昨夜、TBSのnews23を見ていたら、TBSの世論調査で次の衆院選での政権交代を求める人が42%で、自公政権継続を求める32%を上回ったことが紹介されていた。
【速報】次の衆院選で「政権交代のぞむ」42% 「自公政権の継続」を上回る結果に JNN世論調査
2024年3月31日(日) 22:51
次の衆議院選挙で、立憲民主党などによる「政権交代をのぞむ」声が42%にのぼり、「自公政権の継続をのぞむ」声を上回ったことが最新のJNNの世論調査でわかりました。
「自公政権の継続をのぞむ」と答えた人は32%でした。
【調査方法】
JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。
3月30日(土)、31日(日)に全国18歳以上の男女2190人〔固定910人、携帯1280人〕に調査を行い、そのうち47.3%にあたる1036人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話528人、携帯508人でした。
インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。
(TBS NEWS DIGより)
しかし、キャスターの小川彩佳らは触れなかったが、その直後にフリップで示された各党の支持率を見ると、立憲民主党(立民)は6.1%で、前月を下回っていた。某元号新選組も前月より下がっていた。その他の政党までは目に入らなかったが、政党支持率では一頃より相当下がったとはいえ自民党が相変わらず一番高い。
これでは、任期の9月までにこのまま衆院選が行われない場合、立民代表の泉健太に交代論が強まるのは致し方ない。もちろんそれは大のアンチ泉である私にとっては都合の良いことなのだが、支持不支持を抜きにしても、せっかくの好機に自党の政党支持率をいっこうに向上させられない党首が交代を余儀なくされるのは当然だろうと思う。
このところ急に表面化してきたかに見えるこの泉交代論に怒り心頭らしいのが、しばしば弊ブログに取り上げる泉支持者のnaoko氏だ。
田崎調べによると「立憲民主党内部には泉さんで選挙を戦いたくない人が一杯いる」
— naoko (@konahiyo) 2024年4月1日
「一杯」がいかほどかは?だが、非力な愚か者はそれなりにいるのだと感じる
選挙近くなると必ず出てくる党首を変えろ論。他力本願
かつての蓮舫小池百合子
躍進した維新の党首は誰だったよ😠#立憲ボイス#報道1930
しかし泉には2022年参院選で立民の比例票を前年の衆院選と比較して3分の1も流出させた輝かしい実績がある。
それに加えて、泉が「ホップ、ステップ、ジャンプ。5年後の政権交代」と言って叩かれたのはいつだったか。弊ブログもこの泉発言をぶっ叩いたことがあるのでブログ内検索をかけると、昨年11月8日に公開した下記記事で取り上げていた。泉の発言自体は同11月4日だった。まだ5か月しか経っていない。
5か月前の記事の一部を以下に再掲する。
現在の立民の政党支持率はやや上向いたとはいえ21年の衆院選前には遠く及ばないレベルにある。現時点で岸田が衆院を解散して衆院選になったとしたら立民の議席は減り、150議席を獲得できなかった泉健太は代表辞任に追い込まれるだろう。それは間違いない。
しかし現在、岸田内閣支持率はものすごい勢いで落ちている。維新も大阪万博問題で支持率を落とし、今後のやらかしによっては大転落の可能性もないとはいえない。その場合、いかな泉健太であっても自民や維新に起こり得るような大転落は考えられないから、前述のように漁夫の利を得て相対的にある程度の議席を獲得し、保守勢力の綱引きが決着しない場合には少数政権を成立させないわけにはいかない局面だって起こり得る。小選挙区制とは多分にギャンブル的な選挙制度なのだ。
泉の「ホップ、ステップ」論は、比例代表制をベースにした選挙制度下であれば筋が通っているといえるかもしれない。しかし小選挙区制下では明らかに間違った姿勢だ。小選挙区制下の野党第一党は、どんなに現有議席数が少なかろうが「次の衆院選で政権を獲得する」ことを目標に掲げなければならない。それが大原則である。
URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2023/11/08/083147
その後の5か月で、私が予想した通り(というより、この程度のことを予想できない方がおかしいと思うのだが)、自民党からは日々人心が離れていき、それは特に東京で著しい。本当か嘘か、立民の内部調査によると、仮に今衆院選が行われた場合、立民の候補の得票は、1人を除いて全員が自民公認候補を上回るとの結果が出たらしい、そんな噂がまことしやかに出回っている。
江東区全体を選挙区とする東京15区は、都内にあっても立民が相当に弱い選挙区だが、それでも東京で一番弱い選挙区ではない。だからこの区でも、普通に各党が公認候補を立てる衆院選の本選であれば、立民候補が自民候補を上回る結果になると、その内部調査では出ていたはずだ。たとえばの話、前回衆院選に立候補した井戸まさえ氏と、昨年春の江東区長選に立候補して落選した山崎一輝との対決なら井戸氏が勝つことになる。
その井戸氏はついに東京15区の総支部長に再任されなかった。泉のせいだか長妻昭のせいだかはたまた手塚仁雄のせいだかは知らないが、東京15区は総支部長空位のまま補選では昨年12月のやり直し区長選で都ファ系の大久保朋果に完敗した酒井菜摘に再度大役が任された。37歳の酒井氏は2019年の区議選に初当選し、昨年の区議選に再選されたばかりの若手だが、立民の地盤など全くないといえる江東区では同党きっての得票力がある。私は二度の区議選では酒井氏には投票していないが(投票した候補はいずれも落選した)、昨年12月の区長選で初めて氏に投票した。今回も立民系の候補が酒井氏か井戸氏でない限り立民候補に入れないとブログで公言していたが、酒井氏にほぼ決まりになりそうなので氏に投票する。しかし選挙に臨む立民の態勢は心許ない限りだ。
たとえば井戸氏にはまだしこりが残っているのではないか。昨年の区長選では酒井氏の擁立が決まるや、井戸氏は酒井氏を応援するXをポストしたと記憶するが、今回はまだ何も発信していない。
そして、泉支持者のnaoko氏は沈黙を守っているのだが、昨年1月に氏が発した下記Xに込められた願いは、結局(私が予想していた通り)叶えられなかったのだった。
井戸さんて枝野執行部に近かったですかね。井戸さんは割に蓮舫さんには辛口ですけどね。
— naoko (@konahiyo) 2023年1月7日
泉執行部は枝野路線継続を掲げた西村さんを幹事長に起用したし、冷遇するような人ではないと思うのですがね。いずれしろ、早く総支部長にしてあげてほしいです。
上記Xは、昨年1月8日に公開した下記記事からリンクを張っていた。
上記リンクの記事にも書いた通り、権力者は情で動くのではなく、どうやったら権力闘争に勝ち抜けるかを第一に考えて行動する。泉はその典型的なタイプだが、残念ながら風を読むというか流れを読むというかそういう能力が決定的に欠けている。
上記記事から一部を再掲する。
naoko氏と蝸牛氏の論争の言及に戻ると、人事権が枝野幸男から泉健太に移動し、泉執行部が人事権を持つ以上、枝野時代の口約束を履行するか否かの権限を持つのは泉執行部であり、井戸まさえ氏との口約束不履行の責任も泉執行部に帰すしかない。これが常識というものだ。
引き継ぎ云々に関しては、かつて第1次安倍晋三内閣から福田康夫内閣に権力が移った時、福田が安倍から申し送りされた政策を次々と棚上げしたことを私は思い出す。あれもまた権力の行使だ。権力者をいただく組織を肯定する者は権力の行使自体を否定することはできない。残るのは道義的な問題だけだ。泉がやったことも、権力者としては普通のことでしかない。それなのに、naoko氏などは「泉さんは無慈悲なことをする人ではない」という根拠のない思い込みにとらわれているようにお見受けする。せっかく多数による同調圧力に容易に流されない長所をお持ちの方なのに、まことにもったいないことである。権力者は誰しも心を鬼にして非情な人事権の発動を含む権力行使をしなければならない。そうしなければ自分が足下をすくわれてしまうからである。これは権力者を目指す者の宿命だ。
