12月。高市バブルはまだ弾けない。思えば昨年の今頃は、玉木バブルがなかなか弾けないことにイライラさせられていた。しかし玉木雄一郎はまだ野党の党首に過ぎなかった。今年の高市早苗は総理大臣である。秋の政局で、立民(野田佳彦と安住淳)が公明党の連立離脱の好機を活かせなかったのは痛恨の極みだ。立民支持層の間ではあずみを買う声が結構高いが私は全く買わない。野ダメ(野田)に至っては一日も早く代表を退くべきだと思っている。いま高市が衆院選をやっても公明党の離脱効果で自民党が勝つかどうかは不透明だが、立民には仮に公明票が若干乗っかったとしても比例票が大幅に減っているというディスアドバンテージがある。何しろ三春充希氏の「リアルタイム議席数予測」では衆院選比例ブロックの立民の予測議席数は23議席であり、昨年秋の衆院選で得た44議席をほぼ半減させている。それにもかかわらず立民支持層に危機感はきわめて稀薄である。そのことに私は危機感を持つ。なぜ彼らは数字を直視しようとしないのだろうか。
直視しない(できない)といえば高市の実像に対する人々の見方も同じだ。下記のXが注目されている。
インスタで流れてきたけど街角スナップのインタビューで若いゲイが
— Ellie (@Ellie_staygold) 2025年11月30日
「同性婚したいからサナエに頑張ってもらおう」って応えてて
そっか、、この人には高市早苗は同性婚賛成に見えてるのか、、と愕然とした
何か、小泉純一郎政権時代の2005年に流布した「B層」を思い出させる。当時「B層」とは「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」と定義されていた。株式会社スリードというのがこの定義づけをした。
そういえば高市早苗が昨年の自民党総裁選に大金を湯水のように注ぎ込みながら対して金を使わなかった石破茂に敗れたことが最近毎日新聞に報じられた。
高市早苗、総裁選に8000万かけて、42万円のカリスマ性皆無の石破に負けたのかw https://t.co/3dLEDLe3FD
— kazukazu (@kazukazu881) 2025年11月28日
高市氏、宣伝費に8000万円超 24年総裁選 水面下で巨費投じる https://t.co/yYnHwMXu77
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) 2025年11月28日
高市氏、宣伝費に8000万円超 24年総裁選 水面下で巨費投じる
2025/11/28 17:49(最終更新 11/29 12:46)
2024年の自民党総裁選を巡り、決選投票で敗れた高市早苗首相の政治団体が、宣伝のために8000万円超を支出していたことが、政治資金収支報告書から判明した。3位だった小泉進次郎防衛相側も、PR会社に約2000万円を支出するなどしており、多額の費用を投じた宣伝合戦が水面下で繰り広げられていた実態が浮かび上がる。
24年総裁選は岸田文雄首相の辞任表明に伴い、9月12日告示、27日投開票の日程で行われた。1回目の投票で党員票が最多だった高市氏は、決選投票で石破茂前首相に敗れたものの、25年の総裁選を制する弾みになったとされる。
高市氏の資金管理団体「新時代政策研究会」の収支報告書によると、24年の収入総額は繰越金を含めて約2億円。このうち8384万円を、告示直前と選挙期間中に宣伝費とみられる支出に充てていた。
内訳をみると、ウェブ関連では▽動画制作や交流サイト(SNS)の活用などを手がける大阪市の広告会社に「宣伝広告費」3300万円▽選挙プランナーの故・藤川晋之助氏が代表の法人に「WEBサイト等企画制作費」500万円――を支出していた。藤川氏は、総裁選前にあった東京都知事選で2番手につけた石丸伸二氏の選挙参謀。高市氏側に、SNSを駆使する石丸陣営の手法を取り入れる狙いがあったとみられる。
印刷物関連では、会報の「印刷及び封入費」「発送費」として、計4584万円を支出。これは、物議を醸した政策リーフレットの経費とみられる。
党の選挙管理委員会は告示前に党員らへのPR文書の郵送を禁じたが、高市陣営は禁止決定前にリーフレットの発送手続きを行い、全国30万人以上の党員らに届いたとされる。他陣営から苦情が相次ぎ、選管が高市氏を注意する事態となった一方、高市氏が多くの党員票を獲得する一因になったと指摘された。
24年総裁選は、高市氏にとって2度目の出馬だった。関連する過去の収支報告書によると、初出馬だった21年総裁選では1回当たり1000万円を超える宣伝費の支出はなく、2回目から宣伝重視の戦略に転換したことがうかがえる。
小泉氏も多額の宣伝費
24年総裁選には、高市、石破、小泉各氏のほか、林芳正総務相ら計9人が出馬。毎日新聞が各候補者関連の収支報告書を調べると、高市氏以外に総裁選の宣伝費とみられる支出が多かったのは、初挑戦の小泉氏だった。
