「人事こそ権力闘争のかなめ」であるとの視点から、報道される国の権力者同士の権力闘争を解釈するようにしている。この視点を持つと権力抗争のダイナミズムが実によく理解できる。権力機構は決して「一枚岩」などではない。

 もちろん検察内部にも官邸と通じたスパイじみた人間がいる可能性が高いから、権力闘争の行方は予断を許さない。ただ、前回の検察庁法改正案をめぐる攻防は検察の完勝だったし、当面は検察有利の状態が続くことはほぼ間違いない。

 それともう一つ、安倍晋三は担がれて最高権力者になった側面が強い人だから、安倍自身は尊大な人間ではあるけれども、冷酷非情な権力闘争のメカニズムやダイナミズムをよく理解していないのではないか。単に自分は最高権力者だから何をやっても許されるはずだという思い込みが今回の失敗を招いたのだと思う。

 私は検察を美化するような論調にも強く反対するが、とはいえ安倍政権があまりにもひどい「悪の権化」である現状を思えば、トウ小平の「白猫黒猫論」にどうしても傾いてしまう今日この頃だ。

致死率を「真の感染者数」の指標にすることは専門家たちの間でもなされている周知の事項/日本国内での新型コロナウイルス感染症の致死率はほぼ横バイの5.28%(2020/5/29)

 日本国内の新型コロナウイルス感染症は、福岡県(北九州市)、東京都(小金井市)、北海道などでここ数日再び陽性者数*1が増えている。「広島瀬戸内新聞ニュース」は「安帝」(安倍晋三)が大見得を切ったことが間違いだと書いているが、その通りだと思う。

 

hiroseto.exblog.jp

 

 しかし、その「安帝」の下でのまやかしの「日本スゴイ」の夢に浸っていたいらしいにっしーさんは、昨日公開した下記記事にも、懲りもせず恥ずかしい捨て台詞のコメントを寄越してきた。

 

kojitaken.hatenablog.com

  

 にっしー

 「無知な人間はブログにコメントしてはいけない」というルールがあるわけでも無し。ブログ管理者から詳しい知識を教えられ感謝しております。ありがとうございました。

 それにしても、新型コロナウイルス問題では、多くの数値・指標が出てきています。管理者が薦める「致死率」が、メディアでメジャーになるといいですけどね……。

 

 にっしーさんが書いた字面上の「感謝」の言葉は、実際には嫌味であることはいうまでもない。安倍晋三とよく似た精神構造をお持ちの方なんだろうなと思う。

 「無知な人間はブログにコメントしてはいけない」というルールなどもちろんなく、だからこそ私はにっしーさんのふざけたコメントの相手をしてやっているのだが、それでもこのところ毎日公開している日のメインのエントリは作成開始から公開まで平均1時間程度の時間をかけているのだから、コメントする側もそれなりの労力を支払っていただきたいものだ。

 よく三春充希さんがTwitterで「そんなことは調べればすぐわかるだろ」と怒っているのを見るが、気持ちはわかる。彼など、私がブログにかけるよりもはるかに長い、気の遠くなるくらいの時間をかけて世論調査のデータの収集・整理・解析をやっているのだから、いわゆる「クソリプ」に切れるのは当然だ。

 「致死率」がマスメディアが取り上げる「メジャーな指標」になるかなどどうでも良い。私としてはより真実に迫りたいだけだ。

 実際、にっしーさんがご存知ないだけであって、致死率を「真の感染者数」の指標としてとらえる検討は広く行われている。下記記事はその例で、著者は専門家ではないが、専門家の研究の動向を調べてまとめている。但し少し古い、4月下旬に書かれたものだ。

 

note.com

 

 以下引用する(但しグラフの引用は省略)。残念ながら引用文から張られたリンクは切れているが。

 

CFRベースの推定

 

ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(London School of Hygiene & Tropical Medicine; LSHTM)の数理疫学チームによる検査の捕捉率の推定(未査読)は全世界をカバーしており、日本も比較対象に入っている。

こちらは死者数を基準とする計算法で、Case fatality rateCFR; 致死率、患者当たり死亡率)をベースとして、入院から死亡までの平均期間により直近の報告数の補正を行い、そのうえで真のCFR1.4%であると仮定したうえで死者数から真の入院が必要な患者数を推定し、検査陽性数がその何%を捕捉しているか推定している。この方法では、「重症者だけしか検査していない」といった批判に対して、もしそうならCFRが上がるはずなのでそれを補正しよう、という計算を行っていることになる。

この研究では、日本は真の患者数の31% (信頼区間22% - 74%)を検査で捕捉していると推定している。他の主要国では、英3.6%、仏4.3%、伊6.0%、西6.5%、米12%、加17%、独29%、中33%、タイ48%、韓55%などとなっている。日本は世界の中ではマシなほうだがSARS経験のあるアジア諸国の中では低位ということで、おおよそ直感に合う値ではないかと思う。

