kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

宮武嶺さんは「日本共産党は日米安保条約廃棄の綱領を高く掲げ続けるべきだ」と書くが

 宮武嶺さんのブログ記事より。

 

blog.goo.ne.jp

 

 タイトルにある「日本共産党日米安保条約廃棄の綱領を高く掲げ続けるべきだ」とあるんですけど、志位和夫氏自身が2015年に下記産経記事に書かれているようなことを言明しちゃってるんですよ。

 

www.sankei.com

 

共産・志位委員長「日米安保条約は維持」 国民連合政府実現の場合

2015/10/15 16:02

 

 共産党志位和夫委員長は15日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し、同党が呼び掛ける安全保障関連法廃止を目指す野党連立政権「国民連合政府」が実現した場合、党綱領で掲げる日米安保条約廃棄は求めずに維持する考えを示した。「現行の日米安保条約の枠内で対応する」と述べ、有事の際には在日米軍に出動を求める場合もあるとの認識を示した。自衛隊についても「急迫不正のときに自衛隊を活用するのは当然だ」と述べた。

 

産経新聞より)

 

URL: https://www.sankei.com/article/20151015-ZD35RS4H5FNZ3CPXX3HOP3D33M/

 

 まあ「ソースは産経」ではありますが、都内の日本外国特派員協会での記者会見の内容ですし、共産党は「国民連合政府」を言い出すと同時に小沢一郎とつるみ始めたわけですが、上記記事にあるようなことを言わない限り、小沢とは組めないでしょう。

 また、自衛隊に対する志位氏のスタンスについて、今度は2022年の朝日新聞デジタルの有料記事をプレゼントします。URLの有効期限は23日8時27分です。

 

digital.asahi.com

 

 いちおうインタビューの核心部分だけ書いておくと、志位氏は党としては自衛隊違憲との立場を貫くが、政権としては合憲との立場をとるという、いささかアクロバティックなことを言っています。

 それから、宮武さんの記事本文には

松竹氏がもう一つ主張している日米安保条約廃棄を定めた綱領規定の放棄、この主張ひとつで、松竹氏の悪質性がわかります。

と書かれていますが、手元にある松竹氏の『シン・日本共産党宣言』(文春新書,2023)を参照すると、最初の段階では「核抑止抜きの専守防衛日米安保堅持」えすが、次の段階では「日米安保抜きの専守防衛」に進み、さらに非武装専守防衛に移行して自衛隊の解消に向かうと書かれています(118-119頁)。著書のこの記述から、松竹氏が「日米安保条約廃棄を定めた綱領規定の放棄」を求めているとは私には読み取れませんでした。

 松竹氏はもともと

非武装中立」の社会党ではなく「中立自衛」の共産党に惹かれた(前掲書87頁)

という人で、その点では政治に関心を持った時の出発点においては「中立自衛」より「非武装中立」に惹かれた私よりも「武装寄り」の人なのだろうと思います。実際、前掲書を読んだ時も、氏の安全保障論には同意し難い点も少なからずありました。しかし、志位和夫氏も政権入りしたら日米安保条約は維持するとか政権においては自衛隊は合憲との立場をとると言っているわけですから、その点においては志位氏と松竹氏の立場の違いなどほとんどないのではないかと私は思っています。

 現在の共産党の問題においては、前述の通り私は批判する側とされる側の間に対立点はないと考えていますし、仮にあったとしてもその点に関して争うつもりはありません。

 問題はあくまで、党内において執行部の権力行使による場合を含むパワハラ等の問題が続出していることです。既に大阪では被害者側の粘り強い言動が報われて解決した事例があると認識していますが、今回は党委員長自身が、しかも一昨年前にパワハラを受けたと認定されるご本人が「パワハラ」と認定されても仕方がない「結語」を発したことが批判されています。

 私自身、かつて属していた組織内で不当な権力行使を受けたと認識している件がありますし、世の中には組織のトップに立つ人よりも立たない人の方が圧倒的に多い以上、私と同様どころか、私よりよっぽどひどい権力行使を受けた経験のある人は数限りなくいることでしょう。

 現在の日本共産党は、そういう人々にとって全く支持するに値しない政党に成り下がっています。本来労働者のための政党のはずなのに。それが現在のこの党の最大の問題だと考えます。

 なお執行部の権力を縛る仕組みは自民党にも立憲民主党(立民)にもありません。だからこそ自民党においては2012年から2021年まで安倍晋三だの菅義偉だののやりたい放題が許されてきました。現在はその矛盾が一気に噴出して政権及び党の危機にまで至っています。そして自民党現総裁の岸田文雄も、立民代表の泉健太も、いずれも権力工作を得意として現在の地位にのし上がった人物であり、これらの人士たちに壟断される与党や野党第一党にも私には我慢なりません。

 各政党が、自らの組織にも立憲主義を適用するようになれば、その党への支持は飛躍的に増大すると私は思うのですが。