民進党代表選、なんと9月1日になるとの見通しが報じられている。
http://www.asahi.com/articles/ASK7X6TQ2K7XUTFK014.html
枝野氏と前原氏、一騎打ちか 民進代表選9月1日で調整
2017年7月29日03時00分
民進党代表の辞任を表明した蓮舫氏の後任を決める代表選に、枝野幸男元官房長官(53)と前原誠司元外相(55)が立候補する意向を固めた。憲法改正や野党共闘をめぐり意見が対立してきた党内リベラル派と保守派双方を代表する2人による一騎打ちの公算が大きく、議論の行方や結果によって野党の再編につながる展開も予想される。党は8月21日告示、9月1日投開票で日程調整している。枝野氏は28日、民主党政権時代に官房長官として支えた菅直人元首相、リベラル派の議員グループを率いる赤松広隆前衆院副議長らを訪ね、立候補の意思を伝えた。前原氏も同日、野田佳彦幹事長や旧民社党系議員のグループを率いる高木義明元文科相らと会った。
党は28日の臨時役員会で国会議員だけでなく、党員・サポーターも参加する方法で代表選を行うことを申し合わせた。枝野、前原両氏は8月2日の両院議員総会での日程決定後、立候補を正式表明する見通し。
(朝日新聞デジタルより)
民進党代表選が9月1日?
なんて悠長なこと言ってるんだ、と驚いた。
ちなみに昨年の民進党代表選は岡田克也の代表選不出馬表明から代表選まで1か月以上あったが、これは任期満了による交代だ。
そうではなく、任期途中で安倍晋三よろしく代表の座を投げ出した場合、民主党時代にはそれほど間を置かずに代表選が実施されてきた。
古いできごとはネットで確認するのに難儀したが、2002年に遡ると、9月の代表選で菅直人に勝った鳩山由紀夫は、旧民社系の重用など露骨な「論功行賞」人事と小沢一郎の自由党との合流構想が批判されて政党支持率が極端に低下し、代表選再選から2か月あまりしか経っていない11月29日に辞意を表明したが、12日後の12月10日には代表選が行われている(菅直人が岡田克也に勝利)。
2004年には5月10日に年金未納が発覚した菅直人が辞意を表明した。この時には次期代表と目された小沢一郎にも年金未納があったとして小沢が辞退する経緯があった(5月17日)にもかかわらず、菅の辞意表明から8日後の5月18日、無投票の代表選で岡田克也が代表に選出された。
郵政総選挙の記憶が鮮明な2005年は、9月11日の衆院選に惨敗した岡田克也が直ちに辞意を表明、代表選は衆院選後1か月も経たない9月17日に行われた(前原誠司が菅直人に勝利)。
2006年には3月31日に前原誠司が偽メール事件の責任を取って辞意を表明すると、1週間後の4月7日に代表選が行われた(小沢一郎が菅直人に勝利)。
2009年には5月11日に小沢一郎が辞意を表明し、5日後の5月16日に代表選が行われた(鳩山由紀夫が岡田克也に勝利)。
2010年には6月2日に鳩山由紀夫が辞意を表明し、2日後の6月4日に代表選が行われた(菅直人が樽床伸二に勝利)。
2011年には8月26日に菅直人が辞意を表明し、3日後の8月29日に代表選が行われた(野田佳彦が海江田万里ら4人に勝利)。
2012年には、12月16日の衆院選に惨敗して野田佳彦が辞意を表明してから9日後の12月25日に代表選が行われた(海江田万里が馬淵澄夫に勝利)。
ところが、2014年には、12月14日の衆院選での代表・海江田万里の落選が決まり、海江田が翌15日に辞意を表明してから代表選が行われるまで1か月以上かかっている(2015年1月18日の代表選で、岡田克也が細野豪志と長妻昭に勝利)。
ここまで調べてやっとわかった。
そうか。一昨年1月の代表選からなのか。
どうやら、野党に再転落して党勢が縮小していくうちにすっかりタガが緩んだものらしい。そう思った。
しかし、もう次の衆院選まで長くとも1年4か月あまりしかない。既に相当追い込まれた安倍晋三ではあるが、今後次官、もとい時間との戦いにもなるから、ちょっとした隙も逃すまいと思ってるに違いない。
安倍はとんでもない「人間失格」ともいうべきモラル崩壊の「国政私物化」人間だが、改憲への執念だけは誰にも負けないほど強い。そんな粘着質の安倍は、この民進党の隙を見逃さないのではないか。
たとえば、ネット検索で知る限り、これまでの憲政史上で国会閉会中に衆議院の解散が行われた例はないようだが、安倍は前例を破るのが好きな男だし、野党が要求している臨時国会召集に突如応じてその冒頭で衆議院を解散する手もあり得る。つまり、民進党の代表選が行われる前に解散総選挙を行う手だ。
これだと、安倍が内心で大保守政党の相手として育てて、ともに手を取り合って改憲を実現させようと思っているかも知れない「国民ファ★ストの会」(仮称)の結成が間に合わず、改憲の実現が危うくなるかもしれない大博打にはなるが、それと民進党を壊滅させられるかも知れない(安倍にとっての)メリットの比較は十分検討に値するはずだ。そんな安倍に対して民進党は隙を見せ過ぎなのである。
民進党はもう政党の体をなしているとは言い難い。
もっとも、民進党の右側半分は「国民ファ★ストの会」に行きたくてたまらない連中ばかりだろうから、安倍に解散されたら直ちに民進党をおん出て、長島昭久や渡辺喜美や若狭勝らと一緒に、にわか仕立てで「国民ファ★ストの会」を立ち上げて衆院選に臨めば良い、と考えているのかもしれない。
それでなくても代表選に枝野幸男が勝とうが前原誠司が勝とうが民進党の分裂は必至と見られている。それどころか、前原自身が「党が立ち直った時には民進党という名前じゃなくてもいい」などと言っている(7/29朝日4面より。25日のテレビ番組での発言らしい)。
なにしろ、都議選投票日前日に民進党支持をブログで表明した某都会保守氏*1ですら、蓮舫の辞意について何の記事も書いていない(これを書きながら確認したが、まだ書いてなかった)ありさまだ。
しかし、現在そんな政党が「野党第一党」として国会勢力図に鎮座ましましているのも厳然たる事実。ここ数日は、蓮舫の辞意表明によって、せっかくの安倍政権追及の機運に完全に水を差している。蓮舫が辞意を表明する前には、「国籍問題」などという、ネトウヨと産経にしか興味がないであろう問題にさんざんかまけて安倍晋三を助けまくってきた。
そんな民進党を強く批判しないわけには、やはりいかない。