だから、ある権力者がいくら普段は「いい人」だからといって、それだけの理由で権力者を盲信してはならないのである。常に権力(者)を疑わなければならない。これがこの記事で私が一番言いたいことだ。それは何も泉健太に対してだけではなく、枝野幸男に対しても同じことだ。もちろん志位和夫に対しても同じである。「山本太郎を疑え」と、あの独裁者でさえ言っているではないか。もっとも山本の場合は言行不一致もいいところだが。
URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2023/11/08/083147
上記記事を公開した頃には、まだ共産党は松竹伸幸氏らを除名していなかった。あの件から最近の田村智子新委員長が大山奈々子神奈川県議に対して行ったパワハラの件まで、共産党の問題が噴き出し続けている。それはまだ共産党の政党支持率低下にまでは波及していないが、共産党系と見られた有力な論者が次々と「共産党離れ」しており、今やイエスマンというかイエスパーソンしか残っていないかのような惨状を呈している。しかしこの例にみられる権威主義の問題は何も共産党周りに限らないと私は力説したい。
さて、政治家に問われるのは結果責任だから、これほどの追い風を受けながら自党の政党支持率をろくに上げることもできない党首(代表)の交代論が代表選を5か月後に控えて出てくるのも仕方ない。内部調査で東京では1人を除いて全員が自民候補に勝つという結果が出ているのに東京15区の補選で負けたら、仮に他の2選挙区で勝とうが泉の責任が問われても仕方がない、というより責任を問うべきだと私は考えている。
こたつぬこ(木下ちがや)氏などは野田佳彦(野ダメ)の待望論を煽っているかのようだ。
報道1930は野田佳彦待望論。メディアでも日に日に強まってますね。
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2024年4月1日
そんなとんでもない傾向を煽らないでいただきたいものだ。またTBSもいい加減にしてほしい。幸か不幸か、私はこんな時代にあってもBSが見られない環境にいるので『報道1930』は見たことがないが。
立憲民主党クラスタに査問される時がくるとは思わなかったなあ。
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2024年4月1日
私がXにアクセスできるのは最新のポストのいくつかだけで、Xerたちのやりとりで形成されるスレッドにはアクセスできない。だから詳細は全く知らないのだが、かつての共産党系学者の「軍師」氏がいまや立民支持層主流(もしかしたら泉の支持者たちも含む?)よりもさらに右に行ってしまったということなのだろうか。まあ二階俊博の引退を惜しむくらいの御仁らしいからそうなっても仕方ないかもしれない。
今回は、昨日予告した都議会での立民及び共産議員に対して自公都ファが発した発言取り消し動議の件(これには自公はもちろん都ファ=小池百合子の危険極まりない本質がよく示されていると思う)や、連合が「小池百合子=労働者の味方」のスタンスをとることの問題点について書くつもりだったが、またも前振りの部分が膨れ上がって時間切れになった。
そこで一つだけ弊ブログにいただいたコメントを紹介して記事を締めたい。
おとおと
残念ですが上記コメントを批判的に取り上げます。
まず小堤氏については何も言えません。取り下げようが取り下げずに小堤氏が立候補しようが、私は論評する立場にはありません。
須藤に関しては一番出たいのは須藤本人であって、新選組などはむしろ扱いに困惑しているのかもしれません。というのは昨年末の区長選では新選組は酒井氏支援に乗ったからです。今回新選組が須藤を支援するなら「共産党が乗れなかった右派候補を新選組は推すのか」というネガティブな印象を持たれてしまうので、むしろ新選組は今回は堺市を推したいのではないか、だから須藤氏には出ないでもらえないかと言っているのではないかと勝手に憶測していますが、それが正しいかどうかは全く自信がありません。
