kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

懲りない青森の下北5市町村が東電に原発建設再開を要望

「きまぐれな日々」に、東北で被災された観潮楼さんからいただいたコメントで知ったニュース。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1175.html#comment11878

こんな現状にも関わらず、4月22日付の河北新報
下北半島5市町村の商工会が東京電力に『東通原発の建設再開』を申し入れ」と報じていた。
あれだけ原発近くの福島県民が県内外に散り散りになったり、
他の県民も日々の放射線量とにらめっこする現状でこんなニュースを見るとがっくりしてしまう。
こんな目に遭うのは我々だけで沢山だ、と言いたい。
他県の復興にしろ、遅れが目立つのを見ると、
国の連中の頭は『白河以北一山百文』のままなんだろうな、と頭にきてしまう。


2011.04.23 11:26 観潮楼


河北新報のサイトを見に行ったが、この記事はネット配信されていなかった。

中央のメディアにもあまり報じられていないが、日テレが20日に報じていた。URLを示すが、既にリンク切れになっている。Googleキャッシュにリード部分が残っていたので、紹介する。
http://www.news24.jp/nnn/news876833.html

青森県下北5市町村 東電に原発建設再開要望


下北半島の5市町村と商工会などが東京電力東通原子力発電所の建設工事早期再開を要望した。
福島第1原発事故の影響で原子力施設工事が止まり地域に大きな経済的損失が生じたと指摘。
大間原発建設中の電源開発や使用済み核燃料中間貯蔵施設事業者にも要望。


福井の財界やメディアが原発推進になおこだわっていることは知っていたが、同じ東北でも北端の下北では南部の福島のことなど知ったことではないといわんばかりだ。

東通原発のある東通村の村長選は、今回の統一地方選では行われていないが、ここの村長は「越善」と書いて「えちぜん」と読む。だが、福井ではなく青森の人間だ。もっとも、福井県原発は越前ではなく若狭にある。


東通村では、村長選こそ行われていないものの、村議選は行われており、明日投開票だそうだ。だが、原発は全く議論されていないどころか、原発問題を議論するのはタブーになっているという。原発推進村議たちがゆうゆう再選されそうな情勢らしい。こちらは、河北新報のサイトに記事が出ている。

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110422t13034.htm

福島影響?原発論議なし 青森・東通村議選


 原発が立地する青森県東通村の村議選(24日投票)が静かに進んでいる。福島第1原発事故で原発の安全性が深刻な問題になっているが、東日本大震災に伴う自粛ムードもあって表立った原発への主張はなく、盛り上がりを欠いたまま終盤戦を迎えている。


 同村は建設中の東京電力原発1基と、既に立地し現在は定期検査中の東北電力の1基を抱える。村議選は定数14に対し16人が立候補した。うち現職12人は選挙カーを走らせず、街頭での訴えも自粛。現職、新人、元議員の計4陣営は街頭演説などに取り組む。
 村にとって原子力との共存は、1965年に村議会が原発誘致決議を可決して以来の基本政策。運動自粛についてある現職陣営の幹部は「原発との共存をことさらに強調すれば、観光や海産物に対する風評被害を招く」と語る。
 表立った支持拡大を控える各候補も、原発事故の影響を深刻に受け止めている。別の現職は雇用減などの不安が寄せられていることを指摘し、「支持者を集めて説明している」と話す。
 活発化しない原発論議に、ある新人候補者は「原発を取り巻く国の状況が変わりつつあるのに、選挙で原子力政策が語られないのはおかしい」と強調している。(菅谷仁)


2011年04月22日金曜日


思うのだが、原発マネーでシャブ漬けになったこうした腐敗自治体はともかく、青森県内でも少し離れた町では、東通原発建設再開など迷惑もいいところなのではあるまいか。今回の飯舘村のように、東電の原発の恩恵を全く受けていない地域が理不尽な被害を受けるのが原発災害というものなのである。

金に目がくらんだ「下北5市町村」の主張や、原発推進の市町村議を平気で当選させる地域住民たちを、青森の他の市町村に住む人たちは口をきわめて非難しても良いのではないか。世界を驚かせた東北人の忍耐強さという美点も、未来を変えることができなければ、一転して欠点になってしまう。国や東電も確かにひどいけれど、原発を受け入れる側にもおおいに問題がある。