kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

飯田泰之が「再分配も重視する」経済学者であるという「ソース」

飯田泰之、韓国人差別発言を長嶋一茂にたしなめられる(追記あり) - kojitakenの日記 にご質問のコメントをいただいたので回答する。

id:kuborie 2014/11/15 12:09
はじめまして。「再分配も重視する」というソースがあれば教えてくださいませ(リフレ派はそうはあんまり感じられないので……)。


たとえば飯田泰之雨宮処凛の対談本はいかがかと。


脱貧困の経済学 (ちくま文庫)

脱貧困の経済学 (ちくま文庫)


私は2009年に出た単行本を買って読みましたが、2012年に上記のちくま文庫に入っています。

http://www.amazon.co.jp/%E8%84%B1%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E3%81%BE%E3%81%A0%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B-%E9%A3%AF%E7%94%B0-%E6%B3%B0%E4%B9%8B/dp/4426104610(単行本)のカスタマーレビューより

「経済成長+適正な所得再分配」で貧困は解消できる
投稿者 徳保隆夫 投稿日 2009/8/25

経済学者の飯田泰之さんと反貧困運動家の雨宮処凛さんの対談本です。内容の6割強が飯田さんの発言とコラムからなり、実質的には「経済成長と適正な所得再分配により貧困は解消可能」という飯田さんの主張を強く訴える編集となっています。

飯田さんは雨宮さんの主張とその背景にある体験・イメージ・価値判断を傾聴した上で、ひとつひとつのトピックについて経済学の知見から雨宮さんの提言が実現した場合の費用と便益を提示していきます。すると、雨宮さんの価値基準に照らしても、飯田さんの示す別解の方が良案に見えてくるという仕掛け。

(後略)


この本は結構面白かったです。

他には下記の本もこの夏に買って読みましたが、途中で退屈してしまって読むのを中断したあと、つい最近思い立って読み終えました。あまりおすすめしませんが挙げておきます。こちらは2010年に角川書店の新書で出たものを今年(2014年)に単行本としてリニューアルしたもの。



下記はこの本を取り上げたブログ記事。

【書籍紹介】図解ゼロからわかる経済政策【正しい羅針盤】 | 独立直観 BJ24649のブログ(2014年8月3日)より

 (前略)
 出版社の紹介文を見ると、「3つの柱」という言葉が出てくる。
 経済学の門外漢であれば、アベノミクス3本の矢を思い浮かべるだろう。
 すなわち、(1)金融政策、(2)財政政策、(3)成長政策である。
 しかし、アベノミクスとは切り口が少し違うのだ。
 「3つの柱」とは、(一)成長政策、(二)安定化政策、(三)再分配政策である。
 これは経済政策の効果に着目した一般的な分類法とのことだ(4ページ)。
 金融政策と財政政策はどこに行った、という気がするが、これらは安定化政策に含まれる。
 つまり、アベノミクス3本の矢は、再分配政策には言及していない*1のだ。
 (後略)


なぜこの本に退屈したかというと、「仏作って魂入れず」みたいな感想を持ったからです。雨宮処凛との共著がそれなりに読ませたのは、雨宮さんの貢献が大きかったのではないかと思った次第。

*1:たとえばジョセフ・スティグリッツは、2013年6月15日付朝日新聞オピニオン面掲載のインタビューでこの点を批判しているのだが、現在の日本でこの問題が論じられることはほとんどない=引用者註