kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

倉敷の女児誘拐事件とネット「村社会」の反応など

先日起きた倉敷の女児誘拐事件は、倉敷マスカットスタジアム*1の近くで起きた。JR西日本の駅でいうと中庄(なかしょう)駅に近く、一駅西にある倉敷駅倉敷市の中心部)からはかなり離れている。早い話が「田舎」なのだ。

事件のニュースを聞いて、これはまず生きてる可能性は低いんじゃないかと暗い気持ちになった。何しろ最近の倉敷というと悪いニュースばかり多いという印象で、かつての住人として残念に思っていたのだった。それが思いがけず被害者が生きて見つかり、犯人が逮捕されたと聞いて安堵した。

http://www.sanspo.com/geino/news/20140720/tro14072017510006-n1.html

倉敷小5女児監禁事件、事件前にナンバーを偽装か

 岡山県倉敷市の小5女児(11)の監禁事件で、逮捕された自称イラストレーター藤原武容疑者(49)=岡山市北区楢津=が事件前、所有する銀色の車のナンバープレートを偽装したとみられることが20日、岡山県警への取材で分かった。

 酷似した不審車が4月以降、女児の自宅周辺で3回目撃されており、倉敷署捜査本部は、あらかじめ用意した別のナンバープレートで偽装した上で下校中の児童を狙うなど計画性があったとみて調べる。

 県警などによると、ナンバーの偽装を目撃したのは女児宅近くに住む女性。自宅前で4月、車のナンバープレートの上に重ねた別のプレートを取り外していた男を不審に思い、女児不明後、覚えていた「岡山」や数字4桁のナンバー情報を県警に伝えた。

 女児の母親(39)も5月と6月に2回、自宅周辺で不審な銀色の車を目撃し、記憶したナンバーを県警に話していた。2人が目撃した数字4桁と藤原容疑者の車のナンバーが一致したという。藤原容疑者は数カ月前に銀色の車に乗り換えたばかりだった。

 女児とは面識はなく、これまでの調べに「下校中の女児に声を掛けて自分の車に乗せた」と供述している。女児は14日夕方以降に藤原容疑者の自宅に連れてこられてから、19日夜に1階洋間で保護されるまで外には出なかった。

 県警は、未成年者誘拐容疑でも捜査しており、20日に自宅を家宅捜索。女児のランドセルや靴を押収したが、携帯電話は発見されなかった。21日に送検する。

 女児は14日午後4時半ごろ、自宅付近で銀色の車の男と話している姿が目撃され、その後、行方が分からなくなった。

 母親は20日、「娘の姿を確認し、抱きしめることができて、これ以上ない幸せを感じました」とのコメントを出した。(共同)

サンケイスポーツ 2014.7.20 17:51)

少し前まで、岡山県の車はどの市町村だろうが「岡山」ナンバーしかなかったが、2006年にご当地ナンバーとして「倉敷」ナンバーが作られた。犯人は「倉敷」ナンバーを偽装したものだろうか。

ここまでは良かったのだが、例によってネットの反応が問題含みだったようだ。事件解決後だいぶ経つ今頃になって、この事件について書こうと思ったのはそれが理由だ。

まず、2ちゃんねらーどもが、犯人は女児の母親だったと決めつけて騒いでいたらしい。

http://www.logsoku.com/r/poverty/1405750716

【悲報】+民が倉敷女児誘拐事件の犯人を母親と決め付け母親叩き開始

1 : 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です[sage] 投稿日:2014/07/19(土) 15:18:36.74 id:fOdsGejM0● BE:159320776-2BP(11000) [1/1回]

【社会】倉敷女児不明 「シルバーの乗用車」該当車出ず、手がかりなし★33
7 名前:名無しさん@0新周年@転載は禁止[sage] 投稿日:2014/07/19(土) 11:55:49.47 id:v7jIvtiL0
 この事件の不思議な点

