kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三が統一協会に送った祝電は問題にしなかった産経新聞

産経新聞のウェブサイトが、"千葉法相、「反日集会」に祝電 参院議員として送った" というセンセーショナルな見出しで、下記の記事を載せている。

千葉法相、「反日集会」に祝電 参院議員として送った
2009.11.27 11:48

このニュースのトピックス:国籍法

 千葉景子法相は27日の閣議後会見で、慰安婦への補償や、永住外国人への地方参政権付与を求める市民集会に祝電を送ったことを明らかにした。その上で、法相として集会の内容に賛意を示したことにつながるとの指摘については「参院議員ということで対応した。そういうことは決してない」と述べた。

 また、千葉氏は祝電を送った理由を「まったくこれまでの議員としてのお付き合い。ご無礼がないように儀礼的にお出しをしたもので、それ以上のことはない」と説明した。

 集会は21日に川崎市内で開かれた「川崎・富川(ぷちよん)市民集会」。「過去を変えるな、未来を変えよう!」をテーマに韓国・富川市の市議を招き、民主党の川内義博参院議員も祝電を送った。開催趣意書によると、富川市議会は9月に「日本軍『慰安婦』問題解決を促す決議」を採択。決議には姉妹都市である川崎市への働きかけが盛り込まれている。

反日集会」とはすごい見出しで、あの懐かしい「反日ブログ監視所」も思い出すけど、ま、しょせんはネット右翼の俗語だ。産経新聞には、ブログで平然と河野洋平氏のことを「紅の傭兵」と書いた阿比留瑠比という恥知らずな記者もいるから驚くには値しない。

それよりも、産経新聞が集会に祝電を送った与党議員に対してこのような非難の記事を書いたことで、反射的に思い出したのが、3年前に安倍晋三統一協会系の大会に祝電を送った件だ。当時、安倍は第3次小泉内閣官房長官だった。



この件が世に広く知られるまでには、ちょっと面白い経過をたどった。「2ちゃんねる」への書き込みを、いくつかのブログ*1 *2が取り上げ、超有名ブログである『きっこのブログ*3に取り上げられてネットで広まり、遅れて『しんぶん赤旗*4が取り上げた。

続いて、写真週刊誌『FLASH』が取り上げると、ようやく大手新聞社も重い腰を上げ、2006年6月19日の『FLASH』発売日に、一斉に時事通信共同通信毎日新聞がネットで記事を配信、朝日新聞と読売新聞も翌20日未明に記事を配信したが、産経新聞のサイトには載らなかった

朝日、毎日、読売も紙面に小さく載せただけだし、私の知る限り、朝日新聞大阪本社発行の朝夕刊統合版にはこの記事は載らないという腰の引け方だったのだが、それでも三大紙はネットで配信した。しかし、産経新聞だけはネットで報じなかったのである。

この件については、「いや、産経新聞に記事が出てたぞ」と証言する人が現れ、ネットで騒ぎになったのだが、ネットワーカー有志の検証作業により、結局、大阪本社発行の15版(最終版)にのみ小さく掲載されていたことが判明した。産経新聞東京本社発行の紙面には載らなかったし、大阪本社発行でも、最終版より前の版には載っていなかった。そして、ネットでも配信しなかったのだが、大阪近郊で売られる最終版にのみ小さく掲載していたのである。当時、「産経新聞のアリバイ作りか」などと言われて話題になった*5

かくして、産経新聞は「安倍晋三統一協会系の大会に祝電を送った」件を報じなかったわけではないが、大阪近郊の読者が読む最終版に、申し訳程度に報じた程度だったのである。その産経が、千葉法相が日韓の市民団体共催の大会に祝電を送ったことに対して、「反日」などという見出しを掲げて麗々しく報じる。この差はいったい何なのだろうか。産経新聞は、統一協会が「親日」の組織だとでも言うのだろうか?