kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

関口宏が『サンデーモーニング』を勇退。しかしここ最近の関口は本当にダメダメだった。後任の膳場貴子には期待

 サンデーモーニングから関口宏が退いた。1987年10月から36年半続けていたという。私がFC2でブログを始めてからこの4月で18年になるが、その倍以上やっていた。同じタイミングで番組を去るサブキャスターの水野真裕美、この人も長くやってきたと思っていたが12年やったらしいから*1、関口はその3倍以上やっていた。

 番組は継続し、後任は膳場貴子とのことだが、この人選は良かった。なぜならこの人はNHK出身のキャスターの中で唯一私が評価する人だからだ。NHK時代はむしろ体制的なイメージがあって嫌いなタイプだったが、TBSに移って(フリーだが専属契約を結んでいるようだ)良くなった、というよりNHK時代には自分を殺していたのだろう。

 以前にも書いた覚えがある余計なことをまた書くと、某「リベラル」ないし都会保守のブロガー氏がお好みらしい有働由美子*2を私は大嫌いだ。なんといっても日本テレビの『news zero』が政権寄りすぎて受け付けない。有働は膳場貴子とは違ってNHK時代にもやりたい放題やってきて、それがむしろ上層部の受けが良い理由だったようだが、体制的な枠からは決してはみ出さない有働にはNHKの上層部が安心感を持っていたためではないかと私は勝手に思っている。

 膳場は関口よりもむしろ期待できるのではないか。というのは最後の頃の関口はむしろダメダメだったからだ。たとえば最終回だった今回も、一昨年に岸田文雄政権が打ち出した稀代の悪政である軍事費倍増政策について、仕方ないかもしれないと思う一方で云々と言っていた。これでは現在の野党代表である泉健太山本太郎が岸田の軍事費倍増政策を受けて最初に発したコメントと変わらず、センスが悪すぎる。むしろ保守側の論者であるはずの藪中三十二が発した「国会での審議もなしにいきなり16.7%も上げたのに驚いた」というコメントの方がよほど健全だ。対GDP比1%枠は1976年に三木政権が決めたものだが、弊ブログが少し前の下記記事にも書いた通り、中曽根政権時代に中曽根がレーガンにこの枠を破って防衛費を増やす口約束をしたのに対して政権ブレーンだった高坂正堯がこの政策に反対した。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記記事は宮武嶺さんの下記ブログ記事からもリンクしていただいた。

 

blog.goo.ne.jp

 

 上記記事に、宮武さんは

反撃能力=敵基地攻撃能力=先制攻撃能力の具備。

大軍拡。

原発新増設。

諸悪の根源と言われた安倍晋三元首相でもできなかったことをあっさりやり遂げる岸田首相は本当に恐ろしい政治家です。

と書いているが、私も本当にその通りだと思う。それこそあの安倍晋三と比較してさえよほど恐ろしい。

 敵基地攻撃能力については、前記藪中氏も、岸田がこれをいきなり言い出したのには驚いたとコメントしていた。藪中氏はあからさまな保守派なので好感は持っていないが、それでも保守派なりのまともな感覚は持っているプロフェッショナルの人だと思う。それに対して、岸田の言動はまるっきりアマチュアなのである。

 中曽根康弘高坂正堯の話に戻ると、2人の意見が一致しなかった結果、1%をわずかに超えることで妥協したが、その後40年近く軍事費の対GDP比は1%前後でほとんど変わらなかった。それを爆上げさせたのが岸田だった。なるほどトランプだかバイデンだか忘れたが口約束したのは安倍だったし、安倍は自らが政権を退いた後に「財源は増税ではなく国債で賄え」などと抜かし、その主張は高市早苗に受け継がれているが、自らが総理大臣だった頃には、軍事費爆上げには手をつけなかった。このあたりの安倍はなかなか狡猾だったといえる。生前に後継者を作らなかったことを含め、安倍のモットーは「我が亡き後に洪水よ来たれ」だったに違いない。そして2022年7月8日に、本当にその日が来てしまったのだった。その次の次の総理大臣だった岸田は、稀代の無能な政治家だった。何しろ総理大臣になることだけが人生の目標だった人で、その目標を達成したあとにはしたいことなど何も残っていないのである。これ以上ひどい某国の政治家はいない。なんといっても岸田の「鈍感力」には驚かされる。もちろんここで私は「鈍感力」という言葉をかつて渡辺淳一が書いたような肯定的な意味ではなく、ひたすら否定的な意味に用いている。しかしそんな岸田を「アブナイ安倍派を抑えるために」と期待しているのが、前述の有働由美子がお気に入りの「リベラル」ないし「都会保守」のブロガー氏なのだ。

 そんな岸田政権に対して、どういうスタンスをとるか。膳場貴子氏及び彼女を関口の後任に選んだTBSには、まだかすかながらの期待を残している今日この頃。もっとも、ダメダメになって久しかった関口を今日まで引っ張ったことを思えば、期待しない方が良いのかもしれないが。

*1:もっとも関口に次いで長いのは唐橋ユミであって、調べてみたら彼女は2004年10月からずっと出演している。彼女は4月以降も出演を継続するらしい。

*2:数日前にもブログで有働を取り上げていた。