  • 公開捜査が24時間もたたずにされた点(身代金略取を考えなかった?また犯人が逆上して殺害する危険は考えなかった?)
  • 行方不明になった翌日に下の娘の誕生会を開いている点
  • 不審者(いれば)が16時に誘拐して21時まで携帯もって近所をうろうろしてた点、なお母親も21時まで近所をうろうろしていた模様
  • 公開捜査にしておいて、マスコミに騒ぐなと依頼
  • 経緯に不自然な部分が多すぎること
  • なぜか警察の捜索が緩いとこ(かなり確度の高いホン星にアタリがあるのか)
  • 母親の供述が二転三転してるとこ(不審車の目撃時期など)
  • マスゴミはともかく、ネット上でも母親のリークが皆無なとこ

26 名前:名無しさん@0新周年@転載は禁止[sage] 投稿日:2014/07/19(土) 11:59:45.37 id:Ls0pIK1+0 [1/11]
 >>7
 鈴鹿はバカだったけどこの女は一味違うな
 用意が周到すぎる
 警察へ出向いてたのもGPS持たせたのも全部意味があるんだよ
 GPSは操作かく乱の為
 偽装ナンバーは犯行者の未特定
 ナンバーと車体所有者さえ割れなきゃ人物特定はかなりむずかしいだろ

10 名前:名無しさん@0新周年@転載は禁止[] 投稿日:2014/07/19(土) 11:56:45.77 id:ARynd3bl0 [1/3]
 ヒロイン性人格障害なんじゃねーのこの母親

13 名前:名無しさん@0新周年@転載は禁止[] 投稿日:2014/07/19(土) 11:57:19.44 id:Glq79rjr0 [1/13]
 >>10
 それ思った

そして女児が発見されると、今度は「犯人宅でくつろぎすぎだろ」と被害者を批判する始末。そればかりか、近隣の住民に対する批判が続出した。

http://matome.naver.jp/odai/2140600603071335101 より

東京や神奈川や大阪のような都会であれば、人口が多くつながりも希薄なため、不審者も見抜きづらくなってしまう。今回の事件は岡山市倉敷市が共同体の生きた田舎であったお蔭で早期の解決が実現できたものだ


この岡山の地域性を非難する声がネット上に殺到している

犯人より住民が「気持ち悪い」「怖い
ところがインターネット上では、この地域住民をバッシングする声が後を絶たなくなっている。中には容疑者に同情や擁護をするような意見も少なくない


https://twitter.com/cookienuts98/status/491081433620832256

なすのはやて@CookieNuts@cookienuts98

地域住民とかの映像見る度に逆に犯人に同情したくなるんだよなぁ。自分だったらあそこで生きていける自信ない

https://twitter.com/ann_momitsu/status/491185584623194112

ann@C86_土曜_テ48b@ann_momitsu

他人の買い物内容を細かく把握している近所の住民や、顧客の家の間取りを漏洩するリフォーム屋や、唐揚げ弁当を買ってるだけの人を気持ち悪いという弁当屋。大都会岡山の闇が見える。

https://twitter.com/koorogiyoshoku/status/491173916803489792

コオロギ養殖 ‏@koorogiyoshoku

岡山県倉敷市の小5女児誘拐事件 誘拐する本人を擁護する気はないが周りの住民もクズ揃いだな ・家の間取りを詳細に説明するリフォーム業者 ・買い物に行く時間帯・服装を語る近隣住民 ・普段の買い物袋の数と最近の買い物袋の数の違いを語る近隣住民 etc そりゃ若者は都会に出るわ


一方、こうした住民非難や容疑者擁護をたしなめる声もある

田舎では横のつながりは当たり前に存在し、ましてや今回のような不審者であればより警戒も強まる。ツイッター上には今回の事件をめぐる地域住民バッシングをたしなめる声もある


https://twitter.com/Na_Universe/status/491345933171318784

R ‏@Na_Universe

うちの旦那もだけど、殺して無かったんだから許してやれとか、犯人の買い物袋監視してた周辺住民の方が怖いとか、 岡山の誘拐犯に若干でも同情(?)する様なコメント出来る人は自分も十分予備軍である事を分かった方がいいよ。

https://twitter.com/ons816/status/491175892001902593

生けもの ‏@ons816

岡山の事件。リフォーム業者がペラペラ喋って異常とか、周辺住民が容疑者の買い物内容が変だと気づいたのが異常とか言ってるけど、明らかおかしい奴だったらみんな観察するだろうけどな。そうでなくても、一人暮らしのおっさんが急にお菓子とか買い始めたら「おや?」と思うのは普通だろ?

