kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

福井県知事選にみる参政党の脅威/三重県津市議選で共産を離党した中野裕子市議がトップで再選、維新から参政に転じた現職が2位で再選

 衆院選公示日の朝だが、一昨日(1/25)に投開票が行われた、東海地方の2つの地方選挙について書く。福井県知事選と三重県の津市議選である。

 確か福井県はそのお隣の京都府北部のお住まいだったと記憶するlavenderkunさんから(間違っていたらすみません)、下記コメントをいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 lavenderkun

おそらく悪い意味で参考になると思いますが、日曜に行われた福井県知事選挙で、高市自民、維新、民民、立民、公明が推した山田賢一(67)が、地元の自民市議や参政党の推す石田嵩人(35)に4300票あまりで敗れたとのこと

石田は史上最年少知事とのことです
前門の虎、後門の狼
国破れて参政あり、みたいな惨たらしい衆院選になりそうな気がしてなりません

 

 この福井県知事選はうかつにも投開票日の日曜日までノーマークで、開票速報を追っていたレバ子さんのXを見てその深刻さに唖然としたのでした。

 特に下記Xに貼られた出口調査の支持政党別投票先のグラフは衝撃的でした。

 

 

 もとのグラフは下記中日新聞記事(有料)に貼られていました。グラフは無料部分で閲覧できるので下記にスクリーンショットを再掲する。

 

www.chunichi.co.jp

 

URL: https://www.chunichi.co.jp/article_photo/list?article_id=1198846&pid=6772645

 

 この知事選は、2021年に憎むべき裏金政治家にして自民党清和会の重鎮である西村康稔が後押しして斎藤元彦を誕生させた兵庫県知事選にも似た自民党分裂選挙として始まった。兵庫県知事選の場合は自民党の一部が維新と野合したが、今回の福井県知事選では参政党と野合した。当選した造反系の候補が官僚上がりだった点は共通しているが、今回なんといっても衝撃的なのは参政党系候補が立民支持層の43%にも達していたことだ。これまでも民民や山本元号新選組の支持層に同様の傾向が見られたが(特に新選組支持層は毎回ひどい)、それがついに立民支持層にまで及んだ。

 知事選のあらましについては下記レバ子さんの下記ブログ記事に教えられるところが多い。

 

laborkounion.hatenablog.jp

 

 以下に引用する。

 

 前橋市長選、福井県知事選挙と相次ぐ地方選において、一定の存在感を示した組織があります。福井県知事選挙は、相次ぐ保守分裂と前知事のハラスメント問題で県民の投票意欲も減退。さらに県議会自民党は現職の越前市長を擁立しました。去年の10月に再選を決めて12月に県知事選挙に出馬するために辞職。自民党公明党立憲民主党、国民民主党の県連組織は前越前市長を推薦を行い、多くの団体それには連合福井も加わっていました。ただ一部自民党内から異論が出て、福井市議会の自民党保守系会派から異論が飛び対抗馬を擁立しました。ハラスメントで辞職した知事も多選現職と県内特に自民党県連を二分した選挙を行っています。ただほとんどの福井県の国政政党は立場を明確にしています。日本共産党も対抗馬を擁立し、ほとんど政党が動くなか、態度を明確にしない勢力もありました。福井県議会で議席を持つ参政党です。福井市議会で擁立した外務省職員は国民民主党の党員から知事選に出るにあたり、自民党員にスイッチ。まさしく現在の移ろいやすい世相を表しています。

 

 急に外務省職員候補が移民反対という県政にほとんど関係のないことを言い始めたのは、大体1週間前でした。風向きがガラリと変わったのは、その1週間です。越前市を中心に、郡部で票を固めていた前越前市長に猛追する形で、ジェネリック参政党候補が追い上げている情勢はよく理解できました。私も雪国出身者として、言ってはおきますが、雪国の人間は雪を理由に投票に行かない事はありません。既存政党に対する白けた空気が蔓延した中での低投票率でした。その中でも「反既成政党」の響きは何となく、一度まかしてみようかという危険なものに変わります。ジェネリック参政党候補も自民党福井市議の応援を受けているので、既成勢力の枠組みでしたが、一気に舵を切った印象があります。前越前市長は大票田である地盤の越前市で10000票つけることに成功しましたが、郡部で大きな差が開かずむしろ坂井市、何よりも福井市という越前市を超える大票田のリードはそれを上回ってしまいました。思わぬ大逆転です。

 

