kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

江東区(東京15区)の立民は2022年参院選比例区で2021年衆院選比例東京ブロックと比較して得票を38.4%も減らす記録的な大大大惨敗だった。酒井菜摘陣営はその地から挑戦する

 下記は立民と新選組衆院東京14区と22区での棲み分けに関する政治おじいちゃんお化け氏のX。

 

 

 えっ、泉健太がそんなXをポストしたのかと思ってネット検索をかけたら事実だった。

 

 

 なんとピンクに白字の元号の画像が泉のXに大々的に表示されている。これには呆れた。

 私は江東区民として前回の衆院選以来、補選に酒井菜摘氏を公認候補とするまでの2年5か月もの間、東京15区の総支部長をずっと空位にしてきたことにずっと腹を立ててきた。弊ブログで何度も(もしかしたら10回近く?)書いてきたと記憶する。

 宮武嶺さんの下記ブログ記事の画像で、酒井氏が総支部長に就任したことを知ったが、公認予定候補である以上当然のことだ。

 

blog.goo.ne.jp

 

 実は今晩帰宅して郵便受けを見たら、須藤元気のチラシが入っていたのが不快だった*1。「まんが須藤元気物語」と銘打たれている。公約には消費税減税が掲げられているが、消費税減税といえば真っ先に思い出される山本太郎新選組)は今回の選挙ではどうやら「寝る」らしい。山本は2020年の都知事選で須藤の応援を受けた恩は返さないようだが、おそらく新選組の支持者の間でも須藤寄りの人と酒井氏寄りの人とで支持が大きく割れるからだろう。なおその都知事選では立民は共産や社民とともに宇都宮健児氏を推したが山本太郎が造反して出馬し、小沢一郎と一時険悪になった(その後よりを戻したらしい)と聞いている。その時に山本を応援したのが須藤だからおそらく山本としては心情的には須藤寄りだろうと想像するのだが、組の支持者たちが補選での支持では両陣営に割れること(というより、おそらく酒井氏寄りの支持者の方がずっと多いのではないかと思うが)を考慮すれば、どちらにも肩入れできないというわけだ。こちらとしては山本が大々的に須藤を応援するのを恐れていたと同時に半分くらいは覚悟していたから、それがないだけでもよしとするほかない。そもそも、新選組が候補を出さない(とみられる)だけでも十分良いというか、今の新選組にはそれ以上は求められないだろう。

 こういう点では山本には意外とバランス感覚がある。例の「(元号)ローテーション」の件もそうで、長谷川羽衣子の強力なアプローチに応じてローテーションの実施を発表していったんは大島九州男参院議員に権柄ずくで押しつけたものの、大島議員の反発が強かったほか、組内で大島議員側につく人たちが少なくないと見るや、ローテーション制の実施を取りやめた。ネット検索をかけると、あのローテーション制は東京新聞静岡新聞に批判され(静岡新聞はなんと社説で当時のN党と新選組と同列に論じて「議席の愚弄許されない」と批判していた*2)。しかし、私もあの件では新選組(山本)が当時のN党と同じ扱いをされても仕方ないと思う。それくらい、おそらく長谷川が主謀したと見られるあのクーデター未遂劇は悪質だった。長谷川という人の異様なまでの権力志向の強さが私は大嫌いである。そもそも長谷川は2022年にXで当時のイギリスの新首相にして経済極右派のリズ・トラスを絶賛したところトラスがわずか7週間で政権の座を追われたために赤っ恥をかいたことがあり、経済政策のブレーンとしても全く信用ならない人物だと私は確信している。だからローテーション制を取り止めた山本の判断は賢明だった。このようにして踏みとどまれるあたりが、山本が今日まで政治生命を長らえているばかりか、最近では立民や共産の自滅気味にも乗じて組勢を拡大している秘訣かもしれない。山本とは、一般に思われているよりも相当したたかな人間なのではないかと思うようになった。

 立民と新選組の棲み分けに話を戻す。

 私は立民の中でも泉健太野田佳彦らが属する右半分は嫌いで、だから国政選挙の比例ブロックや比例区では原則として民主・民進系には投票していない*3。だからあまり気にならなかったのだが、東京14区の立民支持者から見たら、新選組との棲み分けで候補の出馬を他党(組)に譲ったばかりか、その組のロゴを誇示するかのように大々的に掲げた泉のXには神経を逆撫でされる思いだろう。このように、泉には人の心がわからないのではないかと思われる事例が多い。

 東京15区も、ようやく酒井菜摘氏が総支部長に就任したとはいえ、それまでの長期間、再任を求める井戸まさえ氏の要望が都連のせいだか泉執行部のせいだかしらないが黙殺され続けた理由はいったい何だったのかと、立民に対して強い不信感を持たずにはいられない。立民は枝野前執行部時代から江東区墨田区ばかりではなく東京東部の諸区に冷淡な傾向があったが、泉執行部になってからそれがエスカレートしたように思う。特に15区は今回の一件があるまでは柿沢未途が無敵だったためにどうせ勝てないから、若手女性候補の金沢結衣がかなり長く活動してきた維新に選挙区調整で譲ろうとでも考えていたのではないかと私は疑っている。

 先日、平河エリ氏が2021年の東京15区での各党の比例ブロック得票率をXで発信していた。URLをブックマークしなかったのでリンクは張れないが、公式の数字なので江東区のサイトから確認できる。

https://www.city.koto.lg.jp/610102/shuugin2021/kaihyo.html

 

 江東区での各党の得票数は下記の通り。

  • 自民 77817
  • 立民 40763
  • 維新 39729
  • 公明 29022
  • 共産 24159
  • 新選 11285
  • 民民 10296
  • N党  3964
  • 社民  2845
  • 第一  2524