犯人の住所は岡山市だったが、やはり市の中心部から外れた「田舎」だった*2

ネットでは岡山・倉敷の「村社会」があげつらわれたが、そんなネットの反応もまた「村社会」そのものではないかと私は思ってしまったのだった。

ところでこの事件に関しては、誘拐犯・藤原武容疑者の経歴も報じられている。

http://www.asahi.com/articles/ASG7T3K6VG7TPTIL00B.html

カント愛した元院生、存在感薄く 岡山・女児監禁容疑者

 岡山県倉敷市の女児(11)が監禁され、5日後に保護された事件で、逮捕された岡山市北区の無職藤原武容疑者(49)は、大学院で哲学を学び、研究者を志した寡黙な青年だった。監禁容疑での逮捕から26日で1週間。県警は未成年者略取容疑での立件に向けて、事件の全容解明を進める。

 「カントを愛している」

 約20年前、大阪大学大学院の博士課程で倫理学を専攻していた藤原容疑者は、研究室の宴席で同窓生にこう打ち明けた。寡黙で勉強熱心。青春時代の藤原容疑者を知る人たちの印象は似通う。交友関係は少なく、存在感は薄かった。

 地元の私立高校を出て、一浪して法政大学に進学。その後、ドイツの哲学者カントに心酔し、大学院の研究室で研究者を志した。

 だが、学問の壁に突き当たる。学友が順調に助手や教職に就き始める中、1人だけ就職先が見つからなかった。ある同窓生は「進路が決まらず焦っていた。気まずかったのか、周りに気づかれないように単位取得退学した」と話す。1995年ごろのことだ。

 大学院を退学した後は、家庭教師などの職を転々としていたようだ。96年〜99年ごろは、大阪府内の公立中学校で夜間に校内を見回る宿直員として働き、宿直室で寝泊まりしていた。

 同じ時期に勤務した男性教諭は「岩波書店の難しそうな本を黙々と読んでいた。無口だが愛想がよく、先生や生徒とあいさつを交わしていた」と話す。休日の電話番を引き受け、部活動の早朝練習に来る生徒のために、早起きして校門を開けていたという。

朝日新聞デジタル 2014年7月26日10時30分)

藤原容疑者が大阪大大学院の博士課程を単位取得退学した1995年とは、日本の労働市場に大きな変化が生じた年だ。日経連(現経団連)が「新時代の日本的経営」を発表し、翌年には派遣労働が職種を拡大された。理系でも、大学院の修士課程を出たけれども職がみつからず、専門職であっても畑違いの分野の派遣社員として働く若者を目にするようになった頃だ。つまり、この頃には既に、哲学はいわゆる「潰しが効かない」分野の代名詞とみられていたはずだ。

もちろん容疑者の犯罪が許されるものではないが、巡り合わせが悪かったと思ってしまう。

*1:マスカットスタジアムではプロ野球の広島や阪神が試合を行う。オープン戦ではあったが、唯一イチローのプレイを生で見たことがあるのがこの球場だった。公式戦は2試合見たが、2000年の原爆記念日にやった広島対阪神戦の印象が強い。瀬戸内の夕方にありがちな凪の日で、その猛烈な暑さと、カープの主催試合とは思えないほどの阪神ファンの多さに閉口した。この年阪神は最下位に終わったが、この試合に限っては一方的な阪神ペースで、広島は完封負けを喫した。

