kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

竹村健一は日本の「国民皆保険」を絶賛するのだが

フジテレビ「報道2001」の最後に、ヒラリー・クリントンの発言を例に引いて、アメリカでは同氏が(日本を見習って)国民皆保険制度にしようとしたがうまくいかなかった、日本はとっくに国民皆保険だ、日本にもアメリカより先進的なところがある」と言っていた。
私はこれを聞いて耳を疑った。なぜなら、これは「コイズミカイカク」を否定する論拠の一つにほかならないからだ。
関岡英之が既に指摘しているように(「文芸春秋」 2005年12月号初出、「奪われる日本」に収録)、米資は日本の健康保険に手を突っ込もうとしている。郵政民営化の先にあるものは、健康保険の民営化なのだ。つまり、世界最高水準にある日本の医療制度を米資に差し出し、根本から破壊しようというのが、「カイカク」の次なる目標だということだ。いうまでもなく、アメリカはひどい保険後進国である。

奪われる日本 (講談社現代新書)

奪われる日本 (講談社現代新書)

だから、一方で社保庁の民営化を主張する竹村が、日本の保険制度を賞賛すること自体ひどい自己矛盾なのだが、竹村はそれを全然認識していないのだろう。
万一、次の参院選で与党が勝たぬまでも大敗を免れれば、この悪夢は現実のものとなるだろう。