プロ野球二部リーグは阪神が広島に完封負けを喫し、中日のリーグ優勝が決まったが、球界を騒がせているのは中日の優勝ではなく横浜ベイスターズの身売り騒動だ。
中日が優勝する年には何かが起きる。1988年の南海、阪急の身売り、2004年のオリックス・近鉄合併とプロ野球選手会のストライキ、そして今年のベイスターズ身売り騒動。これらの年には決まって中日が優勝している。88年と2004年にはパでは西武が優勝していたが(いずれも中日を破って日本シリーズ優勝)、今年はソフトバンクに敗れた。
当ブログでは、6月に不振を極めていた横浜とヤクルトの経営が立ちゆかなくなるだろうと書いたが、その後ヤクルトは成績を持ち直した。しかし横浜は沈みっぱなしで、ここにきて巨人と阪神の自力優勝を消したのが目立ったくらい。そして、阪神の自力優勝を消した日、身売り騒動が明るみに出た。
例によってナベツネが暗躍していて、既に横浜の身売りを「容認」しているという。何様のつもりだ、こいつ、と私が逆上したことはいうまでもない。
そもそも、巨人・阪神・中日の「3強」とヤクルト・広島・横浜の「3弱」の力が違いすぎるセントラルリーグは、明らかに運営に失敗している。13年前はそうではなかった。リーグ創設以来初めてヤクルトと横浜が優勝を争い、石井一久が横浜スタジアムで行われた首位攻防戦でノーヒット・ノーランを記録したのをきっかけにラストスパートをかけたヤクルトが優勝した。そしてその翌年、ついに横浜ベイスターズが38年ぶりのリーグ優勝を遂げたのだった。だが、「混セ」、「乱セ」を嫌ったナベツネは、自らの息のかかった星野仙一を阪神の監督に送り込み、NHKなどとも組んで阪神人気の浮揚に一役買う一方、巨人の巨大戦力を仕立て上げた。親会社が阪急と合併した阪神も、巨人の後を追うように金本、新井らの補強で強くなった。今年阪神が成績を改善したのも、城島の加入に負うところが大きい*1。巨人も負けじとラミレスやグライシンガーをヤクルトから獲り、中日もウッズや谷繁を横浜から獲るなど、「3弱」は「3強」の草刈り場と化した。上位球団と下位球団の戦力の格差が大きくなり過ぎてはリーグは盛り上がらない。そんな状態でヤクルトはよく頑張っていると思うが、CS進出は風前の灯火だ*2。
これでは横浜が身売りに追い込まれるのは当然であり、横浜を身売りに追い込んだのはナベツネである。
横浜スタジアムの使用料が高いとかなんとかナベツネはほざいているようだが、それなら東京ドームをベイスターズに譲って、巨人が新潟に出て行けば良いのではないか。新潟市民や県民にとっては良い迷惑かもしれないが。
もっとも、ベイスターズの親会社・TBSも腐っているから、身売り自体にはやむを得ない側面もある。前の親会社・マルハは90年代に良いチーム作りをしたが、結局球団を手放さざるを得なくなった。だが、それもナベツネが流した害毒のせいだと私は考えている。