こんなXが目に飛び込んできた。
【民主主義の実験場】
— Kishax(帰社倶楽部) 🟦 🐤 (@kishaburaku) 2024年11月14日
千葉5区(市川市の一部と浦安市)
東京15区(江東区)
兵庫県
千葉5区で当選した立民衆院議員が何やら「ダブル不倫」らしい。しかし選挙区で負けて比例復活した民民の岡野純子というのも何やら問題含みの人物とのこと。もう1人、自民党の英利アルフィヤが比例復活で再選された(初当選は2023年春の同区補選)。
この千葉5区も近いが政治の事情はよく知らない。
江東区は現在の住所で、兵庫県は育った地、さらに生まれは維新の本拠地である大阪、前の住所が現在観光大使にして衆院憲法審査会で、不倫の相手である某衆院議員にして某政党のトンデモ党首のパシリとしてヤジを飛ばしまくっていたという人物で話題の高松市である。全く、現在の政局で話題の地にばかり居住経験があるのだから困ったものだ。
高松高校(略して高高=たかこう)で小川淳也の2学年上だった玉木雄一郎は、民民代表辞任はもちろん衆院議員を辞職すべきだと思うが、その話は今日はこれ以上書かない。また兵庫県知事選も今日が選挙活動の最終日なので、あとはもう悪い結果にならないように祈るばかり。
江東区では、衆院選も今年は補選と本選の2回もあったが、来年の都議選がまた混戦になりそうだ。
現在の都議会の江東区選挙区は定数4だが、自民も立民も議席を持っていない。議席配分は公明1、共産1、都ファ1、上田令子一派1という江東区らしいカオス状態となっている。
来年はこれに「石丸新党」が参戦するという。
もっとも今年7月の都知事選と同日に行われた都議補選で、都知事選候補の石丸伸二と都議補選候補の三戸安弥(上田令子一派)が選挙戦中の街宣で「邂逅」したことがあった。もちろんこれは偶然ではなく、両陣営が示し合わせた行動に違いない。だから、普通に考えれば石丸新党は候補を出さずに上田一派現職の三戸を支援するのではないか。
それでもなお、補選で3位だった世襲3世の高橋巧(元衆院議員・木村勉の孫)の出馬が予想される。リベラル不毛の地から一転して衆院補選と本選に連勝した立民も、自民党の右翼系(山崎家を支持していた系列)も議席を獲りに行くと思われるから、またまた大混戦は必至だ。
とにかく大変な乱世になったものである。
その衆院選連勝の立役者である立民の高野勇斗都議が明日(11/17)投開票の都議選武蔵野市選挙区補欠選挙の応援に行ったとのこと。
武蔵野市の居住経験はないが、隣接する杉並区西部に学生時代の短期間住んだことがあって、吉祥寺にはよく徒歩で行った。
高野区議曰く
参院選でも投稿しましたが、井の頭公園周辺は古着屋やカフェがあり、少し行くと江東区では見たことのない大きなお屋敷が立ち並ぶ。
とのことだが、これは本当にその通りで、阪神間でいえば芦屋みたいな街だと思った。杉並区から境界を超えて武蔵野市に入ると景色が変わった。
芦屋市は阪神間にあっては例外的なほど保守が強いが、それは企業経営層などの金持ちが多く住んでいるせいだろう。武蔵野市は芦屋市のような保守の街ではないが、菅直人の出身地のイメージほどリベラル一辺倒ではない。しかしあのあたりはやはり東京東部とは比較にならないほどのリベラルの金城湯池ではある。
NHKのサイトで衆院選の比例東京ブロックの開票所別の各党得票数を見ると*1、あのあたりでは立民がトップの開票所が多いことに驚かされる。東京15区(江東区)では自民24.7%、立民19.8%なのに、東京18区を構成する武蔵野市では立民25.5%、自民25.4%、小金井市では立民25.6%、自民24.1%、西東京市では立民25.1%、自民24.2%である。また今回この地域から分かれて新設された東京30区を構成する府中市は保守的との評判だが立民と自民がともに投票率24.3%、稲城市でも立民と自民がともに得票率24.3%というほとんど同じ数字で、府中市では11票、稲城市では27票だけ立民の方が多いという大接戦だった。この区の選挙結果に大きく影響したのは多摩市の数字で、立民27.3%に対して自民21.7%と大差がついた。選挙区全体では東京18区が立民25.1%に対して自民24.2%、東京30区では立民25.2%に対して自民23.5%だった。
比例ブロックがこの数字なのに、東京18区では松下玲子が福田かおるに敗れ(松下氏は比例復活)、東京30区では五十嵐衣里が長島昭久に勝った。
思い出されるのは昨年末の武蔵野市長選だ。松下玲子が衆院選に出るための市長辞職に伴って行われたこの選挙で、松下氏の後継候補は僅差で敗れた。
