kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「小沢信者」に大人気の森裕子だが……

どうやら阿部知子日本未来の党の共同代表を受けたらしい。「小沢信者」たちは、この人事は嘉田由紀子の差し金だろう、「森ゆうこ外し」の画策に違いないなどと息巻いている。

興味深いのは、日本未来の党・衆院選当選議員の「えらぼーと」回答結果 - kojitakenの日記 で見たように、阿部知子の思想信条は他の日本未来の党衆院選当選議員8人とはかけ離れており、統一会派を組むことが検討されていて、阿部知子が先日まで在籍していた社民党の主張そのものであることだ。また、衆院選に落選した代表代行の飯田哲也も、「えらぼーと」の回答を見る限り、その思想信条は典型的なリベラル・左派のものだ。

そんな人間が平然と橋下徹の下に走るあたりに、日本の「リベラル・左派」の弱点があると思うが、それはともかく、「日本未来の党」は頭(嘉田由紀子阿部知子飯田哲也)がリベラルないし左派、胴体(小沢一郎以下「小沢軍団」及び亀井静香)は保守、そして尻尾が「小沢信者」なるカルト集団という、まさに「鵺」(ぬえ)のような政党といえよう。

「小沢信者」たちの間では、嘉田、飯田、阿部各氏は不評で、その代わりに絶大な人望を集めているのが森裕子(ゆうこ)である。

だが、その正体は単なる右翼政治家である。私はそのことを5年前の参院選前の毎日新聞えらぼーと」で知ったが、来年再び森の思想信条が明らかになるだろう。

最近でも、森はこんな悪行をやらかしている。

中国女性・ジェンダーニュース+ [日本]「私たちはジェンダー平等政策を求めます」政党アンケート

今年8月27日の参議院予算委員会で、同党の外山斎議員は、「河野談話が歴史をゆがめ、そして更に言えば、今日の日韓の関係を間違った方向に導いたのではないか」という立場から野田内閣を追及し、談話作成にかかわった河野氏と石原信雄元官房副長官参考人招致を求めている。さらに、外山議員は、以前から河野談話を否定していた松原仁国家公安委員会委員長に対して、「大臣の方から内閣の方にこの河野談話を踏襲しないように、本当は否定すべきだというふうに言っていただきたい」と要請した。

そして、参院予算委終了後、国民の生活が第一」の森裕子幹事長代行(参院担当)自身が、理事会で河野氏と石原元官房副長官参考人招致を求めた。


つまり、森裕子とは「歴史修正主義者」とみなすべき人間である。

なお、上記リンク先の記事の文章は、衆院選前に「『ジェンダー平等』を求める会」が各政党に対して行った、男女平等政策に関するアンケート調査に対して、「国民の生活が第一」が「河野談話村山談話を引き継ぐ」という政策に対して、「賛成」と答えていることに関して、アンケートの回答と政党の実態がかけ離れていると指摘する文脈において書かれている。

上記リンク先記事からもう少し引用する。

外山議員や森議員だけではない。「国民の生活が第一」の牧義夫議員(政策担当・幹事長代行)は、2007年に『ワシントン・ポスト』に掲載された「慰安婦」問題に関する意見広告「THE FACTS」に賛同している。また、小宮山泰子議員(組織・団体委員長)は「慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会」のメンバーであった。これらの議員も、日本軍「慰安婦」問題についての歴史修正主義者といって差支えないだろう。

たしかに「国民の生活第一」が「河野談話反対」の方針を公然と決定したという事実はないようだ。だから、国民の生活が第一」の中にも、河野談話に賛同している(否定していない)議員もいるだろう。しかし、彼(彼女)らが上記の議員を批判したという話は聞かない。また、同党には、日本軍「慰安婦」問題に対して熱心に取り組んでいる議員は見当たらない。

以上から見ると、「国民の生活が第一」の実態に即した答えは、河野談話に対して「反対」であり、どんなに甘く見ても「どちらかと言えば反対」であろう。「国民の生活が第一」は、今回のアンケートに対して、党の実態と異なる回答をしたと言える。


上記記事についた「はてなブックマーク*1のコメントより。

haruhiwai18 "「国民の生活が第一」の中にも、河野談話に賛同している(否定していない)議員もいるだろう。しかし、彼(彼女)らが上記の議員を批判したという話は聞かない" →こういうのはとても重要なこと。/"党の性格"問題。 2012/12/16


このブコメの指摘はとても鋭いと思った。外山斎なる人間は、参院から先般の衆院選に転出し、幸いお話にもならない惨敗を喫して議員バッジを失ったが、森裕子は今でも日本未来の党の看板議員だ。来年の参院選では落選する可能性が高いが、初当選が小泉純一郎の総理就任の年で、自民党に猛烈な追い風が吹いた時に自由党から立候補して当選した人だから、実力派の右派議員ではある。同じ小沢一郎の側近でも、弱っちかった山岡賢次などとは比較にならない強者(つわもの)だ。

そして、小沢一郎の信任が厚いに違いない森裕子の発言を、他の議員たちは内心で否定的であっても、表立って批判することができない。これが旧「国民の生活が第一」の「党の性格」だったのだ。つまり、党内民主主義のない政党、それが「国民の生活が第一」だった。そして、嘉田由紀子らはその硬直した体質にくさびを打ち込もうとしている。その点だけでも、オリジナルの「国民の生活が第一」よりは多少なりとも体質が改善される可能性を秘めているといえるかもしれない。

だが、その可能性を圧殺しようとしているのが「小沢信者」たちである。彼らは「日本未来の党」に党内民主主義など必要ないと思っている。教祖様である小沢一郎尊師がすべてをよきにはからってくれると固く信じているからである。