 

出典:https://note.com/kyslog/n/n071a6b9b91f4

 

 引用文中の赤字ボールドは引用者(私)によるが、各国が発表した(見かけの)致死率と真の致死率とを比較して、真の患者数を推計するというのは、ごく普通に行われている方法なのだ。

 但し、ロンドン大学が用いている真の致死率1.4%という数字は高すぎるのではないかと思うが。たとえば西浦博教授が4月上旬に、人の行動を抑えなければ42万人が死ぬとの試算を発表したが、3千万人が罹患する場合に真の致死率1.4%だとちょうどこの数字になる。しかし、当時は集団免疫を獲得した場合、感染率は60%になると見積もられていたから、およそ7千5百万人から8千万人くらいが感染するとして死亡者42万人なら、西浦教授は真の致死率を0.55%程度と見積もっていたことになる。このことは少し前の記事に書いた。

 真の致死率が0.55%なら、発表された陽性者数と死亡者数から計算される日本の致死率約5.3%と比較すると、捕捉率は約10%で、真の感染者数は約17万人になる。さらに、抗体検査の結果から推計される真の致死率は0.2%未満との研究結果もあるから、これを用いると日本国内の真の感染者数は約45万人以上ということになる。いずれにせよ、日本国内の真の感染率は全人口の0.1%以上1%未満の範囲にある可能性が非常に高いと私は推測している。

 なお、以上述べたことはドイツや韓国など他の国にも当てはまる。とはいえ、ロンドン大学の研究で示された、日本におけるPCR検査による感染の捕捉率が中国やドイツと同じくらいで、韓国と比較すると半分程度というのは、マスメディアのいうところの「第1波」の数字がほぼ落ち着きつつある現時点で見ても妥当な数字だと思われる。ただ、各国の捕捉率が3倍くらいずつ高く見積もられているのではないかとの疑念を持つだけだ。それから、日本での捕捉率がドイツを除く欧米より高いのは、単純にこれまでアジアでは感染者数が少なかったという幸運によるものに過ぎない*2ことは、何度強調しても強調しすぎることはない。山中伸弥教授がよく言う「ファクターX」が何かは解明されていないが、おそらく欧米とアジアでは初期状態が異なっていたのではないか、つまり各国が感染に気づいた時の感染率がアジアと欧米とで大差があったのではないかとの仮説を私は立てている。いずれにせよ「日本モデル」などまやかし以外の何物でもない。

 

 昨日日本国内で新たに確認された新型コロナウイルスの陽性者数は74人、死亡者は6人。累計では陽性者16833人に対して陽性者889人、致死率は5.28%で前日とほとんど変わらない横バイだった(0.02ポイントだけ微増した)。新たな陽性者がここ数日増加傾向にある影響を受けていると思われる。

 前々からずっと書いている通り、致死率が下がる時は新たな感染の波に襲われ始める時期であって、これは悪い兆しだ。致死率は一定である状態が一番良い。致死率が一定になる状態とは、新たな感染者も死亡者も出ない状態のことなのだ。死んだ人間は生き返らないのだから仕方ない。私が毎日の致死率をずっと記録してきたのも、最終的な致死率に至るまでにどんな曲線を描くかを体感することが真の目的だった。大半の読者にとっては意味のない数字だろうが、ここは個人の「日記」だ。次の波に襲われたのではその目的に適わなくなるから、今後そういう事態になった場合は、毎日の致死率を記録するのは止める*3。古い感染と新しい感染の影響が混在しては、意味のない数字になってしまうからだ。

 下記はNHKニュースへのリンク。

 

www3.nhk.or.jp

*1:感染者でなく陽性者というべきだ。発表されている陽性者数は真の感染者数ではないからだ。極右政治家なのであまり評価したくはないが、東京都知事小池百合子は一貫して「陽性者」の言葉を使っており、その一点だけは評価できる。

*2:野村克也が言う「勝ちに不思議の勝ちあり」というやつだ。

*3:この場合はピークに達した時の致死率を、私の定義による第2波までの致死率(=武漢由来の第1波と欧州以来の第2波との和)とみなすことにする。なお同様の定義による第1波単独での致死率は3.7%だった。

北九州市などでの集団感染で懸念される新型コロナウイルス感染症の「ぶり返し」/日本国内の致死率が5.26%に上昇(2020/5/28)

 昨夜(5/28)のニュースでは、日本でも韓国でも新型コロナウイルス感染症の第2波が懸念されると報じられていたが、いったん収まりかかったかに見えた感染が、人の移動を解禁したことによってぶり返すことを「第2波」と呼んで良いのかどうか、やや疑問だ。これは単なる「ぶり返し」なのではないのか。それよりも、3月中旬まで見られた武漢由来のウイルス感染症を第1波、安倍政権が欧米からの流入を遮断するのが遅れたせいで3月中旬以降に感染が拡大した欧州由来のウイルス感染症を第2波と呼ぶべきではないか。しつこいようだが繰り返しこのように主張させていただく。

