kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

千葉景子法相はそれでも死刑を執行すべきではなかった

このニュースには驚いた。
http://www.asahi.com/national/update/0728/TKY201007280199.html


議論を呼ぶのは、千葉景子法相のとった下記の行動だろう。

千葉法相は会見で、自ら執行に立ち会ったことを明かし、「死刑に関する根本からの議論が必要だと改めて思った」と語った。法相として執行に立ち会ったのは「おそらく初めて」という。そのうえで、法務省内に勉強会を設置し、死刑制度の存廃を含めたあり方を検討する▽国民的な議論の材料を提供するため、メディアによる東京拘置所内にある刑場の取材の機会を設ける――ことを明らかにした。


死刑執行を命令する者はもちろん、死刑制度に賛成する者は皆、死刑執行に立ち会い、その光景を見るべきだと私は考えている。

民主党というのも結構反動的な政党でもあるし、おそらく、千葉法相に対して死刑を執行せよとの想像以上に大きなプレッシャーがあったのだろう。近年は厳罰論が全盛で、たとえば光市母子殺害事件に関して、「左」側の有名ブログ2つが厳罰論、死刑賛成論を声高に主張したことがあった。このことに象徴される流れに、死刑反対論者の千葉法相も抗しきれなかったのだろう。信念を曲げて死刑執行の署名をする代わりに、死刑制度に関する議論を起こすことで、せめてもの意地を見せようと思ったのかもしれない。

だが、千葉景子法相はそれでも死刑を執行すべきではなかったと私は思う。死刑反対論者なら絶対に越えてはならない一線を、千葉法相は越えてしまった。取り調べの全面可視化に反対して千葉法相の足を引っ張った亀井静香が千葉法相を批判したが、この件に関する限り、亀井静香の主張に分があると思った。