昨夜は食事もとらずに疲れで寝てしまって、その分を今日の朝食に回したというひどいありさまなのだが、国会で立民参院の辻元清美が、岸田政権が丼勘定で倍増を決めた軍事費が円安で圧迫されている件を追及していたようだ。
1ドル108円で計算してアメリカの老朽兵器を買い込むはずが現在は1ドル150円近い。どうするつもりだ、というのだ。
岸田の答弁は何を言っているのか全くわからなかった。
円安については、安倍政権の経済政策の影響などもあるだろうが、1994年に日本のデフレが始まったとされており、その間他国の物価も賃金も上がり続けてきたのだから、最近まで1ドル108円で計算できる為替レートだった方がむしろ不思議で、現在は日本経済の化けの皮が剥がれたために正常化されていると私は見ている。
物価高にしても、食料自給率の低い日本が輸入食料品の円安によるコスト高がきっかけになっていることはほぼ間違いないだろう。まずレストランでの値上げが目立ち、次いでスーパーで売られる食料品の値上げに波及したとの印象が強い。賃金はそれにつられる形で大企業などで上がった。だからこれを芳野友子の手柄とみるのは大間違いだ。
通常国会冒頭の代表質問では、岸田文雄と立民代表の泉健太とが「供給側の政策が重要」との認識で一致し、それに対して岸田にべったりのはずの玉木雄一郎がXで異を唱えたことがあったようだが、私は岸田ともども泉の経済観に大きな問題があると思う。泉の発想はいちいち新自由主義的なのだ。
今日は全く時間がないのであとはNHKニュースの一部を引用するにとどめる。
以下、本記事に関連する部分のみ抜粋。
防衛費の増額めぐり
また、辻元氏は防衛費の増額をめぐり「去年、5年間の防衛費を43兆円に増額すると決めたとき、為替レートを1ドル108円で試算している。今の為替レートでは43兆円をはるかに突破するのではないか」と指摘しました。
これに対し、岸田総理大臣は「43兆円という金額は必要な防衛力を用意するために検討し吟味して積み上げた数字だ。閣議決定した数字なので、この範囲内で防衛力を強化していく方針に変わりはない。為替の動向も見ながら効率化や合理化を徹底し、現実的にどういった効果的な防衛力の強化ができるか、財源の確保と合わせて具体化していきたい」と述べました。
(NHKニュースより)
URL: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231127/k10014270011000.html
43兆円という数字は岸田の丼勘定なので、あとから(岸田にとっては都合よく)円安で帳尻が合うようになりつつあるといったところなのだろうかと勘ぐりたくもなる。もちろんその分政府支出が圧迫されるわけだから、社会保障のみならず公的部門の人件費やインフラのメンテに必要不可欠な公共事業、それに学問や文化のためへの支出などに対してことごとく削減への強い圧力がかかるわけだ。たとえば役所に多い非正規職員の現状などはめちゃくちゃに厳しいはずだと私は想像する。これはまず間違いないだろう。
日本国民は「無駄を削減して」という耳あたりが良いかもしれない(私にとっては精神衛生上最悪な)言葉がいかなる事態を招くかを、いくらなんでももうそろそろ真面目に考えるべき時だ。