 もっとも、人命への影響が大丈夫と思われれば人の移動の制限を緩めること自体は間違いとはいえないから、今後はゴー・アンド・ストップを繰り返していかざるを得ないのかもしれない。この事情はどの国でも同じだ。新型コロナウイルス感染症についてもっと知見が増えれば、もう少しましな対応をとれるのかもしれないけれど。

 問題は安倍晋三のように格好をつけて「1か月半という短期間でほぼ終息させた」などと言い切ってしまうことだ。この安倍の言葉があまりにも我田引水かつ楽観的に過ぎて、一国のリーダーが自慢げに発するべき言葉ではなかった。北九州市や北海道や東京(小金井市)などに見られる集団感染は、安倍の言葉を早くも否定した形だ。自らの支持率を上げることしか考えていない安倍は、リーダーの器ではない。

 

 今日も、昨日公開した下記記事に対するにっしーさんのコメントを取り上げる。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

にっしー

 

 このエントリにも埋め込まれている井上伸のツイートに、朝日新聞にも載っているアジア各国の新型コロナ致死率のグラフの画像がありますが(朝日新聞のグラフは一部の国がカットされている)、ウイルス対策に成功したといわれる韓国と台湾の致死率に大差があるように見えたり(0.48差)、中国が日本や韓国より致死率が低かったり、巷のイメージとかけ離れた点が多いんです。致死率だと日本の数値が特に高い(悪い)ので(フィリピンの項が削除されている朝日新聞のグラフでは日本が最高(最悪)の数値)、日本の対応を批判したい人達が致死率に飛びついているのだと思います。
https://twitter.com/inoueshin0/status/1265501092131016705?s=20

 

 どうやらにっしーさんは「人口あたりの死亡者数」と「致死率」の区別がついておられないようだ。致死率は、死亡者数を確認された陽性者数で割った数字であって、死亡者数を人口で割った「人口あたりの死亡者数」とは全然違う。井上伸氏のツイートに示されているグラフに「致死率」という言葉が含まれているので紛らわしいが、グラフそのものは人口あたりの死亡者数だ。グラフのタイトルも、よく見ると「死亡者数」と「致死率」を書き分けている。このあたりはやや不親切だとは私も思うが、それでも理解できない方が悪い。また朝日新聞については、グラフにはフィリピンは示されていないが、記事本文にフィリピンとモルディブの人口あたりのCOVID-19の死亡者数(くどいようだが致死率ではない)は日本より悪いことが明記されている。

 中国における新型コロナウイルス感染症の致死率は、前回のコメントでにっしーさん自身がリンクを張った「世に倦む日日」に示されたグラフ及び本文にもある通り5.5%程度で、日本(5.2%程度)や韓国(2.4%程度)より高い。しかし中国は人口が多い国なので、人口あたりの死亡者数は日本や韓国より確かに少ない。また、台湾の人口あたりの死亡者数は、全世界的に見ても屈指の少なさであって(台湾は過去にSARSの直撃を受けた教訓を活かしたとして評価されている)、感染拡大初期の段階で新興宗教団体の集団感染の被害を受けた韓国よりも桁違いに少ないのだが、これに至っては常識の範疇だろう。以上の通り、グラフは間違っていない。嘘だと思うならご自身で日中韓台の人口とCOVID-19の死亡者数から計算してみられよ。そのくらいの手間もかけずにコメントを寄越すな。にっしーさんがコメントに書いた「巷のイメージ」は、実際には「にっしーさんの間違った思い込み」に過ぎない。中国は独裁国家ゆえに人の移動を抑える強制力が強いこともあって、武漢では当初感染隠しをして多くの人を死に至らしめたものの、北京や上海での死者数は極めて少ない。 根拠もなしにコメントを寄越すな。知的不誠実もこれに極まれり、怪しからん投稿態度だ。「日本の対応を批判したい人たちが致死率に飛びついている」とは、妄想に基づく言いがかりだ。しかもにっしーさんは、致死率と人口あたりの死者数の区別すらついていないではないか。この区別がついていない以上、致死率とは単なる「検査の足りてなさの指標」だ、という私の主張の意味するところなど、にっしーさんには全く理解できていないことは明らかだ。

 ここににっしーさんを強く指弾する。コメントをするならもっと真面目に書け。ふざけるな。自分を何様だと思ってるんだ。甘えるもいい加減にしろ。

 まあこんな人たちの支持によって無能な安倍政権が今も延命しているのかもしれないけれど。

 

 昨日の日本国内における新型コロナウイルス感染症の新たに確認された陽性者数は63人、死亡者数は13人で、累計では陽性者数16759人に対して死亡者数882人、致死率は5.26%になった。

 

www3.nhk.or.jp