kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

そもそも「銃剣道」という言葉自体を知らなかった

私は子ども時代から戦争が大嫌いだった。小学生時代の友達には、戦闘機や戦艦のプラモデルを作ったり、軍歌を歌ったりするのが好きな人間もいたが、私は集英社学習漫画(1968年版)の第17巻「戦争への道」と第18巻「平和国家日本」を好んで読み、人生で初めて買った『少年ジャンプ』に『はだしのゲン』の原爆投下の回が載っているのに遭遇してショックを受け(1973年)、父が持っていた朝日新聞縮刷版集(1969年発行)を見て、朝日新聞松岡洋右国際連盟脱退を賛美したり戦争を絶賛したり広島原爆を「新型爆弾」と書いたり終戦間際には新聞が4ページしかなかったことを学んだ子どもだった。

だがわれながら良くなかったと反省することは、戦争を嫌うあまり戦争についてあまりにも何も知らずに今まで生きてきたことだ。第2次安倍内閣発足以降、特にこの政権が危険性をますます露わにしてきた一昨年あたりからようやく戦争に関する本を集中的に読むようになったが、それでも戦闘機・戦艦・戦車の類はおろか、兵士個人が使う兵器・武器の類に関する知識もまことに乏しい。

そのせいか、「銃剣道」なる言葉自体、一昨日(3/30)に知ったばかりなのだ。「銃剣」は戦争の本に頻出するから辛うじて知ってはいたけれど。

「銃剣道」とは何か?中学武道に追加され波紋 スポーツ庁の担当者「強制はしない」 | ハフポスト より

銃剣道」とは何か?中学武道に追加され波紋 スポーツ庁の担当者「強制はしない」
The Huffington Post | 執筆者: 吉川慧
投稿日: 2017年03月31日 17時11分 JST 更新: 2017年03月31日 23時28分 JST


文部科学省は3月31日付の官報で「新学習指導要領」を告示した。中学の保健体育では、武術の種目として新たに「銃剣道」を加えた武道9種目が記された。これについてTwitterなどでは、戦前に学校の軍事教練に採用されていたことから「時代錯誤だ」と反対する声がある一方、「剣道と変わらない」などと肯定する意見もあり、賛否両論さまざまな意見が出ている。

あまり馴染みのない「銃剣道」という言葉だが、そもそもどういう競技なのだろうか。

■そもそも「銃剣道」とは何か?

銃剣道」は、接近戦(白兵戦)において相手を銃剣で相手を突き刺して倒す格闘術「銃剣術」から生まれた競技。「銃剣」とは、小銃(ライフル銃)の先端に装着する短剣で、鋭い刃を持つもの、先端が尖っているものなどがある。

『ブリタニカ国際大百科事典』によると、「銃剣」は17世紀にフランスのバイヨンヌ地方で開発されたという。そのことから、銃剣術は「バイヨネット」と呼ばれる。当時使用されたマスケット銃などは、単発式で連射できず、発砲から次弾装填までの間に敵が接近してきた場合、銃剣で戦う場面もあった。

後世になって連射式の銃が開発されると、戦闘において銃剣が使用される場面は減り、汎用ナイフとして使用されるようになったという。一方で、現在でも、軍の格闘術の一つとして銃剣術を取り入れている国は存在する。イギリス陸軍では21世紀に入ってからも、実戦で銃剣突撃を敢行した例がある。

日本には幕末〜明治期にかけて、西洋式(フランス式)の銃剣術が伝えられた。やがて、日本の剣術・槍術を取り入れた独自のものが制定され、接近戦(白兵戦)を想定した戦技として旧日本軍で用いられた。1940年には名称が「銃剣道」に改められた。旧制中学など、学校教育(軍事教練)にも採用されたが、日本が太平洋戦争に敗れるとGHQが武道が禁止し、銃剣道も廃れた。

戦後、1956年に「全日本銃剣道連盟」が結成され、銃剣道はスポーツとして復活。競技では、小銃をかたどった木製の棒(木銃)を持ち防具をつけて戦う。有効な攻撃は「刺突」のみ。10m四方の試合場の中で、対戦相手の上胴・下胴・喉・(左)小手・肩の5つの各部位を木銃で突いて勝敗を決める。自衛隊でも「銃剣道」が訓練されている。

(中略)

