kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

NHKと時事通信の世論調査で、立民の政党支持率が真逆の傾向を示した

 NHK時事通信世論調査で、立憲民主党(立民)の政党支持率が真逆の傾向を出したことが一部で話題になっている。

 

www3.nhk.or.jp

 

www.jiji.com

 

 いつものことだが、対面方式をとる時事通信の方がNHKより調査から結果の報道までの時間が長い、というより、NHKも民放局も大新聞社も通信社も調査を終えたらすぐ記事にするのに対し、時事通信は数日のタイムラグがある。

 だから気づきにくいのだが、調査日はNHKが7月5〜7日、時事通信が7月5〜8日でほぼ同じ、というか時事通信の方は都知事選翌日も調査期間に含まれる。

 それなのに立民の政党支持率NHKでは前月比4.3ポイント減の5.2%、時事通信では同1.9%増の6.1%だった。

 もちろんこれは主に統計誤差による。

 

 

 

 

 この問答でふす氏(チェコ宗教改革の先駆者ヤン・フスの名前に由来するHNだろうか)がいう「NHKの調査だけをみて、立憲は解党的出直しだなんだと言ってた人」とは、こたつぬこ(木下ちがや)氏のことだろう。

 せつなりっとく氏のXより。

 

 

 確かにこたつぬこ氏のXにはそういう欠点(弱点、問題点)がある。例えば某元号新選組の支持率が半分になった云々というのが以前あったように記憶するが、新選組程度の政党支持率だと支持率自体よりも統計誤差の方が大きいくらいだから、そんな議論は成り立たないのである。

 

 

 ここでいう「未来社会の人」とは三春充希氏のことだよね。私は、三春氏はことデータの取り扱いに関しては抑制的を通り越して厳格だと思っている。氏は東大理学部物理学科の出だからそうなるのだろう。一方、「個人の主観で語ってること」も確かにあって、私も特に新選組関連で三春氏に同意できないことが少なくなかった。しかしその色合いも最近はかなり薄まっている。皮肉にも、それを指摘しているのが三春氏を激しく嫌っているらしい軍畑先輩だ。

 

 

 私には、三春氏が「ヤマシン全開路線」から意見発信がいくぶん抑制的になったのであれば大いに結構なことだとしか思えないのだが。

 下記は軍畑先輩が反応したXの単独の再掲。

 

 

 2022年参院選の件で私が言いたいのは、もう何度書いたかわからないが、泉執行部下で最初に行われた国政選挙であるあの選挙で、立民が前年秋の衆院選比例ブロックで得ていた20.0%の比例票を、参院選比例区で12.7%にまで暴落させたことだ。

 選挙での得票率(議席数ではなく、あくまでも得票率)は「全数検査」の結果なのだから、世論調査の動向を論じるのであれば何よりも重視しなければならない数値だ。当然ながら統計誤差はゼロである。

 あの選挙で泉の「提案型野党」路線が否定されたことももう歴史的事実の範疇に属する事柄だ。なにしろ立憲民主党自体が敗因を「提案型野党」路線に求める総括を行ったくらいだ。泉はそれを了承しながらもなぜか代表を辞任しなかったが。その後も泉は維新に接近して足蹴にされた。しかしその維新の現代表・馬場伸幸は泉以上の無能で、自民党にすり寄りまくっているうちに自民党の裏金問題が発覚した。これが泉に幸いする一方、維新には災いした。維新の失速は昨年12月の江東区長選で擁立した公募候補が得票率7.8%で供託金没収の大大大惨敗を喫した時点でもはや明らかで、今年4月の衆院東京15区補選で金沢結衣が立民の酒井菜摘ばかりか無所属の須藤元気にさえ負ける大惨敗(3位)を喫したのも当然だったかもしれない。なおこの補選では小池百合子や民民が推した乙武洋匡が超極右の飯山陽にも負ける5位の大大大惨敗を喫したことも忘れてはならない。

 「小波」氏は、三春氏は泉健太にはあんなに厳しかったのに手塚仁雄にはずいぶん甘いじゃないかと言いたいのかもしれないが、選挙で特に重視しなければならないのは当落ではなく得票率だ。その意味では得票率29%で勝った酒井菜摘にも課題は大きいことはいうまでもない*1

