kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

自民党が東京15区に候補者を立てなかったことで、自民党が被るネガティブな影響はいろいろあるが、最大のポイントは日本保守党に場所を与えたことだろう。(中島岳志氏のXより)

 検索語「乙武 5位」でググったら、中島岳志のXがヒットした。私はこの人があまり好きではなく、ブログでもしばしば批判してきたけれども、いつだったか白井聡を批判した時のように(残念ながらこの時にはせっかくの批判を寸止めにしてしまったのだけれど)、たまに的を射た指摘をすることがあるので、無視できない学者だ。

 

 

 従来は、三春充希氏が指摘していて私も追随した通り、自民党が極右の支持層まで押さえていたので極右政党が進出できなかった。都知事選であれほどの得票があった石原慎太郎をもってしても。

 でも現在は、岸田文雄が中途半端な権力闘争を安倍派に仕掛けている。岸田はなぜか森喜朗萩生田光一には手をつけないで、塩谷立などの集票力の低い議員をターゲットにして離党に追い込むなど、いかにも岸田らしくせこいことをやっている。その上、東京15区で自前の公募候補を立てよようとした江東総支部に待ったをかけて、小池百合子の息のかかった候補を15区に押しつけようとした。この主犯はドリル小渕優子であって、この一件は彼女の無能さをよく示しすものだ。ところがその候補がなんと乙武洋匡だった。これによって、立民の酒井菜摘候補が突如本命にのし上がるとともに、超極右政党である日本保守党につけ入る隙を十分に与えた。自民党選対(ドリル小渕)が犯したたった一つの失着からこんなことになるのだから、政界はまさに「一寸先は闇」だ。まあ今回は同時に光、つまり酒井菜摘氏の当選ももたらしてくれたわけだけれども、それはあくまでこちら側、つまり自民党にとっては敵から見ればの話だ。ドリルが自民党江東総支部に当初の予定通り候補者の公募をやらせておけば、ここまで保守党に侵食を許す結果にはならなかっただろう。

 そう考えると、「自民党が被るネガティブな影響はいろいろあるが、最大のポイントは日本保守党に場所を与えたことだ」という中島岳志の指摘には説得力がある。

 

 

 私がNHKの画面から見る限り、「ほとんど」というほどではなく3分の2くらいだったように思ったが、想像していたよりもずっと歩留まりは高かった。それより、島根1区で「公明票は半々に割れている」というのが驚きだ。実際の出口調査の詳細なデータにはまだ接していないけれども、開票速報が始まる前に下記三春氏のXを見て、島根1区は接戦になるかもな、と私は思っていたのだった。

 

 

 一般に補選は本選よりも投票率がずっと低くなるので、島根1区の「1.17ポイント減」という数字は脅威ではないかと思ったのだ。しかし選挙結果は大差だった。東京15区は島根と長崎の中間だったので、公明票がかなり動いたものの、その絶対数はやや不足気味、つまり寝てしまった人たちが結構いるんだろうなと思って、酒井候補を応援する私としてはポジティブに捉えていたのだが、公明票乙武への歩留まりの高さにはさすがに驚いた。つまり中島が書く通り、「現在の自民党執行部よりも、小池知事に尻尾を振った形になっている」。実際、ドリル小渕は江東総支部の意を汲む意向を同支部に伝えていたので、本当に動かなかったのだろう。その結果、自民党支持層から乙武にはたいした票が流れなかった。この理由は弊ブログで再三指摘してきた通り簡単な話で、下手に乙武に当選されてしまうと本選でも出てきて自分たちが推したい候補が入り込めないからだ。しかし公明党はそんな江東区自民党支部の意向よりも、小池百合子に尻尾を振る方を選んだわけで、この党の執行部の腐敗堕落ぶりは本当にどうしようもないと思う。

 

 

 そりゃ大阪万博なんかにあんなに執着したらそうなるに決まっている。

 

 

 上記Xに下記の反応があった。

 

 

 そりゃ中にはそういう人もいるだろうがしょせんn=1であって何の反論にもならない。公明支持層の多数が乙武投票に動いたことは出口調査の結果にはっきり示されている。それでも乙武は大大大惨敗したのだ。

 

 

 この八王子市長選についてはよく知らないが、調べてみると自公候補と元都ファの2人による事実上の三つ巴で、その片方に立民や共産を含む野党がついた。滝田氏というその候補のリードが一時伝えられたものの、小池百合子が元都ファの2人を敵に回して自公に助太刀し、その効果で自公候補が勝ったとされているようだ。

 八王子市長選当時、私は中央線沿線の八王子だから墨東の下町とは違って小池の影響力も限定的なのかと思っていた。なぜなら同市長選は、都ファ候補の圧勝だったやり直し江東区長選とは違ってかなりの接戦だったからだ。

 しかし衆院東京15区補選を終えた今思うのは、時間の経過とともに自民党への支持も小池百合子の神通力も、かなり激しい勢いで落ち続けているのではないかということだ。八王子市長選は江東区長選と衆院東京15区補選の間のタイミングで行われたからああいう結果になったのではないか。それに土地柄としては、萩生田光一が君臨する八王子は中央線沿線とはいっても武蔵野市などとは全然違って、むしろ東京東部に近い保守優勢の地域らしい。そして江東区長選で3万4千票だった酒井菜摘は、東京15区補選で一部は須藤元気に票が流れたと思われるにもかかわらず4万9千票強を得た一方、小池に推された乙武は2万票にも届かなかった。

 つまり私は、八王子市長選ではまだ残っていた小池百合子の威光が、目黒区長選や衆院東京15区補選ではすっかり神通力を失ってしまったのではないかと考えている。