小池百合子は何歳になったのだろうかと思って調べてみると、現在71歳だった。なので今年7月の都知事選に出馬するかどうかが注目される。総理大臣を目指すなら、岸田内閣支持率が低迷を続ける今がラストチャンスと思われるからだ。
だから今月末に行われる3つの衆院補選のうち東京15区に小池が出馬するのではないかとの憶測が流れた。しかし任期の短い議員を選ぶ今回の補選に出るメリットが小池にあるとはいくらなんでも思えなかったので、弊ブログはこの憶測を一貫して「あり得ない」と退けてきた。現に「ファ◻︎ストの会」(弊ブログでの略称は「ファ」)は東京15区の補選に乙武洋匡を立てると発表した。
予想外に早いこの発表については、勝てる目処が立ったから発表したものではあろうが、逆に早い段階で発表しなければ勝てないとみたからともいえる。というのは、既にに下記コメントもいただいているし、私も乙武の名前を目にした時に直ちに思ったことだが、乙武という人は必ずしも強い候補ではないどころか、むしろ得票率が低い候補だからだ。
ラヴェンダー・ホリフィールド
私も一昨年の参院選東京選挙区を直ちに思い出した。あの選挙は新選組・山本太郎、維新・海老沢由紀、都ファ・荒木千陽の最下位当選争いが注目し、弊ブログは「3人を全員落選に追い込みたい」と息巻いたが、結局山本が当選に滑り込みました。今なら新選組の人気が当時より高まっているので山本は5位以上で当選するだろう。不思議なことに、最近は新選組(山本)信者のネットでの噴き上がりが一頃ほど目立たなくなったが、組の政党支持率や選挙になった時の投票先がいずれも顕著な上昇傾向にある。だからといってその間に組の政策が変化したわけではない。組の「右も左もないポピュリズム」に惹かれる人たちが増えたということだろう。これはきわめて危険な傾向だが、立民や共産が内向き思考を強めている今日のあり方が招いた事態だと思う。しかし今は自民党の崩壊ぶりが立民や共産の比ではなくひどいので、衆院選になった場合の立民の予想獲得議席は、泉が発言した当時にはあり得ないと思っていた「150議席」に乗りそうな状況とのことだ。自民の凋落は特に東京で著しいらしい。
こんな状態だから自民党は小池百合子に頼らざるを得なくなっている。
私は、少し前までは小池はもう国政復帰を諦めていたと思う。それが、昨年末の江東区長選で自公に助け舟を出したところ、立民・共産・新選組・社民の統一候補になった酒井菜摘や保守系反都ファ政治勢力のホープとみられる三戸安弥を圧倒し、維新に至っては半ば戦意喪失気味で公募候補を立てたものの供託金没収の惨敗を喫した。これに気を良くした小池は、八王子市長選では自らに背いて立民・共産側になびいた元都ファの候補を成敗すべく自公候補を応援したが、萩生田光一の地元でもあるこの市長選は思わぬ接戦となって自公候補が辛勝した。
これには江東区と八王子の違いもあるけれども、江東区長選では都ファ系の候補がいきなり出てきたことの意外性が有権者にポジティブな印象を与えたに違いないのに対し、八王子ではそのような意外性はないどころか自公主導に小池が乗っかった形だったので大きな効果はなかった。この違いが大きかったと思われる。
それに小池百合子の影響力にも限界があることももっと知られるべきだろう。2017年衆院選を前にした「排除」発言で大コケしたのはその最大の例だが、前述の一昨年の参院選でも、荒木千陽が9位の乙武洋匡にも負ける10位で大惨敗したことも忘れてはならない。但し立民の松尾明弘も7位で、山本のほか維新の海老沢にも負けた。
以上を考えれば、ファに自公が乗っかるから補選は乙武の楽勝だろうとは必ずしも言い難い。補選には、宮内で長年活動を続けている維新の金沢結衣のほか、参政党からも、そしてもはや完全に埋没しているとしかいいようがないが日本保守党からも候補が出ているが(特に参政党の候補はうるさくてかなわない)、それに有罪判決が出たばかりの元自民党・秋元司が立候補する。いずれも新自由主義と極右の少なくとも一方(多くは両方)であって、酒井菜摘の表に与える影響は少ないとみられる一方、乙武の得票には障害になる。ただ、この補選には昨年の区長選の結果もいくぶんかの影響があると見られるから、その分だけ乙武が少しは有利だろうと思われる程度だ。
