kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

阪神V逸の経済損失がどうのとほざく人間がいるようだが

阪神が優勝を逃したが、やはり阪神ナゴヤドームで1勝10敗(今年は巨人ともども2勝10敗)と惨敗して優勝を逃した4年前(2006年)に、下記のような馬鹿なことを言っていた大学教授がいた。

虎V逸の経済損失は400億円−中日優勝の倍以上の経済効果あり(8月16日水曜日、東京スポーツ


阪神の連覇が絶望的になったことで生じる刑事的損失はいくらになるのか。
プロ野球の経済効果に詳しい関西大大学院宮本勝浩教授(数理経済学)は400億円に達すると資産する。「中日が優勝した場合およそ200億円と言われています。阪神なら少なく見積もっても500億円から600億円。倍以上の違いがある。経済の面で言うと、中日より阪神のほうがいいんですが....」
実際に実害もでているようで、昨年は空前の好景気に沸いた地元商店街から聞こえてくるのは悲鳴ばかりだ。尼崎中央商店街のある店主は「タイガースにはもうちょっとしっかりしてもらわないと。昨年は日に日にお客さんの数も増えて優勝セールの時には道からあふれるくらい来たんです。熱気もすごかった。今年は全然盛り上がっていませんよ。中日にあすこまで一方的にやられたんじゃねえ。静かなもんです。」とタメ息をつく。
Vセールの企画に携わる予定だった同商店街も「今年も7月中旬に応援セールをやってそこそこ盛況だったんです。あのころは期待もありましたから。でもこれほど急に負け出すとは...今は優勝セールの準備とかそんな話もなっていない。激励セール?現状では盛り上がりませんよ。ファンの人の期待感もなくなってしまいましたから。ここまで離されて商店街でセールをやっても、逆にシラケてしまうだけですよ。」と恨み節だ。
球団史上初の連覇を信じ、昨年以上の売上を期待していただけにショックは大きいようだ。


これは、1997年から2000年頃にかけて流行した、「巨人が優勝すると景気が良くなる」の阪神版焼き直しであって、今年も同じようなことを言っている輩がいる。97〜00年当時には、ナベツネはもちろん、日経新聞までもが「巨人優勝の経済効果」説を唱えていたものだ。97年のヤクルト、98年の横浜、99年の中日のファンは、このネガキャンに怒っていたことはいうまでもない*1

プロ野球中継は地上波ではほとんど姿を消したが、長嶋監督末期の巨人戦中継は本当に酷くて、「長嶋監督の悲しむ顔は見たくありません!」と連日アナウンサーが絶叫していた。身売りが取り沙汰される横浜が優勝した1998年、巨人は首位横浜、2位中日から大きく引き離されて3位だったが、フジテレビの「プロ野球ニュース」は「3強」と称していた。ある時、巨人がヤクルトに抜かれて4位に落ちると、それが「4強」になり、巨人がヤクルトを抜き返すと「3強」に戻った。ニッポン放送による横浜−巨人戦のラジオ中継で、当時横浜のエースだった川村丈夫を、アナウンサーは「にっくき川村」と呼んだ。巨人優勝の可能性がほぼ絶望になると、まだ横浜と中日の直接対決がたくさん残っていたのに、長嶋一茂は「今年のセ・リーグは終わりました」とほざいた。

こんなことをやっていたからプロ野球、特にセントラルリーグの人気は下がって、「二部リーグ」化してしまったのであって、ベイスターズの身売り騒動も、優勝の年にさえ悪役扱いされる逆風の報道に晒されたことが遠因となった。だから、マルハは球団を手放さざるを得なくなり、腐敗・堕落したTBS*2が親会社では、ベイスターズは強くなりようがなかった。

阪神が優勝していれば経済効果がどうのとほざく人間が後を絶たないうちは、プロ野球、というよりセントラルリーグの復興はないだろう。巨人と阪神は別々のリーグに所属させて、「伝統の一戦」は交流戦だけにしてしまった方が良い。

*1:この俗説は、巨人が優勝した2000年にITバブルが弾けて不況に陥り、日経平均株価が急落して以来誰も言わなくなった。

*2:TBSは、90年代末における長嶋巨人ヒステリー応援放送の一翼を担っていた。当時比較的冷静だったのは意外にも日本テレビで、逆に最悪の巨人応援中継を行ったのはテレビ朝日(系列局製作の中継を除く)とフジテレビだった。TBSは日テレとフジ・テレ朝の中間だった。