■「日本固有の武道の考え方に触れる」⇒でも、発祥はヨーロッパ

そもそも、なぜ「銃剣道」が新学習指導要領に加わったのか。背景には中央教育審議会中教審)による学習指導要領改訂に関する答申がある。

2016年12月に出された、中教審の「学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」では中学の保健体育について、「グローバル化する社会の中で、我が国固有の伝統と文化への理解を深める観点から、日本固有の武道の考え方に触れることができるよう、内容等について一層の改善を図る」としている。

この「武道」について、答申では日本武道協議会加盟団体の実施種目(柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道少林寺拳法なぎなた銃剣道)9種目をあげていた。新学習指導要領でも、これらが武道9種目として記された。

元陸上自衛官で「ヒゲの隊長」こと、自民党佐藤正久参院議員は2017年3月15日に自身の公式ブログで、銃剣道を「新学習指導要領」に加えるよう働きかけた様子を綴っている。

銃剣道は国体競技種目であり、自衛隊ではその入隊時、陸上自衛官や航空自衛官のほとんどが習い、部隊等に配置されてからもそのレベルアップに汗を流している武道です。 武道とは「武士道の伝統に由来する日本で体系化された武技の修練による心技一如の運動文化で、心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う、人間形成の道」です。

佐藤正久オフィシャルブログ「守るべき人がいる」Powered by Amebaより 2016/03/15 19:08)

こうした方針については異論も出ている。銃剣術は、幕末から明治期に西洋から流入した武術であることから、「日本固有のものとは言えないのでは」と指摘する意見もある。

スポーツ庁「国として銃剣道を強制することはない」

文科省の外局・スポーツ庁の担当者はハフィントンポストの取材に対し、「銃剣道は国体の種目にもなっており、競技として確立している。あくまで日本武道協議会加盟団体の実施種目であり、幅広く例示した競技の一つ。パブリックコメントでも、新学習指導要領に『銃剣道を導入してほしい』という意見が多数あった」と、背景を説明した。

Twitterなどでは、銃剣道が「突き」技が主体の競技のため、安全面を懸念する声も。これについて同庁の担当者は「児童・生徒の安全面を確保した上で指導することはもちろんです。突き主体の競技ではあるが、それが全てではない。柔道、剣道にも禁止技がある。『礼』などを通して、各武道の特性に触れてもらう機会になれば」としている。

そもそも銃剣道の指導者が少ないのではという指摘には、「外部指導者の活用なども一つ。銃剣道ができるスペースがあるかも課題。いろいろなことを勘案しながら、指導するかは各学校が判断する。国として銃剣道を強制することはない」と答えた。

■「新学習指導要領」では「聖徳太子」の呼び名が復活

スポーツ庁の担当者が「新学習指導要領」に銃剣道を追加した背景としてあげた「パブリックコメント」。今回の学習指導要領の改訂に大きな影響を与えたようだ。

歴史用語などについて、中学の改訂案では当初「聖徳太子」を「厩戸王聖徳太子)」とするなど、最新の歴史研究成果などを反映したものになっていた。これに対し、保守系の「新しい歴史教科書をつくる会」が、「聖徳太子を抹殺すれば、古代史のストーリーはほとんど崩壊する」などとして、反対するパブリックコメントを送るよう会員らに働きかけていた。

31日に告示された新学習指導要領で、「聖徳太子」などの歴史用語は、従来の表記に戻されることになった。「新しい歴史教科書をつくる会」は公式サイト上で、「学習指導要領改悪を阻止した大勝利と言えます」としている。

(ハフィントンポストより)


なんだ、「ニッポンの伝統」とやらとは全然関係ないじゃないか。せいぜい明治維新(長州と薩摩を中心とした武士の集団によるクーデタ)のあとからの歴史しかない。

要は軍事教練をやらせたいだけんなんだね、佐藤正久だの安倍晋三だのは。

それと馬宿の追うもとい厩戸王聖徳太子)だけど、あれって曽我一族と密接な関係のある人なんじゃなかったっけ。なんで「朝敵」のはずの人間を神聖化しようとするのかそれもさっぱりわからない。南北朝の話はもっとわけがわからないけど(現天皇家北朝系なのになぜか南朝が正統とされてる)。

もういい加減やめとけよ。安倍晋三だの迫田英典だのといった長州閥の人間を根こそぎ政官界から追放するくらいでちょうど良いんじゃなかろうか。あ、佐藤正久は福島の人間だっけ。佐藤は長州にもけがらわしい一族がいるけど、もともとは東日本、特に東北に多い姓だったな、そういや。