kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「安倍晋三の秘書が地元のホニャララ団に現金を渡した」と秘書本人が認めた件

「きっこのブログ」が指摘しているこの件は、月刊「現代」の昨年12月号で、魚住昭さんと青木理さんが、『共同通信が握りつぶした安倍スキャンダル』というタイトルの記事で、詳しく記述している(厳密にはブローカーを介して工作を行ったという記述)。
これを読んだ時、大変優れた記事だと思ったので、「きまぐれな日々」で昨年11月3日に紹介した。
きまぐれな日々 共同通信が安倍晋三事務所のスキャンダルをもみ消した
記事中で、月刊「現代」の記事を引用している部分を、一部再掲する。

事件は2000年6月から8月にかけて起きた。下関市中心部にある安倍の後援会事務所や自宅などに計5回にわたって火炎瓶が投げ込まれ、安倍の自宅では数台の乗用車が全半焼する被害も発生した。負傷者こそ出なかったが、近隣の結婚式場にも誤って火炎瓶が投げ込まれており、一歩間違えば惨事につながりかねない犯行だった。
事件が衆院選前後に起きたこともあって「安倍の対北朝鮮強硬姿勢に反発したテロではないか」といったさまざまな憶測が流れたが、2003年11月になって福岡県警と山口県警が下関の「ブローカー」小山佐市と、北九州市指定暴力団工藤会系高野組の組長ら6人を非現住建造物等放火未遂容疑などで逮捕した。
両県警の調べなどによると、事件の主犯格である小山は、安倍事務所や地元有力企業などに幅広い人脈を持ち、市内の再開発事業にからむ土地買い占めなどに暗躍していた。小山は1999年4月に行われた下関市長選で安倍直系の現市長・江島潔の陣営に"選挙協力"したにもかかわらず、安倍サイドから約束の報酬を得られなかったとして反発し、高野組に依頼して火炎瓶を投げさせたのだという。
どうやらこの事件は安倍サイドが一方的な被害者というわけではなく、下関市長選で安倍事務所側が小山というブローカーを利用したのが発端だったようだ。

(月刊「現代」2006年12月号「共同通信が握りつぶした安倍スキャンダル」=魚住昭青木理執筆=より)

以下の部分は、雑誌からの直接の引用だと長くなるので筆者がまとめたもの。

この構図は、検察の調べでも一部明らかになり、2004年6月に福岡地裁で行われた小山らの初公判の冒頭陳述でも指摘され、報道もされたが、その詳細には不明な点が多くあったとのことだ。

そこで、共同通信社会部の取材チームは、9月下旬に下関入りし、この事件の全容を突き止めたのだという。取材陣によると、安倍晋三の秘書だった佐伯伸之(現下関市議)が、小山に下関市長選での対立候補を中傷する文書をまくことを指示し、佐伯はビラの元となった週刊誌の中傷記事を小山に見せたことと、小山に300万円を渡したことを認めたという。
さらに取材チームは福岡拘置所に勾留中の小山に接見し、佐伯から依頼を受けて中傷文書をまいたことを認める証言を得たばかりか、安倍地元事務所の筆頭秘書と小山の間で交わされた「念書」の存在も突き止めたそうだ。これは、下関市内の開発事業に特定業者を入れないことを約束する内容で、筆頭秘書は取材陣に念書にサインしたことを認めたとのことだ。

(「きまぐれな日々」 2006年11月3日 『共同通信安倍晋三事務所のスキャンダルをもみ消した』 より)

以下再び雑誌から直接の引用。

共同通信の記者たちが取材した跡をたどっていくと、彼らが記事にしようとした通り、こんな事件の輪郭が浮かび上がってきた。
(1) 安倍事務所の秘書だった佐伯が長らく交友のあった小山に中傷文書の元となる資料を提示し、(2) 小山側が資料に基づいて対立候補Kの実名と写真の入った中傷文書を作成してバラまいた。さらに (3) 後になって絵画買取り名目で500万円を要求し、(4) 佐伯から300万円を受け取ったものの、さらなる要求を拒否されたため小山が高野組を使って5回にわたり火炎瓶を投げつけた−。
その上、安倍事務所側と小山との間で交わされた「念書」の存を確認したというのが事実ならば、安倍事務所と小山との間にはさらに奥深い関係があったと言っていいだろう。いずれにせよ、差し止められた記事は事件の核心を突く貴重なニュースだったと言える。前出の共同通信記者の話。
「もちろん安倍首相本人が事件に直接関与したという証拠はなく、超特大の特ダネというわけでもないが、ナゾの多い事件の全体像に迫る、意味のある記事だった。『美しい国』を掲げて就任した新宰相のお膝元のドロドロした実態を広く伝えることにも十分な意味がある。ましてや社会部長自身も認めていたように取材は十分だし、仮に安倍サイドから訴えられても負けない材料は揃っていた。いつものように加盟者に配信していれば、全国加盟紙の紙面を大きく飾ったはずだ」

(月刊「現代」2006年12月号「共同通信が握りつぶした安倍スキャンダル」=魚住昭青木理執筆=より)

安倍晋三首相は、なぜこの月刊「現代」の記事にはクレームをつけず、この記事とは比較にならないほど些細な「週刊朝日」の記事なんかにクレームをつけたのだろうか?