*2:余談だが、岡山市中心部といえば、あの「おい!小池」の小池俊一が、岡山県庁近くの住宅地にかくまわれたまま死亡したニュースがあった。これは、今回とは正反対に、よく気づかれなかったなと思わされる事件だった。

ブログ主の方がよほど「危険すぎる」かと。

ついにここまできたか。

Dendrodium 天皇陛下は安倍政権の新大臣任命は回避なさるべきでは?(2014年7月6日)より

(前略)「憲法にしたがって・・・・・」と常に仰っておられる天皇陛下が、
政治犯罪の疑いのある内閣の要請を聞いて、新大臣を任命されるのは、危険すぎはしないだろうか?(後略)

いや、「危険すぎる」のはどう見てもブログ主さんの方だと思いますが。

あまりのアレな内容に、常連コメンター(宗純=旧「布引洋」=氏ら)も沈黙してる。

気持ちはわからんでもないけど、トンデモはトンデモだと教えてあげた方が良いかと。

いまや「崖っぷち」の極右の女王・稲田朋美、安倍晋三に必死の大臣留任アピールか

稲田朋美といえばかつての当ダイアリー及び「きまぐれな日々」のアイドルであって、いろいろな思い出がある。

まず、私が稲田の名前を認識した、「加藤紘一の実家全焼を笑いものにした」件。

http://shizunaijin.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_2e14.html(2006年10月6日)より孫引き。

2006年09月05日北海道新聞一面掲載
連載 「自民総裁選の底流 安倍政治の行方1」


(前略)稲田氏は、地元福井の新聞で首相の靖国参拝を批判する加藤紘一元幹事長と対談したことを紹介。加藤氏の実家が右翼団体幹部に放火された事件について「対談記事が掲載された十五日に、先生の家が丸焼けになった」と軽い口調で話した。約三百五十人の会場は爆笑に包まれた。言論の自由を侵す重大なテロとの危機感は、そこにはみじんもなかった。

また2008年には映画『靖国 YASUKUNI』検閲事件を引き起こした。

稲田朋美議員が問題化した映画「靖国」がすべて上映中止に - Transnational History(2008年4月1日)より

見たかった映画が見れなくなりました。この国は中国じゃありませんよね?

3/31 http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20080331-567-OYT1T00594.html(注:リンク切れ)

 靖国神社をテーマにした日中合作のドキュメンタリー映画靖国 YASUKUNI」が、東京と大阪の映画館5館で上映中止となったと、映画を配給するナインエンタテインメント社が31日発表した。

 中止を決めたのは東京都内の銀座シネパトス、渋谷Q−AXシネマ、新宿バルト9、シネマート六本木の4館と大阪府内のシネマート心斎橋。いずれも今月12日から公開を予定していた。「公開によって、近隣の劇場や商業施設などに迷惑が及ぶ可能性がある」(銀座シネパトス)などと理由を説明している。(中略)

 19日に新宿バルト9が公開中止を決定。その後、他の映画館や配給会社に上映中止を求める電話などがあったという。(中略)

 配給会社では「国際的な評価も高い作品が、こうした事態に陥ったのは大変遺憾。日本社会における言論の自由表現の自由への危機を感じる」とコメントを発表。文化庁芸術文化課では「一般論として、芸術文化の発展の機会が外部からの嫌がらせで妨げられてはならない」と話している。

 最初に助成を問題視し、試写会に参加した自民党稲田朋美衆院議員は「我々が問題にしたのは助成の妥当性であり、映画の上映の是非を問題にしたことは一度もない。いかなる内容の映画であれ、それを政治家が批判し、上映をやめさせるようなことが許されてはならない」などとする談話を出した。

上記読売の記事では、映画を検閲した稲田朋美が、自らの圧力を否定するかのような苦しい言い訳をしている。直後に、稲田は田原総一朗からのテレビ番組出演打診を拒否して逃げ出し、田原に欠席裁判で罵倒される羽目に陥った。

そんな稲田朋美を天まで届かんばかりに持ち上げたのが、あの天木直人だった。

amakiblog.com - このウェブサイトは販売用です! - 政治活動 リソースおよび情報(2010年10月6日)

