再燃した「黒瀬深=Dr.ナイフ」説だが、きっかけは『Smart FLASH』の黒瀬に関する記事らしい。
私は黒瀬の「本体」には全く関心はないが、黒瀬が過去に行った悪行が例示されているのでその部分を引用する。
●Twitterで14万人以上に「デマ」を拡散してきた
「黒瀬深」は、Twitterで14万人以上のフォロワーを集める“インフルエンサー”だ。アカウント名で検索すると「ネトウヨの皇帝」なる別称も出てくる。
投稿には野党議員やリベラル派を攻撃するものが多く、内容についてはたびたび「デマ」の疑いを指摘されてきた。
代表的な例を挙げると、2020年8月5日の投稿だ。野党が要求した臨時国会召集に応じなかった安倍晋三首相(当時)を批判する「#憲法53条違反だぞ安倍晋三」というタグに反応した「黒瀬深」は、以下のようにツイートした。
《#憲法53条違反だぞ安倍晋三 というタグ、憲法53条は「議員の4分の1が要求すれば国会は開かれる」という内容で、つまり今開かれてないのは「野党が口頭で国会開催を要求してるだけで正当なプロセスを何も踏んでないから」だぞ。要するに野党は口だけで何もやる気がないという事です。》
このツイートは、投稿当日だけで5000回以上もリツイート(再投稿)され、拡散されていった。
しかし、内容は事実に反している。立憲民主党を始めとした野党は7月31日に「臨時国会召集要求書」を、衆議院の総議員の4分の1以上である131議員の連名で衆議院議長に提出していたからだ。「立憲民主党」の公式アカウントからも《かなり拡散されていますが、デマは削除願います。》と指摘された。
(『Smart FLASH』2021.11.12 11:00)
しかし『Smart FLASH』の記事には、肝心の「黒瀬深=Dr.ナイフ」説については何も書いていない。そもそもナイフは無視されている。
それにもかかわらず、同一人物説はデマだとするまとめ記事と同一人物説が濃厚になったとするまとめ記事が同じ日に現れた。
否定説に立つ上記リンクの論拠は「ナイフ本人の否定」だけだ。
上記リンクはタイトルが途中で切れてしまっているが、「「Dr.ナイフ」疑惑も濃厚に」とタイトルに堂々と書いている。しかし従来から既に知られていた状況証拠が示されているだけで、新たな物証は何もない。ただ、下記のツイートは目を引いた。
黒瀬深さんのプロフィールはイメージ通りで拍子抜けしたけれど、Dr.ナイフさんと同一人物である可能性については妙に納得してしまった。マネタイズが出来れば何でもいいっていうのが匿名ビジネスアカウントの本質で、それをちゃんと思い出させてくれたことは素晴らしいと思う。匿名じゃなくても然り。
— 🕯omo🕯 (@fucki_k) 2021年11月12日
下記は上記ツイート主が発信した続きのツイート。
ピュアな思想としての「黒瀬深」がこの世に存在しない可能性に微かな安堵を覚える一方で、踊らされる人と踊らせる人の構造の闇の深さに辟易する。本当に同一人物であれば、大勢の人々を弄び傷つけた事実は許せないけれど、憎めないおぼっちゃんだな…とは思う。その狡猾さを社会に役立てて欲しい。
— 🕯omo🕯 (@fucki_k) 2021年11月12日
「憎めないおぼっちゃん」との感想には同意しない。さらに、そんな可能性を疑わせる人物を執筆陣に加えた「Web論座」を運営している朝日新聞社は厳しく批判されて然るべきだ。