問題は酒井陣営のやる気(本気度)だろう。共産が小堤東氏の擁立予定をどうするのかとか、須藤元気が出てば応援する可能性がある新選組がどうするのかということもあるが、泉執行部がどこまで本腰を入れるかが最大の問題だろう。
小池百合子というのは厄介な存在で、何しろ2017年の希望の党の一件がある。民民の玉木雄一郎は小池に希望の党を託された人間だから、今回の補選でも小池の応援依頼に二つ返事でOKした。泉健太も希望の党に属していたから小池への拒絶反応も全くないどころか「ちっ、向こうにいっちまいやがったか」などと舌打ちいるのではないかと私は邪推している。コメント欄には「立民も乙武に乗るのではないかと思った」と書いた人もいるけれども、地方選ではなく国政選挙なのだから、野党第一党の立民が自公と一緒に都ファに乗ることなど絶対にあり得ないのである。しかし野党第一党の縛りがない民民の玉木にならそれができる。問題は連合であり、連合がこの補選にどういう立場をとるかが補選の結果に大きな影響を与える。この点で芳野友子の連合会長再任を許してしまったことは痛恨だった。
一方、立民党内の長老にとっては小池百合子は不快な存在だ。特に野田佳彦は小池に「排除」されたその人だから、小池が出てくるなら自グループの高野勇斗ではなく得票力は(あるいは須藤元気には及ばないかもしれないが)昨年の区議選当選組の中ではもっとも高い酒井菜摘を出すことに躊躇はなかっただろう。また岡田克也にとっても、せっかく2016年の参院選で自らの主義主張や思想信条に反する共産党との共闘を部分的に成功させてしのいだのに、その参院選の直後に行われた都知事選で民進党が推した鳥越俊太郎が小池に惨敗した責任を問う声が長島昭久らの当時の民進党内右派から出始めたのを見て早速ケツをまくった(党代表を投げ出した)一件があったから、小池に対する反感はきわめて強いと思われる。
彼ら立民長老たちが小池百合子に対して持っているであろう強い反感もあって、立民執行部全体としては、泉のような元希望の党の人間を除いて、たとえ地方選であっても(都)ファと組む選択はあり得ないのである。ましてや国政選挙だからそれは絶対にあり得ないし、仮にそんなことをやったら立民の党勢は総崩れになるだろう。
立民の泉体制の今後についていえば、9月までに衆院選が行われれば立民が150議席以上を獲得して泉体制が続く可能性があるが、衆院選がなければ9月の代表選で泉が退く可能性がかなり高まってきたのではないかと私は思っている。その際、後任は野田佳彦(野ダメ)になるのではないかとの観測が出ていて、私はそれに神経を尖らせている。
今日は都議会で自公都ファが立民と共産の都議に発した発言取り消し動議について書こうと思っていたがそこまで行き着かなかった。その件で言いたかったのは、自公が都ファに依存する姿勢を明確に見せたことが鮮明に現れた一件で、それが今回の補選での対立構図に直結しているということだ。明日にでも改めて取り上げたいと思う。
意表を突かれましたが、この遅きに失した擁立表明も酒井氏個人にはプラスに働くような気がします
女子プロレスに例えると今迄は悪役しかリングにいない状態でしたからね(笑)
昨日の報道では共産も一本化に前向きだとか
少し小堤東氏が可哀想ですが
で乙武ですが、2年前の参院選とは制度が違うので単純に比べられませんが、東京選挙区は定数6で34人が出馬し9位で落選でした(得票32万票、得票率5%)
何とこの時共産の山添拓は、蓮舫、生稲晃子、山本太郎、乙武の4大有名人を凌いで68万票で3位当選でした
知名度が役に立たないうえに1人しか当選できない今回、乙武の武器は江東区長大久保同様「小池・都ファ印」のみですが、残念ながらそれで充分なんでしょう・・・
3補選の勝者は公示前に事実上決まってしまい、泉健太も安泰、実質3敗の岸田さえ flash の6月解散シミュレーションを見る限り党内からも辞任要求は全く出されず、結局安泰、、、
ロシアなみに「何も変えられない」という現実だけが連綿と続きそうです