 久しぶりに代表質問らしいものを聞いた。10月6日の午後に行なわれた衆院代表質問における自民党稲田朋美議員の質問がそれだ。

 メディアが書く前に私の評価とこの質問が日本の今後の政局に与えざるを得ない影響について書いておきたい。 

 稲田氏の考えは、今の日本の政治のなかでも、最も保守・国家主義的な考えであり私の考えとは基本的なところで大きく異なる。

 しかしその立場の違いにもかかわらず、今日の彼女の代表質問は見事であった。

 菅民主党首相にぶつけた質問事項のすべては、いずれも現下の重要な問題であり国民の多くが菅首相に聞いてみたいと思っている事柄だった。

 一切の馴れ合いを排し、周到に準備された自分の言葉で菅民主党政権の政策の弱点や、民主党という政党が抱えている矛盾を見事についた。民主党攻撃材料のすべてがその中にあった。

 これこそが野党の代表質問である。

 トップバッターで質問した自民党党首の谷垣氏の代表質問があまりにも凡庸であった為そのするどさが際立った。

 ひるがえってそれを迎え撃つ菅首相の答弁には失望させられた。

 「私も野党時代は激しい質問をしたが、これほど汚い言葉で質問をしたことはなかった」などという言葉で応酬したつもりの菅首相の答弁は、あらかじめ用意された官僚答弁の棒読みに終始した言い訳ばかりだった。

 あげくの果てに、質問中に稲田議員が発した「官僚の書いたものを読み上げるのではなく総理自身の言葉で答弁願いたい」という言葉に言及して、「そんな事をいうのなら自分も原稿なしで質問したらどうか」などという捨てゼリフを吐いて、その答弁を終えた。

 誰が聞いても菅首相の完敗であった。

 自民党はこの際世代交代を一気に進め稲田氏のような論客を前面に押し出して本物の国会質問を行なうことだ。そうすれば菅・仙谷民主党政権を追い込むことができるだろう。

 民主党の最大のアキレス腱は、この稲田議員の質問に共鳴する議員が多数存在するということだ。

 いま解散・総選挙をすれば自民党は躍進するに違いない。その前に民主党が分裂し、若い世代たちが中心となる政権再編が起きるだろう。

 その動きは保守政党の時代へとつながっていく。

 政治は混沌とした時代に突入しつつある。

 それを予感させた稲田質問であった。

天木直人に絶賛された稲田朋美は、ついに第2次安倍内閣の閣僚に任命された。

安倍政権の「ヘソ」は極右・稲田行革相ではないか−あるいは放置される人々 - 緑の五月通信(2012年12月31日)より

(前略)同じ代議士、しかも同じ党の人間が「実家放火」というテロに見舞われたのに、憤らないどころか、話題にして笑いを取るこの状況はいったい何か?ここでは、「右翼テロ」という行為が自然現象か何かのように語られてしまっている。これを書いた記者に偏見でもあるのだろうか。ともかく、これを読む限り、稲田氏は聴衆の笑いを平然と容認してしまっている。先の右翼組織から懲戒を求められたエピソードを知ったあとでこれを読むと、「稲田氏は、政治家の靖国参拝を反対するような人間は右翼テロにやられて当然と考えているのではないか」という疑念が湧いて仕方がないのだ。

 しかも、弁護士だった稲田氏を政界に引っ張ったのは、2005年当時、自民党幹事長代理だった安倍氏なのだし、今回、衆院議員になってまだ7年目の彼女を内閣に引っ張り上げたのも安倍氏だ。まさに「子飼い」。ここまで書いた稲田氏の経歴を知った上での大臣登用−いや、よく知っているからこその大臣登用であるのだろう。その意味では、この政権には右翼テロを容認あるいは黙認する「種」が胚胎されているぐらいの警戒はしておくべきだ。

