公明党の連立離脱によって、3連休前に突如生じた「政局」はこのあとも大混乱になると思われるが、野田聖子が高市早苗を含む自民党内極右派を批判したと思われる発言をしたらしい。以下、この手の話にはうるさい産経の記事より。
野田聖子氏「自民トップみたいな人たち、アンチ発言多かった」 公明連立離脱の背景に持論
2025/10/13 21:28
自民党の野田聖子元総務相は12日、公明党が連立離脱した背景について音声配信メディア「Voicy(ボイシー)」で、自民執行部による過去の発言が影響した可能性に言及した。「自民党のトップみたいな人たちは、常に自公でやってきても、アンチの発言が多かった」と指摘し、「悪口を言われた人は一生忘れない。そういうのもあったのかなと思う」と持論を述べた。
連立離脱に戸惑い
高市早苗総裁ら新執行部を念頭にした発言とみられる。野田氏は、連立解消について「想定していなかった。正直どう表現したらいいか分からない」と戸惑いを隠さなかった。
公明の斉藤鉄夫代表は連立離脱の理由について、公明が求めた企業・団体献金の規制強化案が応じられなかったことなどを挙げている。
野田氏は、自公連立を振り返り、「自民党は福祉(政策)、女性政策で弱い所があった」と指摘し、「公明党の方に支えてもらい、発達障害者支援法など良い法律ができた」と語った。
その上で、「社会の中で困っている人に対し、政党の色分けはあり得ない。引き続き政党と必要な制度を作ったり、法律を変えたりすることで、活動に精進していく覚悟だ」と述べ、公明を含めた超党派で課題解決に当たっていく考えを強調した。
(産経新聞より)
URL: https://www.sankei.com/article/20251013-OHEZO4IH7FEKBAVG2X7VDPO3QQ/
野田聖子といえば私のような年寄りが思い出すのは2005年の郵政解散・総選挙の時に小泉純一郎に「郵政民営化に反対する抵抗勢力」として自民党公認を受けられず、無所属でなんとか小泉の送り込んだ刺客・佐藤ゆかりを振り切って当選したことだ。
この時も野田はネトウヨの餌食になって散々に攻撃された。今それが再現している。またしてもネトウヨ(その正体は新自由主義右翼)がいきり立っている。
但し一番違うのは、今回は野田が「小泉側」にいることだ。小泉純一郎は政局を作ったが、小泉進次郎は政局を作られて総理総裁の座を逃した。野田はそれ以前から小泉純一郎と連携していて、昨年の衆院選東京15区では大空幸星を熱心に支援していた。そのために私の野田に対する心証は非常に悪い。だが今回に限っては「敵の敵」だ。
ところで政局だが、私の見るところ一番ありそうなのは、現在の「総理総裁分離」状態を暫定定期に続けた上で、やり直しの自民党総裁選を、今度は「フルスペック」ではなく「簡易型」で行うことだ。その際、高市早苗が際出馬するかどうかはわからないが、今回ともに非力さを露呈した高市早苗と小泉進次郎の二人を外して総裁選を行えば、おそらく林芳正あたりが総裁に選ばれるのではないか。そうなると、公明党がひとまず連立に復帰する可能性が高い。
なお、総理総裁の分離状態が長く続いている状態について書かれた朝日新聞デジタル有料記事への無料プレゼントリンクを、本記事の末尾に張る。
自民党がこれをやれば、とりあえずは政権を存続できる。しかしこれをやらない場合、一番ありそうなのは立民と民民の中間に位置する公明党の斉藤鉄夫の首班指名ではないかと相変わらず私は思うが、政権交代が起きる可能性がある。しかし現時点では前述のような手段がまだ自民党には残されている。
ただ、もし自民党総裁選がやり直しになれば、自民党極右派は総裁選前と同様、党内非主流派にとどまることになる。そうなると自民党分裂の可能性が高まる。
私は今回の総裁選で高市早苗が勝ったことによって、自民党分裂の可能性がとりあえずは遠のいたと思っていたのだった。なぜなら、半世紀前に新自由クラブが自民党から分裂した時代とは異なり、現在は自民党の分裂は「右からしか起きない」と考えているからだ。いわゆる「保守本流」たちには、自民党は自分たちのものだという意識が強い。だからそちら側からは簡単には割れない。割れるとしたら極右新自由主義側からである。その可能性が高市の勝利でとりあえずは小さくなったと思った。
しかし仮にやり直し総裁選で党内極右派が再び非主流派に戻れば、右側の遠心力は強まる。特に公明党に対する怨嗟はすさまじいものになろう。
政局が平穏になる日は当分訪れないと思われる。
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