kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「1986年」のマリリン、本田美奈子

大連立とラフマニノフ「ヴォカリーズ」と本田美奈子と - kojitakenの日記 に、id:furiskyさんからコメントをいただいた。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110610/1307633916#c1308160389

furisky 2011/06/16 02:53
kojitakenさんが本田美奈子さんのことを取り上げてくださっていたのですね。
僕は、本田美奈子さんと同世代なのですが、彼女の大ファンになったのは彼女の死後何年も経ってからです。たまたまユーチューブで彼女の歌うニューシネマパラダイスのテーマ曲を聴いて一気に引き込まれてしまいました。そして彼女のこころを込めたクラシックの楽曲の世界を知って、一時期毎晩のように彼女の歌に聞き惚れ、彼女の生まれ育った町、朝霞を訪れ、彼女のゆかりの場所を歩き回り、彼女を幼少期からよく知る地元の古老が経営する食堂に行き、思い出話を聞かせてもらったりしました。そして、ますます彼女の歌と彼女の愛した町の風景に心が癒されたものでした。美奈子さんは、こころで歌った人なのだと思います。ここに貼られたヴォガリーズ、久々に聴いて、なんか目頭が熱くなってきました。この曲が録音された2003年ですが、ロスジェネの編集長で作家の浅尾大輔さんがしんぶん赤旗の記者時代に、彼女に取材しているんです。彼女の死後、
浅尾さんの追悼文が、同じく赤旗に掲載されていましたが、生前の美奈子さんの人柄がしのばれて、じーんと来るものでした。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-11-10/2005111009_01_2.html


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110610/1307633916#c1308161881

furisky 2011/06/16 03:18
浅尾さんのブログにも美奈子さんの死後、この時のことが書かれていますね。

http://blog.livedoor.jp/asaodai/archives/50179906.html


本田美奈子というと最初に印象に残っているのは、デビュー2年目の1986年に、某市某所のファミリーマートでよく「Sosotte」というタイトルの彼女の歌を何度か耳にしたことだ。妙に耳に残る歌だった。コメントをいただいてYouTubeで聴き直してみると、間奏の部分でバリー・マニロウの「コパカバーナ」がパクられていた。印象に残ったのがそのためだったかはわからない。



その次に本田美奈子に関して記憶に残っているのは、ミュージカル「ミス・サイゴン」に出演中骨折しながら歌い切ったというニュースが報じられたことだ。1992年頃だったんじゃないかと思って調べてみたら、1991年のことだった。


さらにそれからずっと間隔が開いて、2003年。ミュージカルを演じるうちに裏声が出せるようになった本田が、クラシックの発声法を学んで、ソプラノ風の歌唱でクラシックのアルバムを出したという話は聞いていた。私は2003年に二度NHK-BSの番組に本田美奈子が出演した時歌声を聴いた。曲目は覚えていないが、クラシックの曲ではなかった。ファルセット(裏声)の高音を駆使した歌唱がとても印象的で、17年前とは別人のようだった。テレビの歌番組で最後に見たのがその2003年の秋頃だったと思う。それから1年あまりして彼女は病魔に倒れた。

ところで、アイドル時代の本田美奈子の代表曲は、上記の「Sosotte」の直前に歌っていた「1986年のマリリン」だった。1986年といえば、チェルノブイリ原発事故のあった年で、「1986年のマリリン」は、その事故当時の持ち歌だった。この歌は、サビの部分を覚えている程度だったが、「1986年」という年数がタイトルに入った歌がアイドル時代の代表曲だった本田美奈子が、白血病で亡くなったのは何とも運命的だ。

そういえば、白血病というと思い出されるのは夏目雅子だが、その夏目雅子の兄と結婚した元キャンディーズ田中好子の訃報もあった。弟を若くしてガンで亡くした田中好子の女優としての代表作は「黒い雨」だったことも運命的だが、チェルノブイリ原発事故の頃にアイドルとしての全盛期を迎えていた本田美奈子が2005年に白血病で亡くなったことにも感慨を覚える。

2005年といえば、小泉純一郎が「郵政総選挙」で圧勝したあと、「原子力立国計画」を打ち出して、一気に原発推進へと急傾斜していった年だった。その前年には、経産省で「脱原発」派の官僚を次々と追い出すというパージ劇が展開されていたのだった。追い出された方も新自由主義官僚だったのかもしれないが、今回のようなメルトダウン事故の脅威のみならず、放射性廃棄物や被曝労働の問題を常時抱える「原発」は新自由主義の是非以前に論外の「絶対悪」なのではないか。私は今ではそう考えている。「電源三法」で過疎地の民のほっぺたを札束でひっぱたき、一時のハコモノと引き換えに地域を荒廃させていったことも、悪魔の所業としか思われない。

神様は、そういった原発を推進した人間は好まないから、N元総理にしてもN会長にしても「天寿」以上とも思える長命を得て、神様に愛された人たちは早く天に召されてしまうのかと思ってしまう。


本田美奈子には、1986年と2003年のちょうど中間あたりの1994年にリリースされた、「つばさ」という「脱アイドル時代」の代表曲もある。発売された当時はさほど売れなかったが、のちに有名になった。キャンディーズに同じタイトルの全然違う歌があるのも因縁めいている。