 前越前市長の陣営には、福井自民党立憲民主党福井県連の国会議員が続々と選挙事務所に集まり、テレビの開票を見守っていましたが、これが今回の知事選を象徴する場面となりました。参政党は独自候補というより生え抜き候補を全国に擁立できるほどの力はありませんが、接戦に大きな影響力を発揮できるワイルドカードのようなポジションです。高市早苗を支持する人は参政党へという掛け声は、前回と同じ自民党を右から侵蝕しようとする試みです。米国共和党、英国保守党がそれで路線を右に切り、極右勢力に党を乗っ取られて、さらにその地盤を食い潰されていますが、日本の自民党も同じルートを一歩も踏み外さず歩んでいます。自民党を食い散らかした次に、次は立憲民主党の地盤を土台から食い尽くすのですよ。その二の舞を踏んではいけないのです。だからこそ、こうした形で立憲民主党衆院選から撤退しましたが、今でこそ地方に根を張って県連組織の地域政党化を推し進め、その緩やかな連合体の国政版として、民主党という中央政党にしていけばいいと考えています。このような構想を持つ人は旧民主党時代にはそれが労組にしろ、市民団体にしろ一定数いたはずですが、結局新進党の多少の修正版になってしまっています。私が立憲民主党、国民民主党もですが中央にいけば行くほど権威主義的になると声高に言うのはそう言う部分です。2大政党制という考えは捨てて、地域政党の人民戦線を構築する必要があります。そうでないと参政党がワイルドカードから、リーグチャンピオンになり、シリーズに出場しかねないほど大きくなり得ます。彼らが草の根を得意としているのだから、こちらもお返しとばかりに草の根運動で組織化の実践を。その中で労組や市民団体は大きな援助ができます。

 

URL: https://laborkounion.hatenablog.jp/entry/2026/01/26/110125

 

 当選した石田嵩人という「史上最年少知事」(35歳)は参政党員ではなく無所属の自民党友で、その前は国民民主党(民民)の党員だったらしい。その石田が選挙戦中に突然「移民反対」を言い出したり、日本は「単一民族」だという妄言を口にしたあたりから戦局が急変し、まさかの逆転勝利になったようだ。そんなトンデモ候補に立民支持層の43%がなびいた。立民支持層ももはや山本元号新選組の支持層を嗤えなくなった。

 上記記事の終わりの方に「立憲民主党衆院選から撤退しました」という文章があるが、なかなか皮肉が効いていてとても良い。確かに中道改革連合(中改連)は立民とは別の党だ。衆院選候補たちは全員立民を離党した。しかし、江東区でも高野勇斗区議は相変わらず「立憲民主党」の幟を立てて区内を駆け巡っている。地方議会や参議院では今も立民が存在するのだから当然だ。

 参政党が地域に根を張っているというのはその通り。

 その一例が福井県知事選と同じ日に行われた三重県の津市議選の結果だと思った(これには少し思い違いがあったが、それについては後述する)。この地方選挙の結果は、自民、立民、民民、共産、社民、新選組、維新といった「既成政党」の揃いも揃った不振をよく表しているので、是非ともブログ記事で紹介したいと思った。

 再び中日新聞の記事をリンクするが、こちらは無料だ。津市議選の候補者の得票数と当落の結果が載っている。

 

www.chunichi.co.jp

 

 以下引用する。

 

津市議選 新議員30人決まる

2026年1月26日 00時16分 (1月26日 03時56分更新)

 

 三重県津市議選は25日投開票され、新議員30人が決まった。当選者は 現職24人、元職2人、新人4人。党派別は、自民3人、立民2人、国民1人 、公明3人、共産1人、参政1人 、諸派1人、無所属18人。投票率は43.68%。

 

