kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

毎日新聞の都議選選挙区別情勢調査に見る武蔵野・三鷹両市と東京東部の隔絶/公明党に翳りが見える理由/「都民ファ□ストの会善戦」の脅威/山本太郎組の没落など

 3日前の6月28日に毎日新聞の都議選予想が発表されたが、これはネットの立憲民主党支持層からずいぶん悪評を買っていたようだ。

 

mainichi.jp

 

 毎日の予想獲得議席は、都ファ5〜22(現有議席45)、自民43〜55(同25)、公明14〜23(同23)、共産13〜22(同18)、立民12〜21(同8)、維新0〜2(同1)、ネット1〜3(同1)、民民0(同0)、山本組0(同0)、古い党0(同0)となっている。

 これらのうち、立民・ネット・民民・山本組は「民主・民進系」、都ファ、維新、古い党は「第3極」と見てよいだろう。

 確かにこの予想によれば民主・民進系は民民や山本組といった傍系も含めて勢いがあまりないが、私がもっとも驚かされたのは公明党の下限が14議席とされていることだ。これまで23議席獲得をずっと続けてきた公明党だが、いつまでも自民党にくっついていることに嫌気がさしてきた支持者が増えて、徐々に足腰が弱っているのかもしれない。

 そして最大の不確定要素はいったいどのくらい都ファ議席を減らすのかということだ。現在、麻生太郎舛添要一らの相次ぐ失言によって、小池百合子都ファがやや勢いを盛り返していると見られるが、都ファの挽回は自民よりも立民や共産、特に立民にダメージを与えるというのが私の持論であることは、これまでに度々書いてきた。

 ありがたいことに、三春充希氏が前記毎日の調査の選挙区別情勢記事を連続してツイートしてくれている。

 私は東京東部に住んでいるので、旧民主・民進系が山本組を含めて全然浸透していない*1一方、公明党共産党が深く地元に浸透していることを肌感覚で知っているが、三春氏のツイートを見ると、たとえば武蔵野市三鷹市は、東京東部とは別世界のようだ。

 

 

 

 一方、東京東部では没落しつつも今なおかなりの得票力を持つ都ファが脅威になっている。たとえば、かつて小池の腹心だった上田令子(その後小池と袂を分かった)がいる江戸川区は、第3極の牙城のようになっている。

 

 

 都ファと分派の上田をあわせた2人が定数5の選挙区で議席を得ようとしているのだ。

 また、都ファへの同情票が増えれば立民の候補が落選する可能性が高まる区の典型例が江東区だ。

 

 

 墨田区では、共産の候補が都ファの脅威にさらされている。もっともこの区はこの情勢調査によると自自公が3議席全部を占めてしまいかねない。

 

 

 共産 vs. 都ファの対決構図がより明確な選挙区としては、都心の文京区を挙げた方が良いかもしれない。

 

 

 東京西部の世田谷と杉並の情勢は下記。

 

 

 

 東京東部には見向きもしない山本組*2が世田谷区と杉並区に候補を出している。このあたりの同組の体質がよく表れていると思うが、ともに当選には届きそうもない。

 この記事では山本組を立民・民民・ネットとともに「民主・民進系」に数え入れている。山本太郎小沢一郎系だった出自からみてもそう分類するしかないと思うが、このところの同組は民主系というよりは「第3極」に近いような動きを見せていた。しかしその一方で一時期共産党にもすり寄るなど、ずいぶん迷走が目立っていた。つまり何がやりたいのかわからない*3政党(いや「組」か)になっていた。その結果、組勢を大きく落として現在に至るといったところだろうか。

 私はいい加減年寄りなので「困っていること」はいろいろあるが、「本当に困っている人」の範疇には入らない。

 現在のコロナ禍は「本当に困っている人」たちを特に苦しめている。そしてその苛政を行っているのが自公の与党だ。東京都議選は国政選挙ではなく地方選だが、公明党にこれまでになく勢いがないのは、安倍晋三から菅義偉に代わっても酷い苛政を続けている自民党公明党がコバンザメのようにくっついていることが大きな要因として挙げられるだろう。

 しかし、そんな自民党政府への批判に対する緩衝材になっているのが、関西では大阪維新の会であり、東京では都民ファ□ストの会であるとの認識がもっと広く共有されるべきだ。

 ことに民主・民進系は、長年新自由主義的な傾向が強かったこともあって、都ファとの差別化がそれほど明確でない場合が多い。選挙戦は残り少ないが、都ファとの差別化を強く有権者に印象づけられるかどうかが結果に影響する。

 支持者たちの方も都ファに甘い顔をし続けるのはいい加減止めた方が良い。維新の現状を見れば明らかな通り、第3極は長期的には害毒にしかならないのだから。

*1:但し、2019年参院選の時は、そんな東京東部であっても山本組がずいぶん注目されていた。喫茶店で隣に座っていた人がノートパソコンで同組の街宣の動画に熱心に見入っている人や、選挙のポスターが張られた掲示板を見ながら山本太郎の名前を口にしていた人がいた(山本は比例区から立候補したので、山本のポスターなど掲示されていなかったにもかかわらず)。しかしそんな空気は今では雲散霧消してしまった。

*2:山本太郎は一時期江東区に住んでいたにもかかわらず!

*3:現在の同組の消費税減税一本足打法は支持を集めるための方便に過ぎないと私は思っている。かつては「脱原発」の一本足打法だったが、山本太郎が一時期民電力労組系の議員に甘い顔をするなどの変節ぶりを見せていた。