福島県郡山市の開成山球場で行われたプロ野球セントラルリーグ(読売リーグ)の読売対ヤクルト6回戦で、ヤクルトが読売に4対1で快勝した。ヤクルトは開幕シリーズで読売に連敗したが、その後読売に4連勝。
今年のヤクルトは中日、阪神、読売相手の四つ巴を勝ち抜かなければならない。しかも、そのあとにはクライマックスシリーズという難関もある。
阪神と読売は交流戦での成績が悪く、ともにかなり負け越したのだが、ヤクルトも交流戦で負け越したために差を広げられず、読売リーグで唯一交流戦に勝ち越した中日に差を詰められて一時は首位を奪われた。もっともその後中日は調子を落とし、今日も最下位横浜に敗れた。しかし阪神は広島に勝った。読売、中日、阪神の黒星揃い踏みは、交流戦では珍しくないけれども読売リーグではあまり望めない。
とはいえ、郡山でヤクルトが読売を破ったのは痛快なニュースだ。ヤクルト先発の七条は、徳島県の自民党政治家と同姓という難はあるが、プロ入り初登板初先発での読売戦勝利で、これは球団史上初だという。プロ入り初登板初先発で読売に勝ったというと、元中日の近藤真一のノーヒットノーラン(1987年)を思い出すが、結構珍しいのかもしれない。とはいえ今日の七条が球団史上初とは、読売リーグの歴史において、ヤクルトがいかに読売に負け続けてきたかを示すものだ。
そういえば、古い話だが、1991年にヤクルトが読売に開幕後最初の3連戦に全勝したことがあるが、この時1回戦から2連勝しただけで「昭和38年(1963年)以来のこと」だとアナウンサーが言っていたのに驚いたものだ。実力が互角であったなら、引き分けを無視すれば4年に1度はあっても良いことが30年近くもできなかったのだ。それほどまでにもヤクルトは読売の「お客さん」であり続けた。その翌年からヤクルトは黄金時代を迎えたが(1992年から97年までの6年間で4度優勝)、その後の読売の巻き返しによって読売リーグは「読売・阪神・中日」の枢軸体制ができ上がってしまった。
今年こそそれを打ち破るチャンスだ。