小泉氏の資金管理団体「泉進会」と政党支部の収支報告書によると、「総裁選広報支援活動費」などとして都内のPR会社に2023万円を支出。さらに、総裁選との関連は不明だが、選挙直後に「キャンペーン費用」としてブランド戦略を手がける都内の企業に2919万円を払っていた。
この他、総裁選期間中に、選挙の情勢調査などを請け負う企業にも1300万円を支出。結局、小泉氏は3位につけ、25年の総裁選では高市氏と決選投票で争うことになる。
一方、24年の総裁選を制した石破氏の支出はどうか。資金管理団体「石破茂政経懇話会」と政党支部の収支報告書によると、総裁選用の支出と明記されているのは、「総裁選用リーフレット作成代」39万円と、「総裁選広報バナーSNS用作成費」3万円など、わずかしかない。
両団体が24年中に支出した「宣伝事業費」の総額は1200万円ほどで、仮にこれらがすべて総裁選用だとしても、高市、小泉両氏の支出額には及ばない。
自民党の総裁選は事実上首相を決める選挙とされてきた一方、公職選挙法の対象ではなく、選挙費用の上限規制や収支の報告義務はない。
党は総裁選でのリーフレットの郵送や、オートコールによる電話作戦など、資金のかかる行為を禁じているが、違反しても罰則はなく、巨費を投じる宣伝合戦に歯止めがかからない恐れもある。【大場弘行】
URL: https://mainichi.jp/articles/20251128/k00/00m/010/193000c
そういえば玉木雄一郎にも岡田克也が溜め込んだ政治資金を湯水のように浪費したくせに選挙結果につながらないとして馬鹿にされていた時期があった。しかし昨年の衆院選や今年の参院選で躍進するようになった。高市もそれと同じだ。高市とは「クリーン」なイメージとは裏腹に、その実像はとんでもない金権政治家であって、だからこそ党首討論で「そんなことより」と政治資金問題から話をそらそうとした。そこを機敏につけんなかったダメ党首が「野ダメ」こと野田佳彦だった。
SNS戦略とか、高市がやっていること、ロシアの選挙介入と同じだからな。 https://t.co/PnhK4BCPUD
— kazukazu (@kazukazu881) 2025年11月29日
しかしそんな高市バブルが弾けない。せっかく高市批判には見るべきところもあった右翼の「駅前は朝の七時」も、妙ちきりんな「撃ち方やめ」的な主張をして、北守さん(藤崎剛人氏)に批判された。
立場としては理解はするが、「国益のため高市発言は何があってももう撤回するべきではない」というのは、ほんまけ?と思っているし、だとしても、たとえ肉が抉られても患部を切断したほうが総合的にはプラスでは?と思ってる。 https://t.co/ig7rIGCm7e
— 北守さん (@hokusyu1982) 2025年11月25日
私も北守さんと同意見だが上記Xは散々に叩かれている。ブログはもう限られた人しか見なくなった媒体で、コメントをはてなID経由に限定してしまえば別に承認制にしなくても一時期の「まさ」のようなネトウヨはほとんど来ないが*1、Xは本当に厄介なようだ。もっとも穏健な反応でさえ下記のようなXである。
駅前の朝の七時さんの意見に同意です。今更発言を撤回したって恥の上塗りですし事態が好転するわけでもないです。ただ北守さんの意見もわかります。が外科手術は最後の手段で今ではありません。
— 品田哲男 (@ShinadaTet51420) 2025年11月25日
そんなことはない。自民の高市早苗にせよ立民の野田佳彦にせよ、既に外科手術が必要な段階に十分達していると私は確信している。
なお習近平の中国に対して厳しい批判的な眼差しが必要であること自体は当然だ。私は下記高世仁氏のブログ記事に強く共感する。
高市早苗首相の台湾有事と存立危機事態に関する答弁を機に、議論が白熱している。
私は、高市発言は、日本の首相という立場で言ってはならない内容だと思い、その点で批判している。一方で、台湾の将来についてもっとも重視されるべきは、台湾の人々の自由で自発的な選択であって、それが力で左右されてはならないと思う。だから、北京政府が台湾を軍事的に占領したとしても、それは中国の国内問題であり日本とは関係ない(だから勝手にしろ)、という議論には与しない。
宮武嶺さんの下記の言葉にも注目したい。
トランプ、プーチン、ネタニヤフ、全員を等しく批判できているかどうかが、人としての良心があるかないかの試金石になると言えるでしょう。
URL: https://raymiyatake09.hatenablog.com/entry/2025/12/01/022921
上記3人に習近平、金正恩、高市早苗も加えて批判されるべきだと思う。6人に共通するのは「権威主義」と「力への信奉」(もちろんこの2つには密接な関係がある)だ。
そういえば昔「なんとかペンタゴン」という妄言があったけれども、それになぞらえたら「極悪ヘキサゴン」になろうか。でも某陰謀論者を思い出させずにはいられないこのようなワードを弊ブログが繰り返し用いることはない。
今回が最初で最後だ。
*1:かといって承認制を止めたら「まさ」が戻ってくるのは必定なので承認制は止めないが。