kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

事実上「指揮権」を発動していたアベシンゾー

立花隆さんの「メディア ソシオ-ポリティクス」より。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/070529_shinsou/

安倍首相があれほどバカげた論理(法律上適正)で、松岡前農水相をかばいつづけたのは、松岡前農水相のためというよりは、自分のためだったといってよい。

光熱水道費問題(ナントカ還元水問題)で、松岡前農水相のこじつけ答弁が社会の笑いものになりだした頃、すでに弱気を起こしそうになっていた(答弁の仕方を変えそうになっていた)松岡前農水相のもとに、

「この線(法の正しい手続きに従ってやっている)でがんばり通せば、この線でいける。こちらもこの線で支えつづけるから、この線でがんばれ」

という指示が、官邸周辺から松岡前農水相周辺に飛んでいたという。

遺書の中に不思議な一節がある。

「家族への手紙は、女房が分かるところにありますので、ぜひ探さないで下さい。女房が来るまでは、どこにも触れないで下さい」

これは遺体を最初に発見するであろう人(秘書か?)あてのものとみられるが、これが何を意味するのかよくわからない。

しかし、文面から明らかなことは、松岡前農水相が死んだら、関係者が真っ先に探しにかかるであろう重要な文書又は資料又はモノがあるが、それは松岡夫人にかねてから伝えてある隠し場所に置いてあるから、めったやたらな場所は探さないでくれ、といっていると受け取れる。

そこに隠されているものが事件あるいは、松岡前農水相の死因とどうかかわるのかよくわからない。しかし、この文面のニュアンスは、なにか松岡前農水相の死にいたる秘密の事情があって、その死因と直結する何ものかがそれだということだろう。

この事件に関して、私がとんでもない発言だと思ったのは、安倍首相の次の一言である。

「ご本人の名誉のために申し上げておくが、『緑資源機構』に関して捜査当局が松岡農水相や関係者の取り調べを行っていたという事実もないし、これから取り調べを行う予定もないという発言があったと聞いている」

なぜこの発言がとんでもないのかといえば、これが、総理大臣による事実上の指揮権発動に近い発言と感じられるからだ。

なぜこれが事実上の指揮権発動になるのかといえば、この発言が明らかにしていることは、官邸(安倍首相本人かその意を体した周辺の人物)が、(緑資源機構問題に関し)捜査当局に対して、誰と誰を取り調べたのかを問い合わせ、これから誰を取り調べるつもりであるのかを問い合わせたということである。

問い合わせにあたって、「誰と誰を取り調べろ(あるいは取り調べるな)」という発言があれば、それは指揮権発動そのものになるが、そこまで露骨なことをいわなくても、現に捜査が進行中の個別案件について、官邸(筋)からこのような問い合わせがあれば、それは現場では事実上の指揮権発動と受け取られてしまうということである。

だから、これまでどのような政権担当者も、このような露骨なものいいをした人は一人もいない。指揮権発動のにおいが少しでもするような発言は、日本の政治世界では絶対の禁句なのである。

(中略)

安倍発言はそれ自体が(現に進行中の事件の特定被疑者についての見通しを総理大臣が語るということそれ自体が)不穏当なのだ。

事実関係がいずれであるにしろ、このような発言をするということそれ自体において、この人は総理大臣という職務の持つ重さを十分に理解していない人というべきだろう。

[参考記事]

カナダde日本語 安倍を怨みながら死を選んだ松岡利勝農水相

最後に家族のことが書かれた部分には、安倍は触れなかったということだが、私は、この家族のことについて書かれた部分にとても重要な秘密が隠されていると思っている。

「死人に口なし」とは言うが、今回の場合は、松岡夫人が事務所に到着するまで、夫人だけが知っているところにある手紙は探さないように遺書に書かれていることから、その手紙の中に「政治とカネ」の問題や緑資源機構に絡んだ事情の暴露など、重要なことが書かれている可能性がある。つまり、全ては松岡夫人が握っているということだ。

美爾依さん鋭い読み。立花隆氏と見解が一致している。