立民の政党支持率や比例区の投票先に選ぶ人の比率が上がっているらしく、「次の代表も結果を出した泉健太さんを」との声が高まっているようだが、今回の立民の上げ潮は自民と維新の自滅という「敵失」によるものであることを忘れてはならない。
このことを踏まえて、下記Xに書かれた立民前代表・枝野幸男の発言に注目したい。
https://t.co/A9Ud4mSDaU
— りっけん学生党員/パートナー@酒井なつみ衆議院議員万歳🌈🍙 (@Rikken_CDP2023) 2024年5月13日
昨日の、#枝野幸男 さんは、「9月まで今の泉代表のもとでやるのは当然のこと。ただ、任期満了という訳ですから、9月の代表選では改めてどなたを代表に選ぶか考える機会になる。」と発言。
「9月の代表選で改めて誰を代表に選ぶかを考える」のが基本だ。
かつて小沢一郎が民主党代表時代の2008年に代表選潰しをさんざんやりまくって無投票で再任されたことがあった。そのようなことは許されてはならない。
たびたび野村克也の名言を持ち出して恐縮だが、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」である。敗因を十分分析してその対策を講じた集団だけが強くなれる。
たとえば今回の3補選で0勝2敗だった維新にしても、昨年4月の補選では1戦1勝で、4 戦全敗だった泉立民とのコントラストが際立っていた。当時の維新は、立民・泉執行部の「提案型野党路線」転じて「維新へのすり寄り」という「敵失」に助けられて支持を伸ばし、野党第一党の座を窺えるところにまできていた。しかし維新の躍進が立民の敵失に助けられた「不思議の勝ち」だったことを理解も分析もできていなかったために退潮を招いた。今回の衆院補選の東京15区で馬場伸幸が「立憲共産党」を連呼して自党の公認候補者に大ダメージを与えたのは、およそ信じ難いほどの無能さだった*1。つまり昨年春頃までの維新の上げ潮に、馬場など何の貢献もしていなかったことが明らかになったといえる。
今の立民も、このままでは昨年の維新と同じ誤りを繰り返す可能性がある。
だから、泉執行部の2年半については、最近の上げ潮だけではなく、就任当初から昨年春までの退潮期の分析と批判がしっかりなされる必要がある。
たとえば、三春充希氏の下記Xに示されたグラフをよくご覧いただきたい。
立憲のグラフだけぼくの裁量で出しちゃっていいかな。こんなことをやっています。これからはこんなふうに見る必要があると考えています。https://t.co/Mts9igGOqb pic.twitter.com/natS6Ut6nm
— 三春充希(はる)⭐第50回衆院選情報部 (@miraisyakai) 2024年5月13日
上記グラフが示しているのは、2021年11月に立民の代表が枝野幸男から泉健太に代わってからしばらくの間、立民が無党派層からの得票を大きく減らした時期があったということだ。そのさなかに行われたのが2022年の参院選だった。立民党内で一時蓮舫が激しい泉健太批判をしばしば行っていた大きな理由として、参院選の東京選挙区での蓮舫の得票が、民進党時代の2016年と比較して激減したことが考えられる。蓮舫は2016年には得票数1,123,144票、得票率18.0%でぶっちぎりの1位当選だったのが、2022年には得票数670,339票、得票率10.6%にまで票を減らし、順位も4位に落ちた。蓮舫は実に4割もの票を流出させてしまったのだ。この衰勢は半端ではない、と強い危機感を持ったに違いない。しかしその参院選の開票速報のテレビ番組で「なんとか踏みとどまった」と強がったのが泉健太だった。
2022年の参院選や2023年の衆参補選で立民はなぜ負けたのか。この敗因の分析も改めて行われなければならない。それをやらなければ、今日の維新の姿は明日の立民の姿だ。
*1:それにもかかわらず、馬場は責任を取るそぶりも見せていない。このあたりも誰かさんに実によく似ている。