開票率 100%

当   4134 中野 裕子   30 無 現 <2>

当   3428 佐藤 知子   55 参 現 <2>

当   3334 田矢 修介   54 無 現 <6>

当   3272 山路 小百合  56 無 現 <3>

当   3247 保田 勝平   36 無 現 <2>

当   3141 吉田 博康   46 無 現 <3>

当   3070 安積 むつみ  63 公 現 <3>

当   2895 堀口 順也   57 公 現 <4>

当   2848 小島 晴美   58 公 現 <2>

当   2813 奥野 栄作   63 自 新 <1>

当   2673 佐藤 有毅   58 無 現 <4>

当   2653 石川 禎紀   54 無 現 <2>

当   2536 小野 欽市   71 自 現 <5>

当   2453 岩脇 圭一   47 立 現 <5>

当   2428 村主 英明   66 無 元 <3>

当   2414 藤田 定彦   58 無 現 <2>

当   2403 福田 慶一   62 無 現 <5>

当   2371 八太 正年   83 自 現 <6>

当   2343 伊藤 哲也   57 国 現 <2>

当   2284 松田 隼    41 無 新 <1>

当   2260 長谷川 植   66 諸 現 <2>

当   2238 吉川 一正   46 無 現 <2>

当   2192 青木 秀晃   58 無 現 <2>

当   2021 小林 貴虎   52 無 元 <4>

当   2017 石川 正浩   64 無 新 <1>

当   1991 柏木 はるみ  76 立 現 <2>

当   1984 田中 勝博   68 無 現 <6>

当   1915 滝 勝弘    54 共 現 <3>

当   1881 坂井田 茂   72 無 現 <4>

当   1861 瀧 裕司    64 無 新 <1>

    1850 諸角 彩    43 共 新

    1832 中田 耕平   39 無 現

    1673 芝山 満    67 無 新

    1495 岸田 想一郎  30 れ 新

    1309 横山 豊樹   45 無 新

    1293 山崎 倫敬   56 無 新

    1047 長谷川 正   68 無 元

    1015 谷口 仁政   48 無 新

     915 藤田 義晃   51 無 新

     905 諏訪 和人   62 無 新

     857 北川 貴敏   53 無 新

     828 佐野 恒祐   38 無 新

     764 南 幸郎    48 無 新

     456 田辺 哲司   65 無 新

     348 井村 太相   44 無 新

     119 嶋野 浩司   62 無 新

      95 徳 秀則    52 無 新

 

中日新聞より)

 

URL: https://www.chunichi.co.jp/article/1167028

 

 トップ当選した中野裕子候補はかつて共産党市議だったが、地元の共産党内でのハラスメントを訴えて離党した。私がひどいと思ったのは、SNSで一部の権威主義的な共産党員や同党支持者が心ないXのポストを発信していたことだ。中野市議のケースは「分派狩り」には該当しないが、共産党権威主義的体質が問われる一例ではある。それに対する審判が市議選の結果として表れた。中野候補は2位の参政党候補を抑えてトップ当選したが、共産党候補は2人立候補して1人が次点で落選し、当選した候補も定数30のうち28位だった。両候補の得票は合わせても中野候補の得票に遠く及ばなかった。

 山本元号新選組からは1人が立候補したが34位で落選した。津市議会は定数30だから東京都の葛飾区議会の定数40よりは「狭き門」だが、それにしても地方組織の弱体をまたも露呈した。社民党に至ってはそもそも候補を出すことさえできていない。

 立民も候補を2人しか出していないのに、両方当選したとはいえうち1人は26位の低位当選だ。また民民唯一の現職市議も19位当選にとどまった。

 対照的なのは参政党で、同党の候補は前記中野候補に次ぐ2位で当選した。よく「右派ポピュリズム」として並び称される民民との差は歴然だし、やはり同じポピュリズム系政党の新選組に至っては、葛飾区議選に続いてまたしても大選挙区でも当選できなかったわけだから、めちゃくちゃに大きな差をつけられた。独裁党首である山本太郎が政治活動を大幅に減らすらしい同党は今後どうなるのだろうか。

 と思ったが、参政党の2位当選者は前回は維新から出馬して当選した現職だった。鞍替えしたというか、維新は参政に市議の引き抜きを食らって今回は不戦敗に終わったようだ。

 

 

 上記は開票率95%の時点での数字で、その後32位だった共産党の新人候補は一人抜いて31位になったが及ばなかった。

 

 

 公明党は4人を3人に絞って手堅く議席を確保した。立民は1人減らしたのに2人中1人は下位当選だった。維新は参政に逃げられた。

 

 

 選挙カー云々というと江東区でのとある話を思い出さずにはいられないが、それをこの記事に書くのは止めておく。

 

 

 なお公明党の3候補は得票数が7位から9位までを占めた。相変わらずの統制力のすさまじさである。自民党の場合は党公認以外に保守系無所属が多数いることだろうから当選者数事態にはあまり意味がないのかもしれないが、党の公認候補の得票に限れば、10位、13位、18位といずれも公明党候補の後塵を拝している。

 こういう地方選の選挙結果を見ると、衆院選がどうなるかも最後の最後までわからない。たとえば出口調査の結果を見て「勝った」と思った高市信者たちが、選挙結果が確定してみればぬか喜びに終わって唖然とする、という選挙区がいくつも出てきても不思議ではない。