kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「気に食わない選挙の情勢結果を拡散するな」と圧力をかける態度こそ「限界化」そのものだ

 毎日新聞と社会調査研究センターの世論調査は、今回の都議選でことに立憲民主党支持層からの怨嗟の的になっていて、彼らは「JX通信社の調査しか信用できない」とほざいているのだが、自分たちにとって都合の良い情報しか見ようとしない悪しき傾向だと思う。

 そもそも、ちょっと勢いに乗ると暴走するというのは、少し前には彼らが忌み嫌う(私も大いに嫌っているけれど)山本太郎の支持者や「信者」たちに顕著に見られた傾向だ。それがエスカレートして、彼らが(私がふだん意識して用いないようにしている嫌いな言葉だけれど)「限界化」してしまったあげくに、山本党、元号政党、山本組などと私も嫌味な呼称をずいぶんしてきたけれども、弊ブログが禁句にしている現元号を冠したあの政党の党勢はずいぶん落ちてしまった。現在の一部立民支持者たちは、少し前の山本組支持者や「信者」たちと同じ道をたどっているのではないか。

 現在彼らの教祖格的な存在になってしまった某軍師氏など、三春充希氏が「毎日新聞のきちんとした調査とはいえない情勢報道をそのまま流すな」とおかんむりだが、私の見るところ三春氏には確固としたポリシーがあって、本当にデータとして取り込むに当たらないと判断したFNNと産経の「世論調査」は計算から除外している。毎日と社会調査研究センターの世論調査について、三春氏自身もこれが信頼度が高いとは考えていないと推察するが、紙面に報じられている情報を整理した形で(つまり記事を生のままではなく加工した形で)発信したのは大いに意義あることだと私は評価している。というのは、私はずっと都議選の各選挙区の情勢調査に接することができなかったことに不満を持っていたからである。

 某軍師氏は本来共産党支持者(党員との説もある)のはずだが、実際、「毎日が創価学会を引き締めようとしている」などとする陰謀論のツイートまで発信していた。ここまでくると、彼自身が「限界化」しつつあるのではないかとの、一度micha_soso氏がツイートで指摘していた傾向が確かにあるなよなあ、と思った。軍師氏は感情的になって理性を失ったツイートをしたようにしか私には見えなかった。半世紀以上前から毎日新聞公明党創価学会と癒着してきた事実は確かにあるが、それが毎日新聞と社会調査研究センターがコロナ禍の制約下で模索している世論調査にまで反映しているとは、私は全く思わない。

 思い返せば、2017年の民進党代表選での前原誠司枝野幸男との争いでは、当時小沢一郎に対して大いに融和的だった軍師氏は「前原でも枝野でも変わらない」みたいな言い方をしていた。私はそれに対して、「前原と枝野では大違いだ。前原が勝てば小池とくっついて民進党の解体に至るし、枝野が勝てば党内右派が出て行く形で民進党が分裂する」と弊ブログに書いた。某軍師氏は前原が勝ったあと小池と野合した段階になって初めて前原を非難したが、前原の正体に今頃気づいたかと呆れた。軍師氏は自らの見る目のなさを露呈したに過ぎなかったのだ。人間誰しも「限界化」しがちな傾向を持っている。気に食わない人たちに「限界」のレッテルを貼る行き方を、私は全く好まない。

 毎日と社会調査研究センターの世論調査についていえば、信頼性が高いとは間違ってもいえないという大きな欠点は確かにある。しかし、いつだったかJX通信社の米重克洋氏が、「JX通信社と毎日と社会調査研究センターの世論調査には、アーリーアダプターの動向を敏感に反映する傾向がある」という意味の発信をしていた印象が強く残っている。一例を挙げると、4月25日投開票の参議院選挙広島選挙区の再選挙で、毎日と社会調査研究センターはいち早く「野党候補が自民候補をリード」しているとの世論調査結果を出し、それに対して通信社や朝日・読売などは両候補の接戦を報じていた。当時ネットでは「毎日の世論調査はあてにならないからなあ」などと言っていたし、私も同感であってそのことをブログに書いたりもしたかと思うが、結局開票してみれば一番当たっていたのは、その毎日と社会調査研究センターの世論調査だった。野党候補は自民党候補にかなりの差をつけて当選したのだった。おそらく毎日の調査の時点では、アーリーアダプターの動きを拡大して反映した調査結果に過ぎなかったのが、その流が変わらずにマジョリティーが引っ張られたために、あのような選挙結果になったのだろう。

 以上のような短所と長所がある世論調査について、自分たちの意に沿わないからと言って頭ごなしに否定したり、その調査を紹介した三春氏の労作である一連のツイートを非難するのはどんなものだろうか。

 その某軍師氏のリツイートで、下記のツイートを知った。この人は、いつだったか「次の衆院選立憲民主党は腹八分目の議席を得るのが良い(次の次の衆院選与野党逆転すれば良い)」という意味のツイートを発信して、その是非をめぐってツイートで論戦になった人だと記憶するが、今回は三春氏を「三春」と呼び捨てにする乱暴なツイートを発信していた。

 

 

 上記ツイートのリンク先は現在削除されたらしくて読めないが、定数8の世田谷区の情勢調査報道で9番目にされた立民2人目の新人(立民1人目は現職らしい)のツイートのようだ。

 これに対して、一昨年の参院選朝日新聞の情勢調査で劣勢が予想されたもののそれを覆して当選した立民の塩村文夏参院議員がレスをつけた。

 

 

 「三春」と居丈高に呼び捨てにしたツイート主は、塩村議員には一転して平身低頭だ。以下応答を引用する。

 

 

 

 

 塩村候補(当時)は劣勢報道を受けて、茫然自失に陥ることなく冷静に分析を行い、方向転換をした。それと、朝日の報道を見て「戦略的投票」をした有権者が少なくなかっただろうこととが相俟って当選したのだった。ちなみに私は、維新公認で立候補した音喜多駿を落選させるために、もう一人の立民候補に「鼻をつまんで」(というのは、ポスターに東大卒で元朝日新聞記者などと大々的にうたっていた印象は決して良くなかったので)投票したが、彼の方が塩村候補に逆転されて落選し、音喜多の当選を許すという痛恨の結果になった。この時落選した候補*1は次の衆院選に出馬するはずだが、私の住む選挙区からではない。

 その塩村議員とあまりにも対照的なのが、「三春」と居丈高に発信しながら、塩村議員になだめられて「戦略的投票への期待は大きいですね」などと呟いてしまったツイート主だ。何やってんだか。

 ちなみに私は都ファを維新と同格の「議会から排除すべき第三極」とみなしている。前述の某軍師氏をはじめとして、維新には厳しいのに都ファには異様に甘い人たちが多い理由が、私には全く理解できない。そのため、自分が住む選挙区で維新候補の再選は絶対に許したくないと思っている。しかし、それにも関わらず今回の都議選で「戦略的投票」と称して共産候補に予定している投票先を、それより下位に予想されている立民候補に切り替えるつもりはない。両候補の訴えを比較すると、共産候補の方が断然すぐれていると考えるからだ。しかし、戦略的投票をする人がいたってかまわない。各自が自らが最善と信じる投票を行えば良い。

 そして投票先を決定するための情報は多ければ多いほど良い。それに対し、自分たちが気に食わない調査結果を拡散するな、などと圧力をかけるのは、独裁志向の強権的な姿勢だというほかない。いわゆる「限界化」そのものだ。

*1:確か朝日の情勢報道に対する恨み節をツイートで発信していたと記憶する。