大震災後、よく思い出すのが星新一のショートショート「おーい、でてこーい」だ。
このショートショートを私が知ったのは子供時代の70年代前半。「きまぐれな日々」を開設したての頃にも取り上げたことがある。
きまぐれな日々 「おーい、でてこーい」の時代
今回の福島原発事故で、ああ、星新一が書いたようなことが現実になったなあと思う。
で、ネット検索をかけてみると、さらに驚くべきことがわかった。
丹波のために、いいコトいろいろ「コトづくり工務店・KOTOS」
なんと星新一は、この作品の中で
と書いていたのだった。
上記リンク先には、さらに興味深い指摘がある。
調べてみると、星新一さんのお父様が福島県いわき市出身。
「おーい、でてこーい」の発表が1958年。
福島第一原発の誘致開始が1960年。
そういえば星新一の父・星一は福島・いわきの出身だった。そして作品中には前述のように「放射性廃棄物」の記述があるが、この作品は福島原発の事故どころか、福島第一原発の誘致が始まるよりさらに2年前に書かれていたのだ。
これまで、日本のSFが未来を予見した作品というと、筒井康隆の「48億の妄想」などの疑似イベントものを思い出すことが多かったが、さすがは星新一。決して筒井康隆に負けてはいなかった。