衆院選が終わったので、日本未来の党所属の当選議員9人の毎日新聞「えらぼーと」への回答結果をいくつか見ておく。
- 問1:あなたは憲法改正に賛成ですか、反対ですか。
- 問4:社会保障財源にあてるため、消費税を2014年4月に8%、2015年10月に10%まで引き上げる法律が成立しました。この法律への考え方で近いものを一つ選んで下さい。
- 問5:現行の基礎年金制度は、財源の半額を国民が支払う保険料でまかなっていますが、全額を税でまかなうべきだとの意見もあります。どちらがふさわしいと思いますか。
- 問14:日本の核武装について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
- 問16:衆議院の定数削減について、あなたは次のどれが望ましいと思いますか。
「極右」といえる超タカ派の議員が旧民社の村上史好で、村上に次ぐタカ派が小沢一郎、亀井静香、小宮山泰子らだといえそうだ。阿部知子の回答は典型的な社民党議員のそれであって、他の議員とは明らかに思想信条が異なることが見て取れる。また、青木愛と畑浩治は主義主張が薄弱(自分の考えがない)と思われる。
消費税増税法案についてだが、質問に難があり、「廃止すべきだ」という選択肢が法案を指すのか消費税そのものを指すのか明確ではない。ただ、「今の5%を維持すべきだ」という選択肢(阿部知子はこれを選んでいる)があるので、「廃止すべきだ」は消費税そのものを廃止すべきだと言っているようにも見える。そうだとしたら、たとえば小沢一郎にとっては20年前の「日本改造計画」と比較して大きな方向転換である。一方と、日本未来の党が減税日本を仲間に引き入れたことを考慮すると、小沢は所得税などの減税も(こちらは昔からの思想をそのままに)考えているに違いないから、どうやって税収を増やすつもりなのだろうかと訝ってしまう。しかも基礎年金制度も「全額税方式」というのだからなおさらだ。安倍晋三らの「上げ潮理論」をさらに過激にしたような、トリクルダウンどころではない富裕層からの富のだだ漏れが、何もしないのに勝手に起きるという超常現象でも考えているのだろうか。小沢一郎やその追随者たちの態度はあまりに無責任と言わざるを得ない。これでは衆院選に惨敗したのも当たり前だ。
あと、定数削減の件だが、削減に反対しているのは阿部知子だけで、選挙区で落選した小宮山泰子、鈴木克昌、村上史好、玉城デニー、畑浩治の5議員は比例代表の削減を訴えている。自分たちの議席は、次の選挙では要りませんよと言っているのだろう。
阿部知子(及び亀井静香)を除いて、小沢一郎にコバンザメのようにくっついている人たちばかりだから、こんなぶざまな回答になる。こんな議員たちに期待しろというのは無理な注文だ。