当時、弊ブログは下記記事を公開した。
以下、記事の終わりの方から少し引用する。
やっぱり衆院選候補は都議選で都ファの候補をKOして圧勝した五十嵐衣里氏の方が良かったんじゃないかなどとよそ者の私は無責任に思ってしまうのだが、こういうのは地域が決めることだからそれは仕方ない。
(中略)しかしこの市長選の結果が、遠くない時期に行われる衆院選の東京18区の結果にも強い悪影響を与えることは必至だろう。
昨年末の懸念が現実になった。
東京18区に共産党候補が立ったことは理由にはならない。東京30区にも共産党候補は立ったし、わが東京15区にも立った。
小選挙区と比例ブロックの共産党の得票を比較すると、たいていの選挙区では小選挙区の方が共産党候補の得票率は高い。特にその選挙区に立民候補がいない場合は目立って高くなる。歩留まりは共産→立民より立民→共産の方がずっと低いとはいえ、「野党共闘」の効果はやはりある。東京18区に共産党候補が立たなければおそらく松下氏は当選しただろうが、それは言い訳にはできない。選挙区に候補者を立てるのは各党の自由だ。
同じ選挙区に立民候補がいる場合でも、多くの選挙区では小選挙区の方が共産党の支持率は高い。共産党員や支持層の票の一部が立民候補に流れるが、無党派層や候補者を立てていない党の支持層からの票を得てその効果はほぼ相殺されている。
そうはいっても選挙区ごとにバラツキはあり、たとえば東京15区の共産党は比例ブロックの得票率7.7%に対して小選挙区が6.2%と1.5ポイント低かった。またしんぶん赤旗がSNSを有効に活用していると称賛した香西克介が立った東京3区でも、共産党は比例ブロックの得票率7.2%に対して小選挙区の得票率が6.0%と、1.2ポイント低かった。この小選挙区の得票率6.0%は、今回の衆院選での都内小選挙区における共産党候補の得票率としてはワースト記録だ。東京15区は東京3区に次いで二番目に低かった。
これらのうち、東京3区は候補者本人に、東京15区は補選には立てなかったのに本選に立てたことにそれぞれ問題があったと私は考えている。共産党は島根1区や長崎でも同じパターンで衆院本選に候補を立てたけれども、接戦が予想された東京15区では補選で得た野党の議席を守りたいと思った共産党支持者や党員、無党派層が多かったと思われる。同党の江東区委員会や候補者には気の毒な経緯であり、結果だった。責を負うべきは党の執行部だと思う。
一方、東京15区の立民は、これまで誰かにネットで指摘されたのを見たことはないが、酒井菜摘候補の選挙ポスターには、補選の時と同様に「市民と野党の共闘」の文字がさりげなく入っていた*2。当然ながら江東市民連合の了承を得ていなければこんなことはできない。このあたりのきめ細かさに、困難極まりなかった今回の衆院選を勝ち切った酒井陣営の実力というか底力を見る思いだ。今回の衆院選での「野党共闘」は不成立には終わったけれども、同陣営と江東市民連合とのつながりはまだ失われていないと思われる。
本記事の本題である東京18区に関しては、共産党候補の得票は、小選挙区の方が0.1ポイントだけ比例ブロックより多かった。一方、30区ではこの差が0.4ポイントで、むしろ東京30区の方が共産党支持層や党員、無党派層の共産党候補への歩留まりが高かった。それにもかかわらず、五十嵐衣里候補の票の伸びが選挙戦中に非常に大きかったために、大逆転勝利に至ったと思われる。選挙前には、同候補の権力思考の強さを報じた雑誌記事だかがネットにも流れたため、五十嵐氏に悪いイメージを持った有権者も少なくなかったと思うが、五十嵐氏はそれをもはね返した。たいへんな実力の持ち主に違いない。なお私は、政治家が権力欲を強く持っているのは当たり前だと思う人間なので、あの記事は特に気にならなかった。政治家の暴走を止めるのは、その政治家の支持者を含む有権者の責任だと私は考えている。現在は玉木雄一郎や榛葉賀津也について特にそれが強く当てはまる。
一方、東京18区については立民の候補者(現衆院議員)及び総支部に課題が残ったといえるのではないか。その意味でも、兵庫県知事選挙と同じ明日投開票される都議選武蔵野市選挙区補欠選の結果が注目される。
*1:https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/00/hsm05.html
*2:選挙事務所に貼られたポスターにはこの文言は入っていなかったと記憶する。でも選挙の掲示板に貼られたポスターには入っていた。