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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

第三者機関の付則明示合意、自公維 指定例外「60年」(朝日)

http://www.asahi.com/articles/TKY201311190386.html

三者機関の付則明示合意、自公維 指定例外「60年」


 特定秘密保護法案をめぐり、自民、公明両党は19日、日本維新の会との修正協議を続けた。特定秘密の指定が恣意(しい)的にならないよう第三者によるチェック機関の設置を検討することを付則に盛り込む修正案を提示し、チェック機関の準備室を政府内に設ける考えも示した。維新側は受け入れたが、内容や設置時期は定まっていない。

 今回合意したチェック機関は、与党とみんなの党が18日に合意した「首相の第三者機関的観点からの関与」とは異なり、組織の新設を認める。だが、維新が求める通り独立した組織になるかは不明で、十分なチェック機能が働かない可能性がある。設置時期も明示されない可能性があり、設置前に同法が施行されれば意味をもたない。法律本体にあたる本則ではなく、今後の検討事項などを書き込む付則に盛り込まれる。

 秘密の指定期間については、「30年」を求める維新側に対し、与党側は「原則30年」としていた。与党側は今回、内閣が承認すれば60年まで特定秘密として指定を続けられるとし、60年を超えても指定を延長することができる7種類として、武器、弾薬、航空機などの防衛関連情報▽外国政府との重要な交渉▽情報源や暗号――などを挙げた。

朝日新聞デジタル 2013年11月19日21時38分)


維新の怪の動きは、いかにも「自民党の補完勢力」であるこの政党らしいものであり、全く驚くにあたらない。

維新の怪以外の保守系野党についていえば、まずみんなの党は、昨日(11/19)のぶざまな安倍晋三との妥協が党の内外から批判を浴びているという。渡辺喜美は、橋下徹とは非妥協的だが、安倍晋三には大いに迎合的であり、自ら安倍晋三とのパイプの太さを誇っているというから呆れる。渡辺を批判する連中にしても、橋下とくっつきたがっているありさまだからどうしようもない。

また民主党は、独自の修正案を出して採決には反対するとのことらしいが、いかにもこの政党らしいせこいアリバイづくりというほかない。この党も、(私はそうは思わないが)一部からは「党内リベラル派」と言われているらしい(原発推進派・TPP推進派で、「安愚楽牧場」を宣伝した)海江田万里を中心とする執行部に対して、やはり橋下徹とくっつきたがっている前原誠司らが距離を置いている党内の対立構図がある。同党は昨日から鈴木寛の離党が話題になっているが、参院選の東京選挙区で海江田執行部が当時の現職2人の中から選んだのがこの鈴木寛であったことを考えても、執行部の無能は明らかであろう。

こうして考えると、どうやら "DRYの怪" とやらが先鞭をつけた、前原誠司橋下徹江田憲司を軸として自民党に対抗することを狙う保守第二政党結成(自民党の「極右」に対して、こちらは「過激な新自由主義」をウリにする)の構想が現実味を帯びそうだが、そういった政局の展望はともかく、だいぶ前、それこそ先月あたりから言われていた、明後日11月22日(つまり秘密保護法案反対デモが行われる翌日)の特定秘密保護法衆院採決の流れがほぼ確定したようだ。つまり、自公の与党に加えて維新の怪とみんなの党の賛成による衆院通過である。

2006年の改正教育基本法は、12月15日の金曜日(だったと思う)に成立したが、第1次安倍内閣発足の直前に立花隆が月刊『現代』で発した安倍晋三への「宣戦布告」に始まり、同年夏の朝日や読売の世論調査で数パーセントしかなかった同法改定反対論が、賛成論に拮抗するところまで行った。当時野党第一党民主党は、小沢一郎が代表であり、「自民党案よりひどい」と酷評された同党独自の教育基本法改定案を提出するというお粗末さだったが、そんな民主党のていたらくにもかかわらず、反対論は大いに盛り上がった。

今回は、最初から朝日や毎日の世論調査で秘密保護法案への反対論が賛成論を上回っていたにもかかわらず、盛り上がらなかった。11月21日のデモに私も誘われたが、仕事の都合で行けそうにもない。それはともかく、予想された今月下旬の採決に合わせて反対運動を盛り上げるなら、せめて11月2日から4日までの3連休(日本国憲法の公布を祝う「文化の日」を含む)にデモを起こすべきであった。それはもう1か月以上前から言われていたことだったが、その頃「秘密保護法案反対」をウリにしていたはずの山本太郎が起こしたのが「天皇お手紙事件」であって、この愚行を天まで届かんばかりに持ち上げた田中龍作などの愚か者も現れた。秘密保護法案への反対論者がこんな人たちに期待をかけざるを得なかった時点で、既に勝負あったといえよう。

当ダイアリーにも、「もともと秘密保護法案を準備していた民主党が反対するのか。それなら俺は法案に賛成してやっても良い」とかいう趣旨の自棄気味のコメントが寄せられたが、こうした民衆の反応に、安倍晋三はさぞかし満足であろう。