 「行革相なんて政権の脇役中の脇役だろ」と言う人もいるだろう。たしかに政権の中心は経済・外交・防衛にあるとされる。だから茂木経産相や岸田外相は、安倍政権の「看板」なのだ。

 だが、政治家としての安倍氏が主張してきたのが「戦後レジームからの脱却」であり、政権の大目標が「改憲」であることを考えたとき、この子飼いの行革相こそが安倍氏の政治的願望を体現していると認識する方が自然だろう。

 すなわち極右・稲田氏は、政権の「看板」ではないけれど、安倍首相のアイデンティティたる政権の「ヘソ」のようなものなのだろうと思う。

しかし、稲田朋美は、天木直人の見立てとは裏腹に、閣僚として全く成果を上げていないらしい。

内閣改造で女性起用 森氏、稲田氏交代で小渕氏、高市氏らか│NEWSポストセブン(2014年7月8日)より

 現在の女性閣僚は2人だが、一挙に「5枠」に増やす可能性まであるというのだ。しかも、森雅子・消費者担当相と稲田朋美・行革担当相の2人は交代が有力。

「森さんは昨秋国会での特定秘密保護法を巡って答弁が二転三転するなど能力不足を露呈した。稲田さんは安倍氏の推薦人を務めた論功行賞での入閣だったが、総理と下村博文文科相新藤義孝総務相らとの『タカ派お友達食事会』には呼ばれるものの実績は特になし。留任では党内の入閣待望組の不満が抑えきれない」(自民党ベテラン議員)

もっとも稲田朋美に代わる候補の一人が、かつてサンプロ田原総一朗に「下品」と罵倒されて泣いた情けない極右・高市早苗とあっては、「どっちもどっち」としか思えないが。高市も政治家としての実績が全く思い浮かばない人間だ。

ところで、上記のように「崖っぷち」の稲田朋美が、九州で何やら気勢を上げたらしい。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140726/plc14072623120017-n1.htm

稲田朋美行革担当相「いわれなき日本批判に反論を」 九州「正論」懇話会で講演

 九州「正論」懇話会の第113回講演会が26日、福岡市中央区西鉄グランドホテルで開かれ、稲田朋美行政改革担当相が「道義大国をめざして」と題して講演した。

 稲田氏は、戦時中、強制連行されたと主張する朝鮮半島出身の元徴用工や元慰安婦らが、日本政府や企業に損害賠償を求める訴訟を起こしていることについて「弁護士時代から日本の名誉を守ることにこだわってきた。いわれなき批判に対し、日本は反論すべきだ。争わなければ事実とみなされてしまう」と述べた。

 具体的には平成13年に行政改革の一環で、国を当事者とする民事訴訟を担当する法務省訟務局が廃止されたことを挙げ、「私は公務員制度改革担当相でもあるので、訟務局を復活させ、国のために争える態勢を作りたい。行革は切ってばかりでなく、必要なら人も予算もつける」と強調した。

MSN産経ニュース 2014.7.26 23:12)

安倍晋三に対する必死の留任アピールなのかどうか。

やはり「真っ黒」だった小保方晴子と笹井芳樹

NHKスペシャル『調査報告 STAP細胞 不正の深層』を見た。入念に取材・構成された力作だったとの感想。

NHKスペシャル


素人である私には印象しか語れないわけだが、小保方晴子笹井芳樹はやはり「真っ黒」で、かつ2人は「共同正犯」だったとの、従来から持っていた心証を強めた。

当初一部で言われていたような、「小保方晴子の単独犯で、笹井芳樹をも騙していた」という説など、もはや誰も信じないだろう。

番組が描き出した笹井芳樹の「政治力」はすさまじいものだった。おかげで笹井芳樹の印象はますます悪くなった。

一方、小保方晴子の印象は、私にとっては既に地に堕ち切っているので、番組を見る前後で何の変化もなかった。

今回の番組が、この件の議論の行方に影響力を持ちうるだろうか。それとも、それでも下村博文(と安倍晋三?)の不可解な小保方晴子の庇い立てが続くのだろうか。