kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

対照的な「ダブル中川」の主義主張と今後

ともに安倍晋三内閣の中枢にいた「ダブル中川」こと中川秀直中川昭一だが、そのスタンスは対照的だ。
中川秀直は典型的な新自由主義者で、中川昭一は典型的な新保守主義者である。中川(昭)と安倍晋三は、ともに朝日新聞と戦った「戦友」であり、安倍はもちろん「昭一寄り」だ。中川秀直は、安倍内閣を内部から崩壊させた「戦犯」として、中西輝政らから蛇蝎のように嫌われている。だが、竹中平蔵の影響を強く受けた秀直の経済政策を、安倍はそのまま採用した。安倍というのは経済政策などどうでもよくて、ひたすら改憲をしたいだけの男だったから、やすやすと秀直の経済政策を受け入れたのだろう。それが安倍内閣の致命傷になるとも知らずに(笑)。
ところで、現在秀直は「大連立の仕掛人」の一人として、昭一は平沼赳夫らとの「勉強会」の主宰者の一人としてそれぞれメディアの注目を集めている。これにはいくつか注意しておかなければならないことがある。一つは、中川秀直のようなゴリゴリの新自由主義者仕掛人になっていた「大連立」には、当然のことながら新自由主義色がかなり強いものにならざるを得なかったはずで、これを小沢一郎が受け入れようとしたということは、参院選前の小沢の(社会民主主義色の濃い)主張は、小沢の本心から出たものではなかったと見なさざるを得ないということである。もう一つは、仮に大連立が再燃した場合、中川昭一平沼赳夫、さらには安倍晋三らは徹底的に干されるだろうということで、中川昭一や平沼らの動きは、福田康夫に代表される自民党中道派(福田は、決してハト派ではないが、中川昭一安倍晋三をさしおいて「タカ派」ともいえないだろう)に対する自民党内の極右勢力の挑戦といえるだろうということだ。中川昭一らは、おそらくコイズミら新自由主義勢力とも距離を置く。大衆は、現在の「格差社会」がコイズミ−竹中平蔵の「新自由主義政策」に起因することを見抜き始めており、中川昭一らが立場を強めるためには「反新自由主義」の立場に立った方が大衆の歓心を買うのに好都合だと計算するに決まっていると私は予想している。その「反新自由主義」は、小沢一郎同様、決して心から出ているものではないのだが、極右思想を好むポピュリストたちにはそんなことは理解できない。
私の予想は、今後中川秀直はネット言論では徹底的に叩かれる一方、中川昭一は「健全な保守の再結集を図る」とかなんとか言われて人気を博するだろうということだ。あさはかな反政府系のブログ言論の一部では、政権末期の安倍晋三は「新自由主義化に歯止めをかけようとしていた」とかなんとかいって、あたかも安倍内閣当時の政府や安倍晋三首相(当時)らへの批判が新自由主義を推進するマスコミに煽られたものであったかのように言い始めている。そんなことを言っている人たちは、きっと「平沼新党」が立ち上がったら、平沼赳夫城内実らに「理解を示す」のだろう。もし「平沼新党」なるものが立ち上がったら、極右ポピュリズム政党になると私は予想しており、それはコイズミ−竹中の「市場原理主義」よりさらに性質の悪い、日本の戦後政治史上で最悪の政党になるのではないかと危惧している。