kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

弊ブログにいただいたコメント「いきなり政権交代はせずに、自民党と公明党を合わせて過半数割れに追い込み、野党に妥協さざるを得ない状況を作った上で、当面は比較第一党の自民党に後始末をさせるのが最善ではないかと思っています。」に対する返答

 今日は、いただいたコメントに対する返答をします。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 雷のクレア

私も野党支持者として、政権交代としてほしいのですが、その一方不安があります。

それは与党に逆転した野党が、今までの自民党政権(特に第2次安倍政権以降)の負の遺産を押し付けられることです。
下野した自民党が、マスコミや官僚や財界などと結託して責任転嫁し、新政権に対し、卑劣な攻撃することは目に見えていますね。
実際に2009年の旧民主党政権時代、それが行なわれ、民主党は分裂した挙げ句、短期間で崩壊しました。

いきなり政権交代はせずに、自民党公明党を合わせて過半数割れに追い込み、野党に妥協さざるを得ない状況を作った上で、当面は比較第一党の自民党に後始末をさせるのが最善ではないかと思っています。

無論新政権で下野した自民党を解党させるほどの徹底的な洗浄が理想ですが、残念ながら日本人はマスコミの情報に流されやすく、過去と同じく新政権を見限り、自民党を復活させてしまう恐れがあるので、政権交代に後ろ向きな気持ちが芽生えてしまいます。

kojitakenさんはどのような見解をお持ちか、教えてほしいです。

 

 コメントどうもありがとうございます。

 ご質問に対する答えですが、まず次の衆院選政権交代を目指さなければお話になりません。私の立場がこれに尽きます。これまでも、「5年後の政権交代を目指す。ホップ、ステップ」(これまでの記事では「ジャンプ」を続けて書いてきましたが、発言の主は「ジャンプ」とは言わなかったようです)と言った立民の泉健太代表を批判してきたわけですから、そうでなければ主張が一貫しません。

 自民党に引き続き政権を担当させたら、これまでに彼らがなした悪事の隠蔽に走るのを許すだけですから、彼らを政権に止まらせてはなりません。彼らが「後始末」をしてくれると期待するのは、権力(者)の本性を甘く見過ぎていると思います。人間誰しもエゴイズムで動きますから、こちらの都合の良いようには決して動いてくれません。ましてや彼らは権力を持っているのですから、その権力を悪用してくると考えなければなりません。

 従って、野党第一党である立民が目指すべきは、あくまで政権交代です。

 2009年の政権交代が頓挫したのは、自民党のせいというより民主党内の権力闘争のせいでしょう。民主党政権時代には2つの大きな出来事があって、最初は2010年春の鳩山由紀夫の政権投げ出しに伴う政局で、二度目は翌2011年春の東日本大震災と東電原発事故後の菅直人小沢一郎との政争でした。

 私は最初の2010年の政局は菅と小沢とが同罪、2011年の権力抗争は小沢と鳩山がどうしようもなく極悪だったと考えています。

 2010年春は、鳩山の投げ出し劇自体ではむしろ反鳩山側として動いた形跡があった小沢*1が、菅直人政権でも引き続き幹事長をやらせてほしいと菅に申し入れたものの菅が断ったために小沢が鳩山側について党内抗争の構図が固まったと考えています。本来民主党政権は、菅と小沢という体質的に合わない二人が鼻を摘み合いながら協力しなければ機能しない性質を持っていましたが、その二人が正面衝突した時点で民主党政権が長続きしないことを予感させました。

 しかも2010年6月の民主党代表選が最悪でした。菅の応援団は前原誠司野田佳彦という、2005年の前原代表時代に大失敗をやらかした右派新自由主義系の政治家が中心となり、一方の小沢は口では「社民党にも理解される人を」と言いながら、実際に担ぎ出したのは「頑張った人が報われる社会を」をスローガンとする過激な新自由主義者である樽床伸二でした。これは菅・小沢双方の大罪でした。

 2011年5月の菅内閣不信任案提出劇は、2010年の政局以上に大問題で、何しろ東日本大震災と東電原発事故そっちのけで、小沢と鳩山が自公を焚き付けていました。民主党政権に対する現在も続くネガティブな印象に一番影響したのは、この時の権力闘争でしょう。2010年の政局を、菅、小沢がそれぞれマイナス5ポイント、政権を投げ出した鳩山がマイナス3ポイントだったとするなら、2011年の党内構想では小沢と鳩山がそれぞれマイナス10ポイントずつだったといったところでしょうか。トータルでは菅がマイナス5ポイント、鳩山がマイナス13ポイント、小沢がマイナス15ポイントで、小沢にはそのあと2012年の党分裂のマイナス10ポイントも加えてマイナス25ポイント相当だと思います。つまり民主党政権失敗の主な原因は自民党よりもむしろ当時の民主党トロイカと呼ばれた3人の政治家、その中でも特に小沢一郎にあったというのが私の見解です。もちろん鳩山にも菅にも相応の責任がありました。

 とにかく自民党から政権を奪わなければお話になりません。泉健太にはたいして期待できないと私は思いますが、立民支持層が彼を支えているのですから仕方ありません。泉は調整型の指導者とのことで、その割には政治や社会の流れが全然読めない人みたいだから困ったものだなあとはいつも思っています。しかし、今回の補選もそうですが、まず勝たないことにはお話になりません。負けからは何も生まれてきません。2009年の政権交代は「勝ったけどそのあとがダメだった」例ですが、勝たなければそのあともへったくれもないわけです。

 以下は付録。三春充希氏のXより。まず三春氏が反応したXから。

 

 

 

 

 「目の前の現実を変えるためにこそ人は頭を働かせます」という部分に特に注目したが、知識よりも経験、そして現実を変えるための協力が必要、というのがそれ以上のポイントなのだろう。泉健太の場合、その協力の相手として民民や維新や(都)ファあたりしか考えそうにないから困ったものだが、それでも自民党が崩れつつある状態の現在だから、泉に対してもプレッシャーをかけつつ前進して行くほかはない。

*1:当時、鳩山が「小沢さんに政局にされてしまう」と言っていたことが報じられたという記憶があります。