kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「ホワイトカラー・エグゼンプション」の次は企業減税か...

エグゼンプション exemption などという単語をご存知の方は、果たしてどのくらいいるだろうか。
既に90年代から「裁量労働制」による企業のコスト削減は、当たり前のように行われてきた。現在、民主党の代表を務めている小沢一郎が、自民党の幹事長として、外交政策・経済政策の両面でタカ派色を鮮明に打ち出していた90年代初頭から、新自由主義の波は産業界を洗い始めていた。
富士通が「成果主義」の人事処遇制度を導入したのは、確か1993年だったと思う。新自由主義的施策の典型ともいえるこの制度は、しかしながら、小泉純一郎が政権についた2001年には、すでに失敗であるとの評価が定まっていた。
「コイズミカイカク」とは、新自由主義の実践にほかならない。この、確実に日本の国力を失わせることが、少なくとも私の目には明らかだった政策を、多くの日本人は支持した。「なんと愚かな」と私は歯がみしたが、救いは、2003年の総選挙と2004年の参院選で、いずれも自民党が勝てなかったことだ。民主党は、社民主義勢力と、旧自由党新自由主義勢力の寄り合い世帯だったが、いち早く新自由主義政策の限界に気づいた(と私は考えている)小沢一郎が、ウイングを左に延ばしたのが功を奏し、党勢を拡大していた。
しかし、すべてをぶち壊したのが2005年の「郵政選挙」における自民党の大勝だった。この選挙で、ふたたび日本国民は「コイズミマジック」に引っかかってしまった。exemptionとexceptionの区別がつかないどころか、いずれの単語も見たことも聞いたこともない大多数の国民は、「抵抗勢力」との闘いのアジ演説を絶叫するコイズミを熱狂的に支持した。自民党が大勝したあとに、何が待ち構えているかも知らずに...
ホワイトカラー・エグゼンプション」とは、企業が従業員をいかようにも使い倒せる制度のことだ。以前から公然と行われてきた企業経営者のやりたい放題にお墨つきを与えようとしているのが、安倍晋三政権だ。
そして、企業減税の大判振る舞いに続いては、サラリーマンに対する増税、さらには、来年の参院選後の消費税率アップが待ち構えているというワケだ。
この現状に対して文句を言う資格を持っているのは、昨年の総選挙で与党に投票しなかった人間だけだろう。