 私は2845分の1だった。残念ながら絶滅危惧種だ。だからどうしても立民のリベラル派に相当程度望みを託さざるを得ない。社民党の再生はまた別の大きな課題だ。

 しかし立民にとって本当に大問題だったのは、翌2022年参院選の比例ブロックだった。平河氏は立民代表選で泉を応援したネオリベ寄りの人だから無視したのか、それとも衆院の補選だから2021年の数字を示したのか、おそらく後者だろうが、江東区でもこの一昨年の参院選での立民の得票数の激減は深刻だった。こちらも江東区のデータを下記URLから確認できる。

https://www.city.koto.lg.jp/610102/sangiin2022/documents/hireikaihyoukekka.pdf

 

 江東区での各党の得票数は下記の通り。

  • 自民 76517
  • 維新 38121
  • 公明 25411
  • 立民 25105
  • 共産 20997
  • 民民 16130
  • 新選 13373
  • N党  7839
  • 参政  7451
  • 社民  5873

 ご覧の通り、立民は衆院選で少しだけ勝っていた維新に逆転された。それも維新は全然得票を増やしていないどころかむしろ微減しているのに、立民は前年の比例東京ブロックで得た票数を38.4%も減らす超記録的な大大大惨敗だった。しかも立民は維新ばかりか、なんと公明党にも得票数で抜かれていたのである。しかしこの選挙の開票速報番組で泉が発した言葉は「なんとか踏みとどまった」だった。私が激怒したことはいうまでもない。もっとも私自身はこの選挙でも5873分の1で、社民党の政党要件継続の方がより大きな関心事ではあったのだが。

 この参院選では全国的に立民の得票減少が顕著で、これを三春充希氏は立民の一人負けと評したが、私もその通りだと思う。本来この結果だけでも泉は代表を辞任すべきだったが、立民支持層の間では「就任したばかりの代表を代えるなんてことはできない」との声が多数だった。そして泉は、翌2023年(昨年)4月の衆参補選にも4戦全敗した。さすがにこの時には岡田克也幹事長ともども辞任を考えたようだが、当時報じられたところによれば連合の芳野友子会長らの慰留を受けて辞意を撤回したという(本当は泉自身が辞めたいとは本心から思っておらず、芳野らの慰留を口実にして代表の座に居座ったのだろうと私は推測しているが)。

 この数字をベースにすると、当初は今回の補選での酒井氏の当選などまず考えられなかった。だから最初に昨年の区長選に続いてまた酒井氏擁立の話があると知った時に、弊ブログはそれに反対する記事を書いたのだ。自民党からはかなりの確率で昨年亡くなった前々区長のドラ息子・山崎一輝が出てくると思った。仮に山崎一輝と須藤元気のどちらか以外選べない選挙が行われるとするなら須藤に入れるほかない。私は裏金政党の世襲候補はさすがに真っ平であって、立民の泉支持者たちが須藤が出るなら自公候補に投票した方がましなどと書いているのを見ながら、何だ、彼らは自民党世襲政治の腐敗も知らないのかよと悪態をついていたのだった。柿沢未途が逮捕された一件もそこからきていたというのに。まあ実際には山崎対須藤の対決構図になった場合には共産党の小堤東に投票することになるんだろうなと思ってはいたけれども。

 ところがいつまで経っても自民党候補が決まる気配もない。そのうち公募にする話が出たかと思えば、ドリル優子ら党中央がそれを差し止めたという話になり、このあたりでどうやら昨年の区長選で味をしめた自民が小池百合子をあてにしているらしいことがわかってきた。しかし、私は世に噂される小池自身の出馬はあり得ないと思った。なぜならこれは任期の短い議員を選ぶ「補欠選挙」であり、そんな選挙に小池が最強のカードである自身を切る戦術など絶対にあり得ないからだ。維新の音喜多駿が、乙武の擁立が決まった後も、乙武ですんなり行かなかった場合には小池が出てくるかも、などとまだ言っているらしいが、あの「女帝」が「補欠」と名のつく選挙に出てくるはずがないではないか。第一、岸田文雄が解散のカードという、小池自身の出馬どころではない究極の切り札を切った場合には補選自体が吹っ飛んでしまうのである。「4月解散説」とはそういう話だろう。また「6月解散」の場合は、小池が都知事選の3選出馬を取り止める格好の口実になり、しかもその場合は「女帝」とやらにふさわしい「本選」になるから、そうなれば小池が自らの腹心を区長に送り込んだ東京15区からの出馬は大いにあり得る話だ。その時に自民党が小池を公認するかどうかは知らないけれども。

 とにかく、仮に乙武が転けた場合でも、小池の補選出馬だけはあり得ないとは書いておく。

 乙武が転ける可能性といえば、民民が突如態度を豹変させた一件には笑ってしまった。また自民党内でも何やら話があるようだが、記事が長くなったのでこのあたりで一旦切り上げる。時間があればこれらの件についても書きたい。

*1:少し前には参政党の吉川里奈のチラシが入っていた。

*2:https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1180280.html

*3:例外は2005年の郵政総選挙で、あの時は選挙区は共産党候補に入れ、当時住んでいた香川県を含む定数6の比例ブロックでは民主党に入れた。あの選挙では自民党に強烈な追い風が吹いたので、どうせ選挙区は私の大嫌いな平井卓也で決まりだから、政策的に一番共感できる共産党候補に入れる代わりに小川淳也は比例で救済してやろうと思ったのだった。そして実際に小川は比例復活で初当選した。なお2009年衆院選では選挙区で小川、比例ブロックは社民党に投票し、小川は選挙区で当選した。