乙武が右派新自由主義系であってファ(小池百合子)と相性が良いのはその通りです。ですが「立民が乗ってもおかしくない」ということは国政選挙ですからあり得ません。このあたりは(地方選では昔から平然と相乗りしていますから)建前と本音の使い分けの世界ではあるのですが、あくまで国政選挙ですから立民が都ファをブリッジにして自公と共闘するというのは支持層に対する背信行為そのものになり、そんなことをやっただけで泉体制は吹っ飛んでしまうでしょう。つまり、いくらこれまで自民や維新にすり寄っては失敗を繰り返し続けてきた泉健太でも、国政選挙での時効との相乗りはできないということです。ましてや泉を支える岡田克也や野田佳彦ら党の長老たちにも、2016年から17年にかけて小池に煮え湯を飲まされた苦い経験があるので、絶対に小池は許せないでしょう。
それから、
この手の下町の選挙区というのは「保守か、リベラルか」ではなくて「自民か、非自民か」で決まると思っているので、自民・民民が相乗りするようですし、多分乙武氏で決まりなのでしょう
とのことですが、2010年に私がこの区に来て以来自民党公認候補が衆院選に勝ったことは2017年の秋元司のただ一度しかありません。前回は野党系から自民に転身しようとしていた柿沢未途と萩生田光一や都連の支部が推したい愛知県から引っ張ってきた極右候補で分裂して柿沢が勝ちました。柿沢は2012年にはみんなの党、2014年には維新の党と、それぞれ右派系野党ではありますが非自民で勝っています。さらにその前の2009年、つまり私が翌年にこの区に来た時の現職は公明から民主に転じて2012年に「未来の党」で惨敗した東祥三でした。つまりリベラル系の当選はただの一回もありませんでしたが自民党公認候補の当選も一回しかなかったわけで(それも2019年末に逮捕されて先日柿沢未途と相前後して有罪判決が出た秋元司)、「自民か、非自民か」で決まる、というのはとんでもない偏見だと批判するしかありません。ましてやここは2人続けて自民党籍の衆院議員が逮捕されて有罪判決を受けた選挙区です。コメント主が東京西部あるいは神奈川県にお住まいかどうかは存じませんが、これらの地域の人にありがちな、あまりにもひどい偏見だと思いました。
最後に「少なくとも維新が議席を得る可能性がほぼなくなったことで安心して」おられるとのことですが、私は小池百合子の毒性は維新の毒性と全く変わらないと考えているので全く同意できません。小池百合子や小池を「労働者の味方」扱いして応援する連合に対する批判は明日以降の記事で続ける予定です。
今、おそらく現実になると思われる酒井陣営に求められるのは、2021年にプロ野球・ヤクルトスワローズの高津臣吾監督が発した「絶対大丈夫」という言葉だと思います。
立民は結局酒井氏の擁立で落ちついたようですね。
https://mainichi.jp/articles/20240329/k00/00m/010/239000c
酒井氏擁立によって小堤氏は取り下げの可能性が出てきたようです。須藤元気は流石に乗れなかったのか、本人に断られたのか。あるいは乙武氏(後述)が出てきて「中道」の幻想は捨てざるを得なかったのかもしれません。
都ファからまさかの乙武氏。いや政治信条的には全然まさかではないんですが、ここでタレント候補を切るのか……という感じです。
https://mainichi.jp/articles/20240329/k00/00m/010/187000c
保守派の候補が乱立してはいますが、この手の下町の選挙区というのは「保守か、リベラルか」ではなくて「自民か、非自民か」で決まると思っているので、自民・民民が相乗りするようですし、多分乙武氏で決まりなのでしょう。立民が乗ってもおかしくないな、と思ったのですが、独自候補にこだわったのか、あるいは乙武氏が自民に近いことを嫌った、自民相乗りは避けたかった、まあ色々憶測は立ちますね。
ひとまず理想的な展開に落ちつきそう、という感じでしょうか。少なくとも維新が議席を得る可能性はほぼなくなったと思うで僕は少し安心しています。まあ「代わりに乙武か……」とは思っていますが。