 2021年衆院選での比例ブロック得票率20.0%も、当時の立民の伸び悩みを示す数字ではあり、何より議席数で立民が自民に大きく水を開けられたのは事実だが、得票率だけを取り出してみれば21年衆院選は「惜敗」であり、22年参院選こそ「大大惨敗」だった。まずこのことを共通認識としなければ話は始まらない。下記naoko氏のXのような認識では困るのである。

 

 

 上記Xのうち、「党勢が急降下した時に党を引き継ぎ」と書かれているが、これがとんでもなく大きな間違いだ。

 「泉健太が党を引き継いだら党勢が急降下した」というのが正しい。衆院選比例ブロックの得票率20.0%は枝野代表時代、参院選比例区の得票率12.7%が泉代表時代の国政選挙の数字だからだ。

 何より大事なことは、議席数よりも得票率を重視することだ。これをやらなければ政治の流れは読めない。

 もちろん今衆院選をやれば(通常国会はすでに閉じられているけれど)泉代表下でも立民が比例ブロック20%前後の得票を得る可能性はかなり高い。

 しかし、それは「枝野がどん底まで落とした党勢を泉が立て直した」ものでは決してない。泉はそのようなイメージを与えようと印象操作に躍起になっているのだが、naoko氏はもののみごとにつられてしまったように私には見える。事実は、「泉がいったんどん底まで落としたが、自民と維新の敵失に助けられて枝野時代末期くらいにまで持ち直した」というものであろう。泉も参院選敗北後には岡田克也のサポートを受けて無難にやってはきたが、それでも3補選に全勝した直後に極右レイシスト野口健を持ち上げるXをポストするなど、泉は今なお問題含みだ。

 なお、せつなりっとく氏が三春氏について「意見とデータをかなりちゃんと分けているし意見が同意できなくてもデータ部分だけ見ればいい」と書いていることには完全同意(昔ふうにいえば「禿同」)だ。私は氏のnoteの有料読者だが、強度のアンチ新選組である。

 そして、NHKと時事の両方の世論調査を合わせても、立民の支持率や「リアルタイム得票数推定」はかなり下がっている。

 

 

 

 そして、こたつぬこ氏がXにポストして激しい批判を浴びた「解党的出直し」は、かつて民進党右派が好んで用いたフレーズだった。たとえば2017年の東京都議選民進党が大敗した時には、弊ブログが一昨日公開した下記記事で紹介した通り、松原仁が「解党的出直し」と口走った。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 そしてその2か月あまりあとに起きたのが「希望の党」騒動だった。

 私はよく覚えているが、2017年9月の民進党代表選で、前原誠司が勝っても枝野幸男が勝ってもたいして変わらないとツイート(当時)したのがこたつぬこ氏だった。それに対し弊ブログは、前原が勝ったら党が割れると予想した。そして、小池百合子が「排除」騒動を引き起こすことも、その2か月前の2017年8月2日の記事で言い当てていた。このことはもう何度書いたかわからないから改めてリンクを張ったりはしないけれども。

 思うのだが、こたつぬこ氏が望んでいるのは「『排除』なき『希望の党』」なのではないか。小池百合子が維新の防波堤になっているなどと繰り返し書いていることからもそう推測される。

 私には全く同意できないけれども。

 

 あと、堀新氏の思い違いについても指摘しておく。

 

 

 このXについては、下記政治おじいちゃんお化け氏が指摘する通りだ。

 

 

 連合は既に2017年の都議選で都ファの候補を推薦していた。この記事からリンクした2017年公開の弊ブログの過去記事の中にも書いてある。

 連合はずっと小池とはズブズブだから、私は仮に立民が共産と共闘しなくても、連合が「自主投票に留まった」可能性はほぼ皆無だと確信している。衆院東京15区補選で自主投票にしたのは、立候補したのが小池百合子ではなく乙武洋匡だったからに過ぎない。

 堀氏はあまり政局については書かない方が良さそうだ。書けば書くほどボロが出る。

*1:但し2021年衆院選で勝った柿沢未途も得票率は32%に過ぎなかったが。