kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「2030年の原発依存率15%」は「脱原発」の選択肢ではない

今日(16日)は、東京・代々木公園で行われた「さようなら原発10万人集会」に出かけた。但し、喉の調子が悪かったこともあってデモのシュプレヒコールには唱和しなかった。

報道ステーション』を見ていると、集会参加者は、主催者発表で17万人、警察からの発表はなかったが、マスコミへのリークでは「7万人」とのことだった。実際の数は、両者の中間になるというのが通説だから、「10万人集会」は「看板に偽りなし」だったといえそうだ。

ところで、今日の『報ステ』で特筆すべきは、集会とは別の、2030年の原発依存率についての意見聴取会の報道で、「15%」案は「脱原発ではない」ばかりではなく、「40年廃炉稼働率70%」を前提とした場合、2基の原発新設が必要になる案だとはっきり報じたことだ。このこと自体は当たり前だとずっと前から思っていたが、これを指摘したマスコミ報道に接したのは初めてだ。

「40年廃炉の原則で達成できる数字」と喧伝されてきた「15%」案だが、それは原発稼働率80%を前提とした場合の話であって、現実には2008年度の原発稼働率は60.0%、09年度は65.7%、10年度は67.3%だった。つまり、『報ステ』が言った「稼働率70%」でさえ、過大な見積もりであって(なぜなら、今後既存の原発はどんどん老朽化していく。そんな老朽原発稼働率が今後上がると仮定することは全く理にかなっていないからである)、現実には「40年廃炉」の原則を崩すか、新規原発を3基以上に増やすかのどちらかが必要となる。「15%」は、れっきとした「原発維持」の選択肢なのである。ましてや、「20〜25%」案に至っては「原発推進」の選択肢以外のなにものでもない。

以上は、もっと周知されてしかるべき事柄だろう。2030年の原発依存率の目標は「0%」以外にはあり得ない。