『混沌の時代の自由討論会』ブログに下記記事が公開されました。
執筆者はlavenderkunさんです。
free-discussion-in-time-of-chaos.hatenadiary.com
以下に上記リンク記事の記事へのコメントを書きます(かなりの長文です)。
上記記事中に、
〇報道が実際の投票結果にどのような偏り(アナウンスメント効果)をもたらしたかを学術機関が検証する仕組みを公的に整えます
とありますが、1970年代に政治に関心を持つようになってはや半世紀になる私の記憶としては、1970年代から1983年12月に中曽根康弘が解散した衆院選の頃までは、不利と報じられた側が好成績を出す「アンダードッグ効果」が多く見られ、自民党が自党に有利な情勢報道が出ることをずいぶん嫌っていたという記憶があります。例外は選挙戦中に首相の大平正芳が急死した1980年の衆参同日選挙で、この時には有利な情勢報道が出た側が、その情勢調査以上に大勝する「バンドワゴン効果」が出ました。
流れが変わったのは1980年代の半ば頃からで、やはり衆参同日選挙となった1986年に自民党が「バンドワゴン効果」で1980年を上回る圧勝をしたあとは、1998年に有利と見られた自民党が選挙戦中の首相・橋本龍太郎が言を左右させた「ブレ」から予想外の惨敗を喫した参院選くらいのものです。その他は「バンドワゴン効果」が出る方が圧倒的に多く、今回の衆院選はその極端な例でした。しかもその「バンドワゴン効果」をさらに増幅する小選挙区制を中心にした選挙制度に改悪していたことが決定的な原因となって、今回のような極端な結果になりました。
これは、かつては1945年の敗戦に至る世論の流れから、極端な議席配分にならないようにバランスをとろうとする有権者が多かったのに対し、現在は「勝ち馬に乗ろう」「バスに乗り遅れるな」式の思考をする有権者が増えたことを反映しているのだろうと考えます。
有権者のあり方が健全だったのは1985年頃までの日本社会であって、現在はどんどん不健全なあり方になってきていると思います。これには戦争への反省が薄れてきたとともに、新自由主義的な思考が有権者の間に浸透していった結果だといえると思います。また教育で「権力に従順な子どもを育てる」ようになったことも大きいでしょう。それが国会議員の言葉として表に出てきたのが自民党参院議員・今井絵理子の「批判なき政治」でしょう。
教育がそうなったことの原因の一つは、第1次安倍内閣時代の2006年に「改正」された「改正教育基本法」だと思いますが、これを政局的な観点のみから「安倍晋三の失着」だったと評したのは「喜八」と名乗る「政権交代ブロガー」でしたが、あまりにも浅はかな意見でした。この「喜八」は最近も高市を「知性と品性を兼ね備えた」人だなどと評して赤っ恥をかきました。いやこんな蛇足はやめておきますか。
こういう現状では、報道機関による国政選挙の公示後の情勢調査報道は止めた方が良いかもしれませんが、報道機関によるものではない調査まではたぶん制限できないでしょうし、下手にやると表現の自由との兼ね合いで問題が出てくるようにも考えます。それに今回の衆院選の結果は勝者である自民党に大きな利益をもたらしましたから、それを制限しようという動きはまず起きないと思います。
それよりも、世論が一つの方向に行くことの危険性をいかに世にアピールするかが求められると思いますが、現状だとまたぞろ高市政権の悪政が日本の政治や経済や社会に大きなダメージを与えたあとにどうなるかということを考えなければならない段階に達してしまったのではないかと思います。