kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

衆議院東京15区補選は野党乱立、共倒れの懸念…立民中堅「なぜ同じ轍を踏もうとするのか」(読売, 2/18)

 読売にも衆院東京15区をめぐる野党政局の記事が18日に出ていたようだ。以下引用する。

 

www.yomiuri.co.jp

 

衆議院東京15区補選は野党乱立、共倒れの懸念立民中堅「なぜ同じ轍を踏もうとするのか」

2024/02/18 09:15

 

 4月28日に投開票される衆院東京15区(東京都江東区)の補欠選挙を巡り、野党の候補が乱立する様相を呈している。野党内には、与党に対抗するため候補の一本化を求める声があるものの、各党間の感情的な対立も絡み、調整は進んでいない。野党は過去の補選でも候補の競合で共倒れしており、二の舞いを懸念する声が強まっている。

 

 「一本化して自民党と戦う方が当選確率が高いのは当然のことだ。ただ、それぞれの党が同じ思いを持たなければできない」

 

 立憲民主党の泉代表は2月17日、埼玉県越谷市で記者団に対し、候補の一本化は簡単ではないとの見方を示した。立民は主要野党4党の中で唯一、公認候補が決まっていない。党内には、独自候補擁立を求める意見のほか、出馬が取りざたされる無所属参院議員の支援を模索する動きもある。

 

 候補擁立で先手を取ったのは国民民主党だった。国民の玉木代表は8日に公認候補を発表し、立民に対して擁立見送りと国民候補の支援を要請。代わりに同日選となる衆院島根1区、長崎3区両補選で国民が立民候補を支援する「バーター」を提案した。玉木氏は17日にも、大阪市内で「野党第1党のリーダーシップに期待したい」と述べ、立民に対応を迫った。

 

 ただ、立民内では、玉木氏の手法に「やり口が汚い」と反発が広がっており、国民の提案に応じる機運は高まっていない。

 

 他の野党との連携も不透明だ。13日に候補を発表した共産党は、野党共闘を掲げてはいるが、国民を含めた協力には後ろ向きで、立民の対応を注視する立場を取る。14日に候補を決めた日本維新の会は、党最大の目標である野党第1党奪取に向け、他党との連携にはそもそも否定的だ。

 

 東京15区補選は、昨年4月の江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で柿沢未途氏(自民を離党)が辞職したことに伴い実施される。与党側の候補はまだ決まっていないが、野党候補が乱立すれば政権批判票が分散するのは確実だ。

 

 今回と同じく自民の不祥事が契機となった昨年4月の衆院千葉5区補選では、立民、維新、共産、国民がそれぞれ候補を擁立し、自民新人の当選を許した。同補選の野党4候補の合計得票(10万5789票)は、自民新人の得票(5万578票)の約2倍だった。野党内では「候補乱立が敗因だったのは明らかなのに、なぜ同じ轍を踏もうとするのか」(立民中堅)とあきれる声も出ている。

 

(読売新聞オンラインより)

 

URL: https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20240217-OYT1T50178/

 

 私は玉木雄一郎が東京15区補選の候補擁立を発表した時には笑ってしまった。立民・泉健太執行部の隙をうまく突いたな、と思ったのだ。

 思い出されるのは、2021年の立民代表選に泉の当選が決まった時に、玉木が憮然としていたことだ。不機嫌を絵に描いたような表情だった。「希望の党」仲間同士でのマウント獲り合戦において、周りからさんざん「あんたが大将」とおだてられ、岡田克也が民主・民進時代に貯め込んだ政治資金を湯水のように消費する贅沢三昧を行いながら選挙でなかなか結果が得られなかった玉木を尻目に、泉は立民に入り込んで巧みな権力工作を行って立民プロパーの議員や、そうではないものの希望の党にはなびかなかった党長老たちを手玉に取り、みごとに党の最高権力を手にしたのだった。

 そんな玉木にとって、同じ「希望の党」仲間だった柿沢未途がずっこけたあとの東京15区で泉の先手をとることに成功して「してやったり」の思いだったのではないか。

 立民は2017年衆院選には東京15区に候補者を立てなかった。あの衆院選で、希望の党民進から立民に移った候補に片っ端から死角を送ったが、立民は希望の候補には死角を送らなかった。2021年衆院選でも無所属の柿沢未途衆院議員だったために当初は候補を立てるつもりがなかったと見られるが、柿沢が自民党の推薦を得たために状況が変わったところに、「野党共闘」において共産党東京4区を欲しがったために、同区で立民公認で立候補を予定していた井戸まさえを急遽東京15区に転区させて東京4区共産党候補を野党統一候補にしたのだった。

 しかし、2021年衆院選での立民敗北を受けて新代表になった泉健太は、同党の誤った総括の上に立って「野党共闘」路線を否定し、当初は「提案型野党」路線をとり、2022年参院選でそれが否定されて惨敗すると、維新へのすり寄り路線に転じた。それも維新に足蹴にされてやむなく独自路線をとったところ、2022年の安倍晋三銃殺をきっかけに始まった自民党の崩壊に助けられてこのところ党の支持率が伸びている状態だ。伸びているとはいってもずいぶん維新だの元号新選組だのに食われまくっているが、それは立民がどんな社会を目指しているのか、ビジョンも理念も全然示さない(示せない)政党である以上当然のことである。

 立民の衆院東京15区総支部長がずっと空位のままなのは、前回衆院選のような共産党を含めた「野党共闘」を泉健太(ら立民執行部)が嫌っているのが最大の理由だろう。だから泉はもっと維新や民民に理解を得られる候補者を立てるか、さもなければ、というよりこちらの方が可能性が高いと思うのだが、東京15区は前述の通りもう結構長く活動を続けている維新の金沢結衣に譲ることを考えていたのではないだろうか*1。つまり維新との共闘のための候補者調整をにらんで東京15区総支部長を空位にしていたのではないかと私はみている。しかし昨年春に立民が維新に足蹴にされて以来、両党の関係は候補者調整どころではない。その隙を、このところ立民同様に維新との連携がうまく行っていない民民の玉木雄一郎に突かれたのではないか。私はそのように推測している。

 補選については、どうせ来年秋までのどこかで衆院の本選があるのだから、別に「候補乱立」になったって構わないではないか。不戦敗が一番悪いと私は思うのだが、間違っているだろうか。維新が立民になびく可能性など毛ほどもないのだから。

*1:立民は大阪の多くの選挙区でも総支部長を決めていないが、それにも同様の狙いがあるのではないかと私は推測している。